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第287話 旅の3日目 夕飯とこの辺の主さん?

風はピタリと止んでしまいました。

アリスとミアが湯あみを終え、鍋を返してもらい夕飯を作りを開始し、今はのんびりと夕飯中。

「はぁ・・・毎回タケオ様の料理は、美味しさのあまりため息をついてしまいますね。」

アリスがローストビーフを挟んだパンとシイタケの出汁にニンジンとジャガイモを入れたスープを食べながら感想を言う。

「はは、そう言って喜んで貰えてありがたいですね。

 馬車とかでの旅行なら野菜とか卵も買っていきたいですよね。」

「それは良いかもしれませんね。」

と、武雄はミアを見る。アリスもミアを見る。

ミアは夕飯を食べ始めた頃からずっと森の方を見ている。

今も夕飯をもぐもぐしながら森を見ているのだ。

武雄もアリスもその行動が意味する所はわかるが特にミアが何も言ってこないので、あまり気にしていなかったが・・・

さすがに武雄は聞きたくなってくる。

「ミア、敵意は無いのですよね?」

「主、たぶんありません。あったら周りの空気が変わります。

 ですが、さっきから全く移動しないのでこっちを見ているのだと思います。

 なので、私も見ています。」

「ふむ・・・」

武雄は自分のローストビーフを数枚、スープで洗いソースを落として皿に乗せると立ち上がる。

「主?」

「この辺の主かもしれないでしょ?

 挨拶がてら奉納です。

 ミア、こっちの方向ですか?」

「あっています。主、気を付けてくださいね?」

「はいはい。」

武雄は、いつでも両手にシールド×15が展開出来る様にしておく。

森と広場の境に武雄は着くとお皿を置いてしゃがみ込み手を合わせる。

「森の主よ、何もしらず野宿をしてしまい申し訳ないです。

 明日の朝には出て行きますので、今夜、泊まることを許してください。」

と小声で言ってその場を立ち、アリス達の所に戻って行く。

・・

「タケオ様、平気でしたか?」

「主、大丈夫ですか?」

二人は心配しながら聞いてくる。

「二人とも平気ですよ。

 ・・・ミア、私は近くまで行ったのですよね?」

「はい、視認出来るであろう位置に行きました。

 気が付きませんでしたか?」

「まったくわかりませんでした。

 気配は変わりましたか?」

「いえ、移動もほとんどしていないと思います。」

と、武雄とアリスが皿を置いた所を見ると・・・皿がなくなっている。

「いつの間に。」

「気が付きませんでしたね。」

武雄とアリスが驚く。

と、森の方からガサガサと音がして1匹何かが出てくる。

「ちょ・・・」

姿を見たアリスが驚く、武雄も声に出さないが驚いている。

こっちに皿を咥えてくるのは、高さ40㎝くらいのずんぐりしたチビドラゴンだった。

「あぁ、この気配はやっぱりドラゴンでしたか。」

ミアは、ため息をつくのだった。

・・

「きゅ!」

と、3人の前に来たチビドラゴンが皿を置いて軽く鳴く。

「ミア、通訳を。」

「はい、主。」

ミアは武雄の肩に乗る。


≪以下。武雄とアリスとチビドラゴンの会話(訳:ミア)≫

「こんばんは。

 美味しい肉を頂いたのでお礼を言いに来ました。」

「いえ、喜んで貰えたのならありがたいですね。

 人間の言葉はわかるのですか?」

「はい、わかります。」

「ここはアナタの住み家ですか?」

「仮ですね。

 ここはあまり人間が来ないのでとりあえず住んでいるのですけど。

 どうしてここに?」

「私達はこれから王都に行こうと旅をしています。

 今日は野宿ですね。」

「王都?・・・あぁ、西にある人間がいっぱいいる所ですね?」

「はい。」

「なんで妖精があなた達と行動を共にしているのですか?

 ここら辺ではいないはずですが?」

「訳あって、こちらで保護しています。

 今は私の部下になって貰っていますね。」

チビドラゴンがミアの方を向き、鳴く。

「きゅ~・・・きゅ?きゅ?」

「・・・なんで、それがわかるのですか?」

ミアは通訳を止め、ジト目になりながらチビドラゴンと話す。

「きゅ~。きゅ。きゅ?きゅ。」

「うちの仲間を馬鹿にするのですか?」

「きゅ。きゅ?きゅ~。きゅ。きゅ?」

「はぁ・・・」

ミアはため息をつく。

「ミアちゃん、何を言われたの?」

アリスが心配そうに聞いてくる。

「いえ、私の親と昔会ったと言っていました。

 で、通訳ご苦労様と。」

「・・・そうですか。」

「では、続きを訳しますからどうぞ。」


「さて、ちょっと話が中断しましたね。

 で、人間。あなた達はどこから来たのです?」

「ここから東に町と村を5つ先に行った街から来ました。」

「この間、ゴブリンが突撃した街ですかね。」

「知っているのですか?」

「上から姉と見ていました。ゴブリンとオーガ相手に完勝でしたね。

 おめでとう。」

「最弱の分類である人間では、あれが最上級の結果です。

 最強種のドラゴンからそう言ってもらうと変な感じですね。」

「ふむ、アナタは自分たちの事をわかっているのですね。

 ・・・丁度良いですね。

 あなた達の王都に私も行きたいので付いて行きます。」

「「は!?」」

チビドラゴンの発言に2人は驚くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] (読み返し中) この時点でミアの親に気がついていたのか
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