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第285話 20日目 旅の3日目 エルヴィス家の朝の打ち合わせとアリス達の昼食。

朝食を取り終え、客間で朝のティータイム。

客間にはエルヴィス爺さん、スミス、フレデリック、ハロルド、兵士長がいる。

「・・・ふむ。

 これが今朝、フレッドの騎士団長からハロルド宛に来た報告書。

 で、こっちがデビットから関の報告書。

 関連はありそうじゃの。」

2つの報告書を見終え、机に並べる。

「はい。

 そうですね、兵士長はどう思いますか?」

フレデリックがエルヴィス爺さんの問いかけに答え、兵士長に振る。

「は!

 まず、我々の関での方は、ゴブリン軍襲来の3日後からフルプレートの騎士が目撃されているとのことです。

 対して、ゴドウィン伯爵領の関では、4日前・・・ゴブリン軍襲来の5日後からフルプレートの騎士の数が減っているとの報告ですが、うちの方の関を固めるなら順番が逆なのでは?と思います。」

「ハロルドはどう思う?」

「そうですね。

 客観的に考察するなら、我々と面している領主の騎士団が国境沿いに展開している。

 で、空いた中心街の防衛の為に隣の騎士団を借りた・・・ですかね?

 普通、そんなことあり得ないのではないでしょうか?

 騎士団は領主が持ちえる最強の兵団です。

 それを国境沿いの警備に行かせるから街の防衛の為に他領の騎士団を貸してくれとは言わないでしょう。

 するなら、他領の騎士団と合同で国境沿いの警備を行い、街の騎士団は最低でも半分は残して置くでしょうね。」

「うむ、わしもそう思うの。

 という事は、少なくとも我々の関と対峙して居る騎士団は面している領主の騎士団じゃの。

 で、隣の領主の騎士団が何か企んでおるの。」

「主、どうしますか?」

「ふむ・・・ハロルド。」

「は!」

「騎士団はいつでも動ける体制を維持しておくのじゃ。

 デビット。」

「は!」

「関の警備兵にはすまんが、しばらく様子見じゃ。

 代わりに東町に少し多くの兵士を巡回させ後詰をさせるのじゃ。

 フレッドの所と同様にこちらの戦略は変わらずじゃ。

 現状、こちらから戦を仕掛けることはない。仕掛けられたら追い返すまでじゃ。

 そして緊急時には関を閉じて増援の時間を稼ぐよう指示しておくように。

 ハロルドはフレッドの所にそう伝令を送ってくれ。」

「「は!」」

「うむ、フレデリック。

 東町の備蓄庫の備蓄状況はどうなっておる?」

「現在どの町の備蓄庫も50%を維持しております。」

「うむ・・・この街の備蓄庫から東町の備蓄庫に小麦等の移動を開始せよ。

 東町の備蓄を100%で維持する様に。

 また北町、西町の備蓄を25%ずつこの街に移動させるのじゃ。」

「畏まりました。」

「まったく・・・タケオとアリスが居なくて良かったの。

 ふらふらっと見に行きそうだからのぉ。」

「いや、タケオ様はここで指示をするかもしれませんが、アリスお嬢様が・・・」

「あぁ・・・行きそうじゃの。

 すぐ見に行きたがるからの。」

「その言い方だと、2年前もアリスお姉様は行きそうになったのですか?」

スミスが聞いてくる。

「うむ。一報が入った時点で『見に行ってきます』と言いおったのじゃ。

 押し留めるのに苦労した記憶があるの。」

エルヴィス爺さんとフレデリックは苦笑する。

「それにしてもあの二人は今はどこぐらいに居るのかのぉ?」

「普通の馬の旅なら今日はエルヴィス領の西の端の村ですね。」

「ふむ、やっとか。スミスの話ではないが、もう少し街道整備をしても良いのかもしれぬの?」

「そうですね。ですが、それはスミス様の時代で行えるかどうかですね。

 今は、領内の発展を考えないといけない時期ですので。」

「うむ、そうじゃの。

 と、話が逸れたの。ハロルド、デビット、先の様にまずは動こうかの。」

「「は!」」

客間内の全員が頷くのだった。


------------------------

武雄達一行は、エルヴィス領西の端にある村が一望できる街道沿いで少し早い昼食を取っていた。

「タケオ様、順調過ぎませんか?」

「アリスお嬢様もそう思います?

 なんとなく地図よりも早い移動をしている気がしますね。

 まぁ小休止ごとに馬にケアをかけているのは確かですが・・・それでも想定より1、2時間は早いんですよね。」

「んー・・・初めての馬の旅だから良いのか悪いのか判断が難しいところですね。」

「ですね。

 と、ミア、リンゴは食べ終わりましたか?」

「はい、主。

 お腹いっぱいです。オレンジは明日なのですよね?」

「そうですね。今食べてしまうと明日のミアの果物はないですよ?」

「我慢します!」

ミアの宣言に二人は苦笑する。

「さて、もう少ししたら出立しましょうか。

 9時課の鐘が鳴る頃まで移動して、そこで良い感じの開けている土地で野宿ですかね。」

「他の旅人は居ますかね?」

「さて、居たら居たで話しながら夜を過ごせば良いのでしょうね。」

「まぁ、そうですね。」

武雄とアリスはのんびりとお茶を飲むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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