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第282話 旅の2日目 西町到着。まずは昼食を作らねば。

「タケオ様、まだですか?」

「主、お腹空いたー。」

「はいはい、もう少し待っていてくださいね。」

武雄は今、宿屋で厨房付きの部屋に入って料理をしている。


結局、朝食も昼食も取らずに西町まで一気に来てしまった。

で、6時課の鐘を少し過ぎた辺りで町に到着し、すぐに厨房、湯あみ場付きの宿を探した。


「はい、出来ましたよ。」

武雄は机にサンドイッチとフレンチトーストと卵入りスープにリンゴとオレンジを出す。

武雄は昼用のパンをフレンチトーストに、そして朝食用の食材はそのまま出した。

スープは昨日の物は捨てて洗っておいたのを今朝水筒に干しシイタケを入れ、移動中に戻していたのでそれを使った。

卵と果物については、部屋に荷物を置いた武雄が走って買いに行きました。

「さ、食べましょうか。」

「「はーい。」」

3人は一気に食べ始める。

・・

「はぁ・・・やっぱりタケオ様の料理は絶品です。

 塩加減と言い、スープも美味しかったです。」

「主、美味しかったです。」

二人とも満足な様で武雄はニコニコしている。

「さて、昼食を取ってすぐですが・・・夕飯はどうします?

 何処かで食べますか?」

「私はタケオ様が作ってくれるのが一番だと思いますけど?

 それ以上に美味しい物は無いですし。」

「私も外の店で食べる事が出来ないので主が作ったのが良いです。」

「二人して外食は不要と・・・まぁ、明日の朝と昼の準備もありますしね・・・

 後で、局長に挨拶に行った帰りにでも食材を買いますか。」

と、武雄は何気に地図を見る。

「・・・ん?」

「どうしました?」

「いえ、今日の移動速度が今後も出せるなら・・・3日後には王都に着きますね。」

「え?1日早いですね。」

「ええ。明日は野宿になってしまいますが、村を過ぎたエルヴィス領の端で一泊すれば、4日目には王都直轄領の町に行けそうですね。

 どうします?」

「どっちにしても野宿があるのですよね?

 ならば、明日に野宿でも良いのではないですか?」

「ミアはどう思います?」

「私は野宿の方が楽ですね。」

「ふむ・・・じゃあ明日は野宿にしますか。

 村よりも町の方が食材は入手が楽でしょうし、この部屋には厨房もありますから一気にいろいろ作って持って行きますかね。」

「リュックに隙間があるでしょうかね?」

「ん?作るんですよ?

 まぁ、パンは確実に潰れるでしょうが。」

「えぇぇ・・・タケオ様、ふっくらしたパンは・・・」

「諦めましょう。」

武雄の言葉にアリスはガックリとするのだった。


------------------------

西町局長は朝からソワソワしていた。

部下たちから「何をソワソワしているのだろう?」「何か問題事が?」「あ、ため息ついてる」等々皆が心配していた。


「はぁ・・・フレデリック様から連絡はあったが・・・

 キタミザト様とアリス様は今日の夕方には到着するのだろう。

 べ・・・別に悪い事は・・・していないよな・・・

 部下たちもちゃんとしてくれているし・・・

 はぁ・・・何か言われるのだろうか。」

西町局長は不安からため息ばかりになっていた。

ついでに言えば今日の面会は全部お断り中。

さっきも昼食を取ったが味がわからなかった。

と、執務室の扉がノックされる。

局長が入室の許可を出すと事務の女性が入って来る。

「し・・・失礼します!あの!今」

彼女の緊張で局長はわかってしまう。

何が起きたのか。

「すぐにお通ししてください。」

「はい!」

女性はすぐに引き返す。局長は起立し、覚悟を決めるのだった。


------------------------

武雄達は受付の女性が局長に確認に行っている間、入り口横の椅子に座って待っているのだが。

初めて来る町の庁舎に興味深々だ。

「タケオ様、あれはなんでしょうか?」

「あのグラフですか?

 名前が書かれてる様ですから、何かの成果でしょうかね?

 でも皆がほぼ均等ですから、大きな問題はなさそうですね。」

「へぇ、文官達の仕事場に来たことがないから面白いですね。」

アリスが武雄に「あれは何でしょうか?」と聞くたびに周りの文官達がビクついているのを二人は気が付かない。


「お待たせいたしました。局長からお二人をお通しするよう申し付けられました。」

と、さっきの受付の女性が戻って来て話しかけてくる。

「はい、わかりました。」

武雄とアリスは席を立ち、受付の女性の後に付いて行くのだった。

・・

局長執務室と書かれている部屋の前で止まり、受付の女性が扉をノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

中には堂々とした出で立ちの初老の男性が起立して待っていた。

「局長、アリス様とキタミザト様をお連れいたしました。」

「はい、ご苦労様です。

 アリス様、キタミザト様、ようこそお出で下さいました。」

「西町局長、突然来てすみませんね。」

「局長、この間の局長会議以来ですね。

 今日は突然来てすみません。」

「いえいえ。

 さ、立ち話もなんですので、お座りになってください。

 あと、お茶をお願いできますかね?」

「はい、畏まりました。」

受付の女性が退出して行く。

アリスと武雄は局長が勧めたソファに座ると局長も座るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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