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第278話 旅の1日目 まずは昼食。とレイラ達の小休憩。

「はぁ・・・外でのお昼も良いですねぇ。」

アリスは木陰に座りながらのんびりとサンドイッチを食べていた。

武雄はそんなアリスの膝を枕にしてお昼寝。ミアは武雄のお腹に乗ってお昼寝をしている。

アリスの手元にはバスケットとお茶セットが用意されていた。

「ふぅ・・・それにしても・・・

 私の相手をするよりも昼寝ですか?」

「・・・のんびりも良いでしょう?」

「ん?タケオ様、起きたのですか?」

「今しがた・・・10分くらいは寝ましたね。」

武雄は時計を確認し、下からアリスを見上げている。

「タケオ様、順調なんですよね?」

「みたいですね。地図通りならもうすぐ2つ目の村を過ぎますね。

 今日は3つ目まで行けそうです。

 それにしても・・・私の乗馬技術でもそれなりに速度が出ましたね。」

「・・・全く速度が落ちないので驚きましたが・・・

 タケオ様・・・何かしていますね?」

「あ・・・バレましたか・・・ケアを小休憩の時に馬にかけています。」

「なるほど、だから速度が落ちないのですね。」

「ええ。ですが、精神的には疲れるでしょうから、ちゃんと3つ目の村に着き次第、馬も私達も休みましょう。

 この速度で毎日行ければ、予定より少し早めに王都には着けるでしょうね。」

「あとは天候ですね。

 今時期は雨は少ないのですけど・・・」

「そうですね・・・と、では、片付けと出立の準備をしますかね。

 アリスお嬢様、私のお腹の上で大の字で寝ている子を取ってください。」

「はいはい。」

アリスは武雄のお腹でうつ伏せで大の字に寝ているミアを起こさないように持つ。

武雄は起きて作業を開始するのだった。


------------------------

「はぁ・・・何だか王城内がバタバタしていますね?」

レイラがお茶をしながらため息をつく。

「そうだね。昨日の父上の継承問題とタケオさん達の爵位の授与に関して・・・同時に始まったね。」

「レイラ、ウィリアム・・・なんでそんなにのんびりなの?

 朝からいろいろ資料が来ているのだけど・・・

 二人は見ない気?」

アルマが資料を片手にため息をつきながらお茶を飲んでいる。

ここは第3皇子夫妻に与えられている執務室。

3人とも朝から運び込まれている資料に囲まれていた。

「いや・・・見ているよ?

 でも良し悪しがね・・・」

「ですね・・・例えばこの随行・・・異動が可能な文官のリストですけど、

 どの人材も資料を読んだ限りでは優秀ですよね。」

「そうね・・・二人の言いたいことはわかるわ・・・

 でも、決めないと進まないわよ?」

「ですよね~・・・

 お姉様方の時もこんなだったのでしょうかね?」

「ん~・・・どうだったかなぁ・・・

 確か・・・クリフ兄上は正室、側室と文官達がやってたし、ニール兄上は第1騎士団がやっていたね。

 まぁ、僕はのんびりと『大変だねぇ~』と言っていた記憶があるよ。」

「はぁ・・・やっぱり後ろ楯があるとそこを使えて良いわね・・・

 うちの実家もエルヴィス家も王都にコネなんか無さそうだし・・・

 ウィリアムのコネなんて王都守備隊の情報分隊だし・・・

 使えるなら使お・・・ウィリアムの裏仕事がばれるわよね・・・」

アルマがでっかいため息をつく。

「まぁ、まだまだ時間もあるし・・・今日決めなくてもいいのではないかな?」

「ウィリアム・・・何日ぐらい猶予があると思います?」

ウィリアムの慰めに対してレイラが聞き返す。

「 ・・・1週間くらいかな?」

「それじゃあ・・・今とほとんど変わらないわよ?

 レイラ・・・何か良い方法ないかしら?」

「アルマお姉様にないなら私にもないですね。

 まぁあと数日で助っ人は着きそうですけど?」

「あ!アリスとタケオさんね!」

「・・・アルマ、レイラ・・・それはちょっと難しいのではないかな?」

「なんでです!?」

「アリスは良いとして・・・タケオさんは僕たちの正体を知らないんだよ?

 なんて言って協力してもらうつもりだい?」

「そんなのさっさと正体を教えれば良いじゃない?」

「・・・んー・・・タケオさんが何て言うかな?」

「そう言われると・・・どういう反応をするのかわからないですね。」

ウィリアムとレイラが苦笑する。

「ん?なに二人して。

 タケオさんは人情があるのでしょう?」

「あるんですけどね・・・こちらも誠実に対応していれば・・・ですね。

 結局の所、こっちの正体も教えないまま帰ってきてしまったし。

 お義父さまも言うつもりも無いようですし。

 どのタイミングで正体を明かすつもりなのか・・・タイミングが難しいですよね?」

「そうだね。

 最悪のタイミングは授与式で・・・かなぁ?

 でも父上はそれを狙っていそうだよね?」

「あぁ・・・お義父さまならあり得るわね。」

「んー・・・そう言えば、ウィリアム。」

「何だい?レイラ。」

「アリスの手紙に変な文言があったのよ。」

「ん?僕も読んだけど・・・そんなのあったかな?

 王都に遊びに来てタケオさんはカトランダ帝国に偵察に、アリスは留守番すると書いてあったよね?」

「ええ、でも・・・その中で『皆で行きます』とあったのよね・・・

 皆って誰でしょう?」

「ん?・・・タケオさんとアリス・・・伯爵は来ないだろうし、スミスも来ないだろうね。

 フレデリックだっけ?執事も来るとは思えないね・・・

 おや?誰が来るのかな?」

「私の予想ではテイラー店長なのですけど・・・ウィリアムは誰だと思います?」

「テイラーは無いだろうね。

 一度、王都から出たのだし・・・余程のことがないと来ないと思うよ?

 んー・・・わからないね・・・まぁそれも面白いね。」

「そっかぁ・・・ウィリアムでもわからないかぁ・・・

 ・・・良し!少し楽しみが出来ました。

 資料を読みますかね!」

レイラが少しやる気を見せて資料を読み始める。

ウィリアムとアルマは苦笑しながら自分達も資料を読み始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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