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第264話 プチ妃会議。(妃達への説明とバターサンドの威力。)

最高幹部会議が開かれている頃、王城内の別の小広間に第1皇子と第3皇子の正室と側室、第2皇子の長女が集まっていた。

レイラの方から旅の経緯とアリスとタケオの婚約の話、ゴブリンとの戦闘の話、推挙の話、研究所の話がされた。


「そう・・・王家枠を使って3人を同時に男爵に推挙か・・・

 随分思い切ったわね、レイラ。」

第1皇子正室のローナが言う。

「でも、確かに私達の周りの貴族はうるさかったわ。

 これで同時に男爵への推挙がなされれば収まるのではないですかね?」

第1皇子側室のセリーナが言う。

「すみません、私ではその辺はわからなくて。」

第2皇子の長女のエイミーが謝る。

「良いのよ、エイミーちゃん。こんなことは別に知る必要はないのよ?」

レイラが朗らかに言う。

「ホント、確かにレイラの言う通りこんなことを話すのも億劫ですね。」

アルマがため息を漏らす。

「まぁねぇ・・・本当ならアリスの婚約者の話で盛り上がりたいのだけど。

 ・・・はぁ・・・良いわ。とりあえず第1皇子関係では貴族への推挙はすぐに準備出来るでしょう。

 実は推挙リストが王都の文官の所に提出されているらしいわ。」

ローナが言う。

「たぶん、第2皇子関係の推挙リストも王都にはあると思います。

 ですので、どちらもすぐに選定作業を終えるでしょう。」

セリーナが言う。

「これで少しはガス抜きになりますかね?」

アルマが聞き返す。

「どうでしょう・・・なって貰わないと困りますね。

 とりあえず、エルヴィス家からアリスとタケオさんの推挙の件は第1皇子一家では問題ありません。

 そのまま進めて平気でしょう。」

「第2皇子一家も同じです。」

ローナとエイミーが答える。

「「ありがとうございます。」」

アルマとレイラが礼を言う。


と、小広間の扉がノックされ、メイド達がお茶とお菓子を持ってきて皆の前に配膳をする。

配膳を済ませたメイドの一人がレイラに近づく。

「レイラ殿下。」

「はい、何です?」

「エルヴィス家のアリス様より手紙が届いております。」

とレイラに手紙を渡す。

「ありがとう。そう言えば、料理長は何か言ってた?」

「はい、タケオ様がいつ来られるのかレイラ殿下にお聞きする様に言われておりますが・・・」

「んー・・・まだわからないわ。

 わかったら教えると言っておいて。」

「畏まりました。」

と、メイドが小広間から退出していった。

「で?レイラ、初めて見るお菓子が来たのですけど?

 これは王都での流行りなの?」

ローナが聞いてくる。

「いえ、タケオさんにレシピを教えていただいたので、皆で食べようと料理長に作って貰いました。」

レイラの言葉にその場の皆がレイラの方を一斉に向き、すぐにお菓子を見る。

「ということは・・・これが説明のあった唸る程美味しかったスイーツなのね!」

アルマがじーっとお菓子を見ながら言う。

「ええ・・・ただ上手く再現出来たのか・・・味見をしていないのでわからないのですが・・・」

「それでも初めてのお菓子だわ。早速頂きましょう!」

セリーナの言葉に皆が一斉に食べる。

と、皆が動きを止めレイラを見て、目をこれでもかと見開き驚いている。

「お・・・美味しいわ!え?どういうこと?」

「バターの風味とレーズンが合っています。これは凄いわ!」

「お・・・美味しいですぅ。」

「こんな美味しい物を・・・ズルいわ。」

4人が驚きと美味しさでお菓子を口に運ぶのを止められない。

レイラは「・・・タケオさんも私達をこう見ていたのですか・・・そりゃ苦笑もしますよね。」と思いながらやっぱり苦笑をするのだった。

・・

あっと言う間に完食。

「幸せ・・・」

エイミーは、うっとりしながら言う。

皆も感想は言わないまでも余韻を楽しんでいる。

レイラは、そんな光景をニコニコしながら見ていたが。

「もう、なんて顔をしているのです?

 蕩けそうな顔をして。」

タケオがレイラに言ったことをレイラがそのまま皆にも言う。

「しょうがないじゃない!まさかここまで美味しいとは思わなかったわ!」

「くぅ~・・・私も行きたかった!」

セリーナは逆ギレし、アルマは付いて行けなかった事を後悔する。

「これもタケオさんなのね・・・あれ?・・・レイラ。

 タケオさんは他にも作ったのよね?」

ローナが聞いてくる。

「はい、毎日違うスイーツを出してくれました。

 どれも美味しいのです。今の驚きが毎回ですよ?」

「・・・ズルい!」

「はぃ?」

アルマが逆ギレしてくる。

「レイラとウィリアムばっかり美味しい物食べて!!」

「いやいや、アルマお姉様?正室会議でしたでしょう?

 それにタケオさんはアリスの婚約者ですし・・・ねぇ?」

レイラが苦笑してセリーナの方を向く。

「まぁ仕方ないんじゃない?

 アリスはレイラの妹だから婚約祝いに行ったら、たまたま美味しい料理が出てきたのだし・・・

 そう言えば、さっきアリスからレイラ宛に手紙が来ていたわね?」

「そうでしたね。」

セリーナの強引な話題変換にレイラも乗りその場で手紙を開け中を確認する。

「・・・ふふ。

 アルマお姉様。」

「・・・なに?」

不貞腐れているアルマにレイラが声をかける。

「あと7日か8日でアリスとタケオさんが王都に遊びに来るそうですよ?」

レイラの言葉にその場の皆の顔が「やった!」と笑顔になっていくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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