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第263話 最高幹部会議。(今後の王位。)

「さてと・・・指輪も話したし、トレンチコートの話もした。戦闘の話もしたし・・・旅の話はしたよな?

 3名の男爵とアリスの推挙の件も話したし・・・

 と、そうだ。

 トレンチコートは王都の仕立て屋に卸せるように王都とエルヴィス領の仕立て屋組合の話合にウィリアムが間に入ってまとめるからな。」

「ん?ウィリアム殿下が間に入るのですか?」

「うむ、その方が話が進めやすいだろう?

 トレンチコートの概念は良い物だ。

 あれは国内に普及させたいのでな。」

「畏まりました。ちなみに陛下は、ご購入されたのですか?」

「うむ、向こうで特注のを1着と市販版を買ったぞ。

 馬での遠出に持って来いな感じだったな。」

「ほぉ、そうですか。

 それは発売されるのが楽しみですね。」

武官、文官とも頷く。


「あとは・・・そうだな。

 王位継承についてだ。」

アズパール王の言葉に広間の空気が固まる。

「陛下・・・何も今言わなくても・・・」

オルコットが焦る。

「いや、今回の件でいつ襲われるかもわからないとわかったからな。

 今回はアリスやタケオ、エルヴィス家の兵の奮闘で事なきを得たが・・・

 今後ともそうなるとは限らない。

 我の進退で国が揺らいではいけないからな。

 なのでこの際、ちゃんと我の考えを皆に聞いておいてほしい。

 なぁに、まだまだ我は元気だぞ?・・・だがしっかりと継承の準備を始めたいと思っている。」

「陛下・・・」

オルコットが悲しそうな声を出す。

「さてと。我の次の王はクリフ、お前だ。」

「は!」

「今まで皆からもそう言われていただろうし、我もそう思っていた。

 だが、言葉でちゃんと伝えていなかったな、許せ。

 ニール、ウィリアム。」

「「は!」」

「同じ兄弟なのにお主ら2人には王位を継がすことができない。

 王として当然の判断だと我は思う・・・思うが・・・

 一父親として、息子の将来を狭めてしまった事についてすまないと思う。

 国を分割してそれぞれに王をさせるという判断も出来るのだ・・・

 だが国力を・・・民を犠牲にしてまでお主達を王にさせる訳にはいかない。

 これが第34代アズパール王としての判断であり、アラン・ジョン・アズパール、お主達の父としての判断だ。

 オルコット、並びに文官そして武官一同。」

「「「「は!」」」」

「我としては次の王はクリフとしたい。

 異議はあるか?」

「文官代表として奏上いたします。

 我らアズパール王国に属する全文官は陛下のお心を具現化する為におります。

 陛下の王位継承のお考えに関し、異議はございません。

 滞りなく継承出来る様準備してまいります。」

「第1騎士団は異議ございません。」

「第2騎士団も異議ございません。」

「王都守備隊は問題ございません。」

オルコット並びに第1騎士団長、第2騎士団長、王都守備隊総長が答える。

「うむ。

 ウィリアム。」

「は!」

「長きに渡り王都勤めご苦労だった。

 すぐではないが公領に異動してもらう。

 お主の好きな場所に公領を設定させるがどこが良い?」

「は!お言葉に甘えさせて頂けるならば、私の正室はテンプル伯爵の妹、側室はエルヴィス伯爵の孫、そしてエルヴィス家次期当主の姉になります。

 両伯爵領に近い場所に設定していただければ嬉しく思います。」

「そうだな・・・魔王国との戦もあるだろう。

 ゴドウィン伯爵領、エルヴィス伯爵領、テンプル伯爵領に面している適切な場所を探させよう。

 オルコット。」

「は!」

「ウィリアムの願いを叶えてくれ。

 過去に倣い王家の者には領地全体で500名の兵士をまとめ、3万人都市を治める規模とする。

 領地異動に際し随行する文官、武官の選定作業に入れ。」

「は!」

「クリフ。」

「は!」

「ウィリアムが王都を退去したのち、一家で王都に入れ。

 そして次期王位の為の勉強を始めよ。

 まぁすぐに全てをさせる訳にはいかんが・・・少しずつ決定権を委譲していく。

 今の公領は別の者に任せる。

 それで良いか?」

「は!」

・・

「と、決めたのだが・・・オルコット、実際にウィリアムの引っ越しはいつ頃になりそうだ?」

「そうですね・・・

 陛下も仰っていましたが、公領の設定をして要衝に居を作らないといけませんね。

 それに随行する文官、武官を決めないといけません。

 ・・・早くても1年後ですね。」

「やはり今言っておいて良かったな。

 なので、最低でも1年は今のままだ。」

アズパール王は苦笑する。

「オルコット、今決めた貴族への推挙の話と継承の件しっかりと頼む。」

「は!まずは推挙の件を滞りなく行えるように手配いたします。

 ちなみにそのキタミザト殿はいつ王都に来られるのですか?」

「早ければ7日後に来るぞ?」

「!?・・・早っ・・・んんっ・・・

 失礼しました、それまでに推挙の件と研究所の件は決めます。」

「うむ、わかった。

 ウィリアム、どうせレイラ宛にアリスから旅の件で手紙がその内来るだろうから来たら教えてくれ。」

「父上、わかりました。」

「今日は急に集まって貰ってすまなかったな。

 以上だ。」

アズパール王は席を立ち広間を退出して行った。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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