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第247話 魔法具商店に寄ってから帰ろうか。

武雄は小銃改1の練習を終え、帰宅途中にある魔法具商店に入って行った。

中に入るとテイラー店長が挨拶をしてくる。

「キタミザト様、いらっしゃいませ。」

「お邪魔します。

 ん?アリスお嬢様にゴドウィン伯爵にジェシーさん?」

「あ、タケオ様、おかえりなさい。」

「ん?タケオか?」

「タケオさん、お疲れ~。」

「主、私もいます。」

「ミアもですか。

 どうしたのです?」

「トレンチコートを買って、今は例の強化仕様をしてもらっています。

 あとは、メガネも作って貰っています。」

アリスが答える。

「そうですか。」

「タケオ様は?」

「私は、この間受領した小銃改1が問題なく動いたので報告に。

 テイラー店長、問題なかったです。」

「それは良かったです。」

テイラー店長は2人のトレンチコートの強化仕様をカウンターで作っている。

「キタミザト様、小銃改2ですけど。」

「はい。」

「できませんね。」

「そうですか?」

「小銃改1の発射間隔が5秒くらいですか?それを短縮できるか検討したのですが

 ・・・1秒間に3発はやはり行きませんね。

 今の所、毎発2秒まできています。」

「なるほど・・・難しいですね・・・それでも半減しましたね。

 威力的にはどうなっています?」

「一応、小銃改1の6割で作動出来る様に検討しています。

 威力等々は実際に撃たないとわからないですね。」

「そうですか・・・小銃改2はいつぐらいに試射できそうですか?」

「明日の昼にはできますね。」

「え?早くないですか?

 あと3、4日は開発期間があったはずですが・・・」

「小銃改1は弾丸の精製とか後方の爆発やら全てが手探りでしたが、今回は小銃改1で確立したやり方の効率化を図ったので、時間はかからないですよ。」

「そうですか・・・では、明日の昼過ぎに来ます。」

「わかりました。」

テイラー店長は頷く。

「ねぇ、それが噂のオーガ30体を倒した武器?」

ジェシーが聞いてくる。

「どこに噂があるのか・・・まずそこから聞きましょうか?」

武雄が苦笑しながら答える。

「え?ここに来る間にいろんな人が言っていたわよ?

 私の知り合いのおじさん、おばさん達が話しかけてきてね。

 『アリスの婚約者は凄いんですよ?』って言いながら尾ひれに背びれまで付いているわよ。」

「・・・はい?」

「私も驚きました。」

アリスも苦笑している。

「・・・例えば?」

「そうね・・・

 『カスタマイズした魔法具を持って一撃で10体倒した』

 『一騎打ちは剣ではなく、ナイフの一撃でオーガを倒した』

 『持っている装備は全て魔法で何かしらの保護をしている特別仕様』等々。」

「・・・微妙に合っているので全否定できないのですけど?」

「ですね。」

武雄は呆れ、アリスは苦笑する。

「ふむ、噂とはそういう物だ。」

ゴドウィン伯爵が言う。

「実際は『カスタマイズした魔法具を使って、550mの地点から一撃ずつ当て、オーガ32体とゴブリン30体を葬った武器』と『一騎打ちは、強化仕様の入っているコートとナイフで3撃でオーガ1体を倒した』だけです。」

「・・・その時点で十分、おかしい戦果ですけどね?」

ジェシーが苦笑する。

「で、これがそのオーガを32体倒した武器です。」

ゴドウィン伯爵夫妻が座る机に小銃改1を置く。

二人ともじーっと見るが・・・

「ふーん・・・こう・・なんか・・・宝石がゴテゴテしていないのね。」

「あぁ、そう思います?

 ・・・それにしてもオーガ30体とはそんなに凄い戦果なのですか?」

「タケオ・・・今さらか?」

「んー・・・?

 個人的には一生懸命しただけなので何か凄い事をした感がないのですけど?」

「・・・はぁ・・・キタミザト様らしいですね。」

テイラー店長がカウンターからため息を漏らす。

「そうだな・・・歴史を見返しても一人で32体は、いないだろうな。」

「んー・・・囲まれて倒した数字では無くて、遠距離から近づいてくるのに当てただけですよ?」

「そもそも550mが異常ね。そこら辺の魔法師の射程の2.5倍の距離を当てるだけでも凄いわね。」

「そうですか・・・テイラー店長、良い武器をありがとうございます。」

武雄はテイラー店長に頭を下げる。

「はは、元々はキタミザト様の知恵から生まれた武器ですからね。

 私はそれに沿って改造しただけですよ。」

「なるほどな、1級の発案者と1級の技術者が居て生まれた武器なのだな。

 これは他の魔法師も使えるのか?」

「使えますけど・・・1発撃つのに魔力量が150必要ですからね。」

「・・・使えないな。」

ゴドウィン伯爵が目を細めながら言う。

「ええ、なので私専用の武器になっています。」

「そうなのね。」

ジェシーが感心しながら頷く。


「と、そうだ。テイラー店長。」

「はいはい、なんですか?」

「私は近々、王都とカトランダ帝国に行ってきます。」

「そうですか・・・小銃の開発者を見に?」

「はい。」

「ん?タケオ、カトランダ帝国に行くのか?」

「はい、この小銃の開発者を見に行ってきます。」

「そう・・・アリスはどうするの?」

「王都まで一緒に行って、レイラお姉様の所でお留守番をしています。」

「そう・・・タケオさん、気を付けてね。」

「はい。

 そう言えば、アランさんもやる気になって・・・

 えーっと・・・王都守備隊に情報を扱っている部隊があるから、そこを動かせるようにしようかな?と言っていましたね。

 一貴族が王の側近集団を動かせるのですかね?」

武雄は「はて?」という顔をするが、皆は苦笑するしかなかった。


と、作業を終えたテイラー店長がやってくる。

「出来上がりました。」

トレンチコートとメガネを渡す。

「キタミザト様、王都の問屋さんの場所です。」

テイラー店長は武雄にメモを渡す。

「はい、確かに。」

武雄が受け取り懐にしまう。

「いつ出立を?」

「明日は、準備と試射をして・・・明後日ですかね?」

「そうですか・・・一応、先方には手紙を送っておきます。」

「ありがとうございます。

 では、帰りますか。テイラー店長、また明日来ます。」

と武雄は席を立ち、皆と共に店を出るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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