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第245話 15日目 今度こそ寝ます。

「戻りました。」

とアリスが寝室に入ってくる。

「アリスお嬢様、おかえりなさい。」

武雄はベッド横の机でノートに書き物をしていた。

「はい、ただいまです。」

「ジェシーさんは何と言っていましたか?」

武雄の言葉にアリスはビクッとする。

「・・・なぜジェシーお姉様と一緒だったとわかるのです?」

「いえ・・・ノートがありませんでしたし、レイラさんと同じ事をしているかな?と。」

「う・・・タケオ様に行動がバレています・・・」

アリスがガックリとする。

「前にも言っていますけど。

 別にこのノートを秘密にする気はありませんからね?

 どんどん書き込んでください。」

「うぅ・・・はい、わかりました。

 タケオ様は何をしているのです?」

「保健のノートの概要を作っていますよ。

 明日、ジェシーさんに渡そうかと。」

「え!?」

アリスは驚く。さっきの話を聞いていたのかと怪しむが。

「どうしたのです?

 レイラさんの所もジェシーさんの所も子供は居なさそうですが?」

「どうしてそう思います?」

「お二人とも子供の話を一切しないのがね・・・

 普通子供がいれば、エルヴィスさんに報告や自慢しても良いはずなのに何も言わないですからね。

 いないんだろうなぁと。

 ならレイラさん達にも保健の概要は渡しているので、ジェシーさんにも渡そうかな?と思いました。」

「レイラお姉様にも渡したのですか?」

「はい。3、4ページ目はウィリアムさんに渡してあります。」

「・・・」

アリスは持っていたノートを開けて中身を見る。

と、すぐに顔を真っ赤にさせる。

「さて・・・姉妹で誰が最初に懐妊するでしょうかね~?」

「うぅ、タケオ様、楽しそうに言いますね。」

「ええ、楽しいですよ?

 私の知識を使ってくれるのならありがたいですし。

 ・・・なぜノートに何も情報を書いてくれないのでしょう?」

武雄はため息をつく。

「いや・・・こっちの知識は違い過ぎなのです。

 追記する方法もどうやって良いか迷っていましたよ?」

「んー・・・違いがあるならそれも知りたいんですけどね・・・

 まぁ王都に行った時にでもウィリアムさんに聞いてみましょうかね。」

「で・・ウィリアムさんに聞くのですか?」

「ええ、他に知り合いなんていないですし・・・

 レイラさんに私が聞くのは・・・ちょっとね・・・」

「当たり前です。男性が女性に聞くのはダメですからね。」

「ですよね。

 まぁその辺はわかっていますから問題ないですよ。」

「ダメですからね。」

「はいはい。

 じゃあ、まずはアリスお嬢様に教えてもらいましょう。」

「ひゃあ!・・・しまった!」

武雄はアリスを抱きかかえる。

アリスは口では抗議しているが、全く抵抗をせずに武雄に抱きかかえられる。

「さ、アリスお嬢様。寝ましょうか?」

「はい。」

二人してベッドに向かうのだった。


------------------------

「ただいま~。」

ジェシーがゴドウィン伯爵がいる次期当主夫妻用の部屋に入って来る。

ゴドウィン伯爵はベッドにゴロンと横になっていた。

「おう、おかえり。

 アリスと話してきたか?」

「ええ、面白い話を聞いてきましたよ。」

「ほぉ、そうか。

 俺に言えるか?」

「んー・・・タケオさんの事どう思います?」

「傑物だな。

 そう言えばゴブリン等の襲撃の裏にあることを聞きそびれたな・・・

 まぁ良いか・・・どうせ結論はでないだろうしな。

 それにしてもタケオは政策、戦術、個人の武力、料理・・・知識も武力も兼ね備えている。

 性格も良さそうだ。アリスの旦那に相応しいな。

 そして俺の部下になって欲しいとも思うぞ。」

「陛下もそう思ったそうです。」

「思うだろうな。その辺の武官、文官の上を行く知識を持っている。で?」

「結果的に陛下はタケオさんの王都招集は見送ったそうよ。

 代わりに殿下やレイラと一緒にタケオさんを貴族に取り立てる方向を目指しているらしいわ。」

「ふむ・・・離脱不可項目だな。」

「ええ、タケオさんもアリスも国外流出を許せば国の脅威になりかねないわ。」

「だな・・・そうかタケオが貴族にな・・・国政が動きそうだな。」

「ええ、近々領地替えが起きるかもしれませんね。」

「そうか・・・我々が動くとは考えられないが・・・」

ゴドウィン伯爵が思案し始める。

「と、国政についてはそういう話だったのですけどね。」

「ん?どうした?」

ジェシーがゴドウィン伯爵に抱き着いてくる。

「タケオさん、医学知識もあるみたいですよ?」

「ほう?・・・で?なんで甘えモードなのだ?」

「ふふ、良い事を聞きました。」

ジェシーがクスクス笑いながらゴドウィン伯爵の服に手をかけ始める。

「・・・いや・・・ちょっと待て・・・ここはお前の実家だろう?」

「だから?」

ジェシーが睨む。

「・・・何でもありません・・・」

ゴドウィン伯爵はジェシーの気迫に怖気づく。

「ふふ、タケオさんの知識を忘れないうちに試さないといけませんからね。」

ゴドウィン伯爵はもう諦めながらジェシーの好きにさせるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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