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第242話 15日目 夕食後の報告会。(裏稼業の次代に会った件。)

「さてと・・・お酒の件も話しましたし・・・用地の件も話しましたよね・・・

 あとは・・あぁドラ息子達ですね。」

「うむ、どうであった?」

「そうですね・・・

 あ、ドラ息子との会談にはアリスお嬢様も立ち会っています。」

「そうなの?」

ジェシーが聞いてくる。

「はい。席に着いても私は何も言いませんでしたけど・・・

 タケオ様、どうして私を呼んだのですか?」

「ん?交渉というのは内容も重要ですが、雰囲気も重要なのです。

 裏稼業のトップ二人とは、1対1の場を作り、トップ会談の緊張感を。

 対してドラ息子二人には、こちらの人数を相手よりも多くして威圧感を出しました。

 あの子達、アリスお嬢様が来た時にさらに緊張していましたよ?」

武雄はクスクス笑う。

「・・・タケオ、その経験はどこから来るのじゃ?」

「仕事上でしたり、されたりですね。

 された場合は・・・状況にも寄るでしょうが・・・話し相手を1人か2人に絞ってするのが普通ですね。

 それも出来れば決定権がある方に向けてするのが効果的でしょう。」

「・・・タケオがこっち側で良かったのじゃ・・・」

エルヴィス爺さんがシミジミ言うとフレデリックやゴドウィン伯爵夫妻も苦笑しながら頷く。

「で、ドラ息子の印象ですが。

 お二人とも若いですが、ちゃんと自分の一家を案じていますね。

 街南の息子はまず組織内の人心掌握に、街北の息子は自分達の街北の発展を考えています。

 父親の事も反発よりも一家の切り盛りしている姿は誇りと言っていました。

 少なくとも馬鹿ではないですね。」

「・・・タケオ様、脅していましたが?」

「また?」

アリスの言葉にジェシーが苦笑する。

「・・・『うちの領民に手を出すなら一家が全滅する覚悟で臨んできなさい。いつでも受けます』と言っただけですけど?」

「十分、脅しじゃの。」

「いやいや『街との共生を選び、街の発展を想い、歓楽街の秩序を維持していく事に尽力するのであれば、お互いに美味しい果実が巡って来る機会はあります』とも言いましたよ?」

「うむ・・・

 そんな言葉を施政者側から言われたら、反抗する気がそもそも湧かないと思うがの?」

「私的には『スミス坊ちゃんに敵対したら潰すよ?』と言ったつもりなのですけど・・・」

「わし的には『父親達に離反したら潰すよ?』と言っている感じに受けるがの?」

エルヴィス爺さんの言葉に皆が頷く。

「・・・少し失敗しました?

 スミス坊ちゃんの代で何か起きちゃいますかね?」

武雄が苦笑しながら聞いてくる。

「いや、タケオがしたことは結果的に裏稼業2代に注意を促したから良いのではないか?

 それにタケオとアリスが居る間は、その息子達はこちら側に悪さはしないだろうしな。

 その間にスミスの周りを固めるのが良いだろうな。」

ゴドウィン伯爵が感想を言う。

「タケオ様の振興策の検討でうちの若手が一同に会しています。

 そこで頭角を現せば・・・能力が伸びることに期待はしていますけど・・・」

フレデリックが苦笑する。

「そうですか・・・若い内から頭角を現されるのもどうなのかなぁ・・・

 苦労して何とかこなして・・・良い経験も苦い経験もいっぱいしてくれるとありがたいんですけど・・・

 そうすればエルヴィス家の利益に反しない程度に頭の柔らかくて賄賂等の不正が嫌いな者が出来そうですね?」

「うむ、まずは先のタケオの提案3件をこなせるのか・・・が試練になるの。

 上手くいけば若手が伸びてさらに領内の発展に尽力するじゃろうが・・・

 まだまだ先じゃの。」

「はい。

 タケオ様の政策は実現性の高さと将来性を兼ね備えている提案です。

 この提案は文官若手全員への試練です。

 各局がお互いに連携をして実現させないといけません。

 局の壁を壊す良い機会かと思います。」

「そうですか・・・やる気になってくれると良いのですけども。」

「そうですね・・・タケオ様、明日のご予定は?」

フレデリックが聞いてくる。

「何もありませんね。ゴドウィンさん方はどうされますか?」

「私達は明日の昼には戻るわ。

 実家が無事なのもわかったし、アリスとタケオさんにも会えたしね。

 やることはもうないもん。」

「だな。」

「そうですか。フレデリックさん、午後は空いています。」

「ならば、私と一緒に庁舎にいきますか。

 丁度、局長会議をしていますので。」

「局長会議?」

「各行政局長と4つの町の局長が2か月に1度集まって問題等々話し合っています。」

「へぇ、フレデリックさんも出席されるのですか?」

「私は朝と夕方・・・会の始まりと終わりのみ出るだけですね。」

「そう言えば、エルヴィス領の文官の組織体系を知らないのですが。」

「ん?説明していなかったのかの?必要かの?」

「んー・・・

 まぁ私は具体的にその部局に指示は出さないですけど、どんなものがあるのか知っていて損はなさそうです。」

「うむ、そうじゃの。

 フレデリック、確か組織図があったの?」

「はい、お持ちします。」

と、フレデリックは退出していった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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