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第230話 またお客様が?

武雄とアリスとミアは、もうすぐエルヴィス邸に着くところまで来ていた。

「戻ったら何をしましょうかね?」

「そうですね~、お昼寝ですかね?」

「アリス様、私もお昼寝します。」

「そうね~、一緒にお昼寝ね。」

「はい。」

アリスとミアの会話を朗らかに武雄は見ているが・・・「あとでやんわりと一緒に寝ることを否定してあげないと、ミアが圧死してしまいます・・・」と武雄は心の中で誓うのだった。

と、馬車が3人を追い越していく。

「・・・この先はエルヴィス邸しかないですよね?」

「・・・今日誰か来るとも聞いていませんよね?」

武雄とアリスは同時に疑問を口にする。

「朝の段階ではフレデリックさんもエルヴィスさんも何も言っていなかったですね・・・

 何か緊急事態でしょうか?

「いや、緊急事態なら馬車ではなくて、伝令が駆け込んできますね。」

「んー・・・私では、わからないですね。

 唐突に貴族が会いに来るのは普通なのですか?」

「基本的には相手の屋敷に行くときは前日なり朝一で連絡するのが礼儀ですね。

 急を要するならありますが・・・今の所、うちでは急ぎの案件はないですよね?」

「私が聞いている限りでは・・・ないですね。

 周辺で何か緊急事態が発生すれば、アリスお嬢様が言う様に伝令が来るでしょうし・・・

 貴族が唐突に来る案件・・・どんなことがあるのか私では想像ができませんね。

 街の心配事だとしても治安が悪いわけでもないですし、裏社会の主人とは先ほど会いましたし・・・

 どちらかと言えば、心配事と言うのは私でしょうし・・・」

「ですね。タケオ様が一番の心配事です。」

アリスは苦笑する。

「主が心配事なのですか?」

「そうなのよ。

 タケオ様はいつも唐突に物を決めてくるからエルヴィス家にとっての心配事はタケオ様の行動なのよ。」

「伯爵様もアリス様も大変なのですね?」

「そうなの!わかってくれるのはミアちゃんだけだわ。」

アリスは苦笑しながら頷く。

武雄はそんな二人を見ながら「まぁ屋敷につけばわかるか・・・」と思うのだった。


------------------------

武雄達3人はエルヴィス邸に到着した。

玄関を入るとフレデリックが丁度いた。

「おかえりなさいませ、アリスお嬢様、タケオ様、ミア様。」

「ただいま、フレデリック。」

「フレデリックさん、お疲れ様です。戻りました。」

「戻りましたー。」

「タケオ様、どうでしたか?」

フレデリックが聞いてくる。

「割とこっちの思惑通りの回答を得られましたし、二人の意向も確認しました。

 それについては、後ほどエルヴィスさんの前で報告します。」

「わかりました。

 それと先ほどゴドウィン伯爵夫妻がお見えになりました。」

「ジェシーお姉様が?」

「はい。

 先ぶれが皆さんがお出かけになられた後きましたので、連絡が出来ませんでした。

 客間にて皆さんをお待ちになっております。」

「アリスお嬢様のもう一人のお姉さんですね?」

「はい、長女になります。

 ゴドウィン伯爵に嫁いだのですが・・・どうして今日来たのでしょうか?」

アリスは「はて?」という顔をする。

「ゴブリン襲来の一報を聞いて、被害が多いだろうと夫妻が兵士500名と共に急遽こちらに向かったのだそうですが、道すがら被害0で撃退したという報告が来たので兵士達は領地に帰還させ、自分たちは近くに来たからこちらに寄ろうと決めたと説明がありましたね。」

「そうですか。」

アリスが頷く。

「主からゴドウィン伯爵夫妻には、アリスお嬢様がタケオ様とご婚約された旨の説明をされています。」

「ちなみにエルヴィスさんは私の出自の事を何か言っていましたか?」

「いえ、言っておりませんね。」

「そうですか。

 なら、レイラさんの時と同じことになりそうですね。

 私は厨房に寄って果実を置いた後、一端書斎に戻ってから荷物を持って客間に向かいます。」

「私は客間に向かいます。

 ミアちゃんはどうします?」

「ミアは、私と行きましょうか。」

「わかりました、主。」

「フレデリックさん、私達はそう行動します。」

「畏まりました。」

と、武雄とミアは二人から離れ厨房に向かう。

・・

「アリスお嬢様、どうでしたか?」

「何事もなかったですね。」

「ほぉ。」

「とりあえず、会談後では、挙動も会話も不自然さはありませんでした。

 これと言って取り込まれた感もないと思います。」

「わかりました。」

アリスはフレデリックと客間に向かう。


客間のドアをフレデリックがノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

「主、アリスお嬢様とタケオ様が戻られました。」

アリスが入室する。

「お爺さま、戻りました。

 ゴドウィン様、ジェシーお姉様、いらっしゃいませ。」

「アリス、邪魔している。」

「アリス、おかえりなさい。

 あら?噂のタケオさんは居ないの?」

「タケオ様ならいろいろ食材を一緒に買ってきたので、厨房に行きました。

 それに出自の説明で荷物を取りに行っています。」

「そうなの・・・どんな方なのかしらね?」

「俺も少ししか話していないが面白そうだったな。」

「そう。

 アリスを娶ってくれただけでもこちらが感謝しないといけませんね。」

「ジェシーお姉様まで・・・」

アリスはジト目で抗議する。

「だれに・・・レイラ辺りかしら?この間来ていたそうね?

 まぁその話は後でしましょう。

 やっとアリスも婚約かぁ。」

ジェシーはヤレヤレという感じを出しながら言う。

・・

エルヴィス爺さん、アリス、スミス、ゴドウィン伯爵夫妻は武雄を待ちながらのんびりと雑談をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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