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第212話 雑貨屋にて。

「「・・・」」

武雄とアリスは悩んでいた。

ここは雑貨屋2の店内。

「主、アリス様、コレ良いですね!」

ミアはドールハウス内に入って楽しんでいる。

店内にあったドールハウスは2個。

1個目はログハウスの様なウッド系でW500xD400xH500mm(屋根部分含む)

2個目は石作りの店舗系で:W450xD360xH350mm(屋根部分はテラスになってる。)

「タケオ様。」

「ええ。」

「ミアちゃんが気に入っているのは、中の高さが低くありませんか?」

「アリスお嬢様もそう思います?」

「はい。」

ミアが楽しんでいるのは、店舗系のドールハウス。

室内の高さが25cmとミアの身長にギリギリなのだ。

ミアの気に入り様を見ると「あっちにしたら?」とは言い辛い・・・

でも頭が付くか付かないか・・・ギリギリの高さで過ごすのは圧迫感があるのではないかと思うだが・・・

「ミア、中で寝そべって窮屈でないか、確認してごらん?」

「はい。」

・・

「主、問題なく寝れます。」

ミアがドールハウスの玄関から満面の笑みを浮かべながら顔を出す。

武雄もアリスも「ミアが気に入れば良いか。」と思うのだった。

「そう。ミアちゃん、良かったわね。」

「じゃあ、ミア、中の寝床は何にするか決めましょうか。」

「はい。」

と、ミアはアリスの肩まで飛んでショルダーストラップに足を入れて座る。

邸からここに来るまでにアリスや武雄のコートの内側の胸ポケットやサイドポケット、肩や頭の上に座ってみて居心地を確かめていたが、アリスの肩が良い様だ。

「ところで、ミアは実家の森では、どんなベッドを使っていたのかな?」

「んー・・・葉っぱを敷いていました。」

「何か掛けないの?」

「森は寒くはないのでしたことはありませんが。

 昨日はモウフ?・・・は、ぬくぬくしながら寝れました。

 あの布は良いですね。」

「毛布が気に入りましたか・・・

 では、ベッドはやめて、ごろ寝出来る様にしますか?

 床を柔らかい物・・・例えば厚手の生地を何枚か重ねて、枕と毛布を作って・・・

 飲食は必ず屋上でして、部屋の中はあくまで寝るためのスペースとしてみましょうか?」

武雄は構想を練る。

「ミアちゃん、ベッドでなくて良いの?」

「はい。

 ・・・ベッドと言う物で寝たことがないのですが?

 いつもは木の上とか、葉っぱの下とか、川原の石の上とか、干し草の中とか・・・」

「野生感が半端ないですね。

 自分の家には帰らなかったのですか?」

武雄はミアの日常に苦笑しながら聞く。

「私達は家と言えば森なので、特定の場所に寝床はないです。」

「気ままですね。」

アリスも苦笑する。

「逆に人間の方が不思議です。

 なぜ同じ建物に住み着くのですか?」

「え?・・・それは・・・」

ミアの質問にアリスは咄嗟に答えられない。

家があって自分の部屋があるのが当たり前の生活をしてきた為、そんな考えをしたことがなかった。

なので、アリスは武雄に顔を向け助けを求める。

「安心感を得る為ですね。」

「安心感?」

「人間は臆病で弱いのです。

 なので・・・毎回、外敵に怯えながら寝るのが耐えられないのですよ。

 ミアも森にいる時は安心して寝ていたでしょう?」

「確かに安心していました。

 なるほど・・・安心感ですか・・・わかりました。」

ミアは納得したように頷く。

武雄は心の中で「帰属意識や空間の支配欲とか自慢とかいろいろ他の理由もありますが」と思うのだった。

・・

と、ドールハウスを仮決めして、ミアの枕と毛布を選ぶ。

どちらもミアが自分の触り心地で選んだ。

枕はふかふか、毛布もふんわりのが良かった様だ。

毛布はミアに合わせて人用のから切ったのだが、残りはアリスのひざ掛けとして裁縫し直して貰った。

直して貰っている間に武雄達は自分用の小物を物色し、時間を潰していた。

合計、銀貨5枚の支払いを済ませ、ドールハウスと小物を屋敷に持って来て貰う様に頼み店を出る。

「相変わらず、雑貨屋によると買いすぎてしまいますね。」

「あれもこれも欲しいとついつい買ってしまいますよね。」

武雄とアリスは苦笑する。

「主、アリス様、その服は一緒に作ったのですか?」

そんな二人をミアはじーっと見ながら言う。

「ええ、タケオ様が発案したのよ。

 簡単な強化の魔法もかかっていますよ。」

「私も着てみたいです!」

「え?」

「良いですよ。」

アリスは驚き、武雄は承諾する。

「いやいや、ミアちゃんは妖精ですよ?

 妖精が服を着るなんて聞いたことありません。」

「アリスお嬢様。

 アズパール王国では妖精は居ないのでしょう?

 なんで妖精が服を着ないのが当たり前と言えるのですか?」

「妖精が出てくる本で服の記述はありません。」

「・・・ミア。」

「はい。」

「ミアの森では、妖精は服を着ていましたか?」

「いえ、着ていません・・・必要がないので。」

「ほらぁ。」

アリスは得意げな顔をする。

「でもミアは着たいのでしょう?」

「はい、私は主の部下です。

 主と同じ物を着たいです。」

「ミアちゃん、そこまで・・・」

「良いですよ。1着でも2着でもミアが好きなだけ作りましょう。」

武雄は嬉しそうに言う。

アリスは微笑みながら頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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