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第206話 部下が出来ました。

「まぁ、我の事は精霊とでも思っておけば良い。」

仁王はアリスに説明する。

「・・・拝んで良いですか?」

武雄はお構いなしに拝もうとする。

「我は守護神だが門番だ。拝んでも何もないぞ?」

「それでもです。」

と、武雄は手を合わせ拝む。

「まったく、日本人は何でも拝むな。まぁ悪い気はせんが。

 と、話を戻すか。

 妖精よ、ここはお主の家から遠すぎる。

 自力で帰るのは困難と考えるが?」

「・・・そうなのですか?」

「うむ。先ほども言ったが、ここは魔王国と隣接しているアズパール王国じゃ。

 お主の住み家と言われている森は魔王国でも我らとは反対側じゃな。」

「・・・そうですか・・・」

ミアは悩む。

「ちなみにミアは何を食べるのですか?」

武雄が素直な疑問を言う。

「えーっと・・・何でも食べます。

 昨日のリンゴ・・・美味しかったです。」

「それは良かった。

 ミアは何が出来ますか?」

「・・・ちょっとした回復ぐらいで・・・攻撃はできません。

 あとは同じ幻想種とは話せます。」

「ミアは話せるのですか・・例えば?」

「ユニコーンとかドラゴンくらいは・・・

 この間のオーガやゴブリンはわかりません。」

「・・・そうですか。

 ミア、私の部下になりますか?」

「え?」

「ミアは行き先がないのでしょう?

 ・・・そうですね、私の通訳として居てくれますか?」

「通訳ですか?」

「ええ。この先、いろんな魔物と会うかもしれません。

 その際に言葉が通じれば話が出来るでしょう?

 交渉の為にはミアみたいな優秀な通訳が必要ですから。

 お給金は・・・お金は要らなそうですから・・・3食付きでどうですか?」

「んー・・・」

ミアは悩む。

「ミアが望むなら毎日、果物かお菓子付きにしても良いですよ?」

「う・・・」

ミアはグラグラしている。

甘い物に弱い様だ。

「ミアが私の部下になるとこんなのを食べさせることもありますよ?」

武雄は小さく切ったキャラメルを渡す。

キャラメルを受け取り一口食べる・・・と。

「どうか、私を下僕にしてください。」

ミアが土下座してきた。

「じゃあ、部下で。

 ミアは私の断りなくどこかに行ってしまってはいけませんよ?」

「はい、付き従います。」

「ついでに言えば、ミアは私の許可なく死んでもいけません。」

「はい、生き残ります。」

「わかりました。ミア、これからよろしくね。

 私はタケオ・キタミザトと言います。」

武雄は手を出すとミアは武雄の人差し指を握る。

武雄はにこやかに手を軽く上下させ握手する。

「と、部下を手に入れました。」

「・・・なんと言うか・・・変な関係じゃの。」

「まぁ、タケオ様らしいですね。」

エルヴィス爺さんとスミスは呆れながら言う。

フレデリックはにこやかに頷く。

アリスは・・・

「タケオ様、こっちこっち。」

と、ミアを欲しがる。

「・・・とりあえず、ミア、皆さんに挨拶をしてみましょうか。」

「はい。

 この度、主タケオの部下になりました。ミアです。

 皆様、よろしくお願いします。」

「うむ。

 わしはエリオット・ヘンリー・エルヴィス。伯爵じゃ。 

 ここの領主をしておる。」

「私はアリス・ヘンリー・エルヴィス。

 タケオ様の上司で婚約者です。」

「僕はスミス・ヘンリー・エルヴィスです。

 この家の長男です。」

「私はフレデリック・ラムです。この家の執事です。」

「私はスミソン・テイラー

 魔法具商店の店長でニオの契約者です。」

「皆さま、よろしくお願いします。」

と、全員と挨拶をする。

「さて、私はお暇します。

 ニオ・・・帰るよ。」

「まったく・・・テイラーはせっかちだな。

 皆、またな。」

仁王はテイラーの肩に乗る。

「皆さま、お先に失礼します。」

「うむ、ご苦労だった。

 また、何かあれば頼む。」

「はい、では。」

テイラーは退出して行った。

・・

「さて、予想外な事にミアがうちに来たが・・・この2日間ご苦労だったの。」

「「「はい。」」」

「タケオの越境許可書は発行までに3日はかかるかの?」

「そのぐらいだったと思います。」

エルヴィス爺さんの問いかけにフレデリックが答える。

「意外と早いですね。」

「人物審査がないからの。」

「なるほど。

 ちなみに・・・アリスお嬢様。

 この件では昨日から黙っていますが・・・何か聞きたいのでは?」

「・・・私も付いて行きたいのですけど。

 でもタケオ様が私を指名しないのは何か意図があるかと思って黙っています。」

「アリスお嬢様は、カトランダ帝国には入ってはダメです。」

「なぜでしょうか?」

「アリスお嬢様は伯爵の孫であり、『鮮紅』ですから、人質としての価値があります。

 そのリスクを取ってまで入国する必要はありません。・・・少なくとも今は。」

「むぅ・・・」

「なので、アリスお嬢様。王都のレイラさんの所に一緒に行きませんか?」

「え!?」

「王都までは一緒に行って、レイラさんの所で待っていては?

 あぁ、でもレイラさんに許可を貰わないといけませんね。」

「すぐに手紙を書きます!」

アリスは席を立って退出して行った。

「なにもそこまで急がなくても・・・」

武雄は苦笑するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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