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第204話 昼寝と相談事。

「ん?・・・ん~・・・」

武雄はベッドで目を覚まし周りを確認する。

アリスが武雄に抱き着いて寝ている。

・・・ガッチリと組まれていて動けません。

・・・トイレに行きたいんですけど・・・

武雄はアリスの肩をポンポン叩いて起こす。

「アリスお嬢様、そろそろ起きましょうね。」

アリスが身じろぎを始め、目を少し開ける。

「・・・おはようございます。」

「はい。アリスお嬢様、おはようございます。」

アリスは起きても組んでいる腕を解こうとしない。

「・・・アリスお嬢様?腕を解いてください。」

「嫌です。」

ギューっとさらに力を籠める。

・・・いや・・・それは困るんですけど・・・

「・・・あの・・・トイレに行きたいのですけど・・・」

「むぅ・・・仕方がないですね・・・」

渋々、アリスは腕を解く。

武雄はベッドを出てトイレに向かう。

・・

戻ってきた武雄はアリスと一緒にベッドに寝ころんでいた。

「はぁ、スッキリです。」

「・・・いや、タケオ様、その報告はいりませんよ?」

寝ころんだ武雄の首にアリスは抱き着いてきていた。

「どうしたのです?甘えモードですね。」

「だって、不安な事を朝から言うんですもの。」

アリスはじーっと武雄を見る。

「あぁ、レイラさんとの側室の話ですか?」

「はい。」

「平気ですよ。アリスお嬢様が認めない者を側室にはしません。

 もし何かの事情があっても事前に相談します。」

「うぅ、心配です。」

「と、言うより、私は平民ですよ?

 貴族ではないのに側室の心配なんてするわけないじゃないですか。」

「・・・レイラお姉様が本気を出せば、タケオ様は貴族になってしまいます。」

「はい?そうなのですか?

 まぁ、どちらにしてもアリスお嬢様が傍にいてくれるだけで十分ですよ?」

「うぅ、とっても心配です。」

「心配性ですね・・・」

と武雄は手をお尻の方へ。

「!?・・・うにゅ・・・今はダメです・・・」

言葉では、そう言うがアリスは体を離そうとはしない。

「わかりました。今夜ですね?」

とお尻を揉みながら言う。

「・・・」

アリスは真っ赤になりながら頷いていた。

「さて、起きましょうか。」

と、武雄の言葉と共に二人ともベッドを出て、身支度を整える。

「では、タケオ様、客間に行きましょうか。」

「あ、先に行っていてください。

 私は書斎に行って一服してから向かいますから。」

「はい、わかりました。」

と、アリスは先に寝室を出ていく。

武雄は自分の書斎の扉を解錠し中に入っていった。


------------------------

客間の扉を武雄はノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

中にはエルヴィス爺さんとアリス、スミス、フレデリックがいた。

「失礼します。エルヴィスさん、おはようございます・・・でしょうか?」

「うむ、タケオおはよう。」

「スミス坊ちゃん、フレデリックさん、おはようございます。」

「タケオ様、おはようございます。」

「はい、おはようございます。」

エルヴィス爺さんとスミス、フレデリックが挨拶をしてくる。

「もうすぐ夕飯ですか?」

武雄は、その場で聞いてみる。

「うむ。ただし今日は屋敷一同マッタリの日になっておるから、ここで取る予定じゃ。」

「わかりました。」

と、武雄が後ろ手に持っていた鳥かごを皆の前に置く。

「ん?なんじゃ?・・・ちょっと待て・・・コレは・・・」

エルヴィス爺さんが驚きの表情で武雄を見る。

アリス、スミス、フレデリックも固まっている。

「昼に言った相談事がコレです。」

「なぜ、妖精ピクシーが!?」

鳥かごの中にはリ●ちゃん人形くらいの女の子が入っていた。

体育座りで皆を見ている・・・若干震えている様だ。

フワフワの服(?)をまとっている。

そして背中には羽があった。

「経緯としては、戦闘後拾いました。」

「あ・・・タケオ様が言っていた。

 オーガの腰辺りが光っていた件の?」

「ええ、戦闘後の処理中に発見しました。

 確かにオーガの腰に付いていましたが・・・確証はありません。

 ただ・・・敵方唯一の生き残りです。」

「うむ・・・事情が聞きたいの。」

「はい・・・ミア、喋れますか?」

「は・・・はい。」

「ここは平気です。昨日、私に話したことを話してもらえますか?」

「はい、私はミアと言います。

 仲間達と一緒に住み家の近くの原っぱで遊んでいたら、いきなりフードを被った人間達の襲撃を受けました。

 私達は必死に逃げ回ったのですが・・・特に大掛かりな魔法が使える訳でもないので・・・捕まってしまい・・・

 先日、鳥かごに入れられてオーガの腰に括り付けられました。

 そして、フードを被った人間が何やら魔法をかけると私に目がけてゴブリン達が動きだしました。

 で、気が付けば私を付けているオーガを先頭にいっぱいのゴブリンが付いてきて・・・

 で、何の魔法か次々と周りのオーガが倒れていき・・・気が付いたら私を付けていたオーガがいきなり倒れてきて・・・私は気を失い・・・気がついたらここに・・・」

「ふむ・・・何点か聞きたいのじゃが・・・構わぬか?」

「・・はい」

「オーガは、どうやって集結されていたかの?」

「フードを被った人間の転移魔法です。」

「なに!?」

エルヴィス爺さんが険しい顔になる。

「私も仲間と捕まっていた場所からオーガが居る所まで転移魔法で移動させられました。」

「・・・」

エルヴィス爺さんが目を閉じながら聞いている。

「フレデリック、すまんが、至急、魔法具商店のテイラーを呼んでくれぬか。」

「畏まりました。」

フレデリックが客間を退出していく。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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