第18話 スミス先生の講義2 アズパール王国の階層と騎士と兵士数と通貨。
「アズパール王国の階層ですが、王を頂点に公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵という順位付けがされています。」
「ちなみに、その順位によって領地の大きさは変わるのでしょうか?」
「順位によっては決まっていません。領土は大きいけど男爵、領土は小さいけど侯爵となる者もいますので、爵位の上下と領土の大きさは比例しません。」
「世襲制ですか?」
「基本的には世襲です。それも男子の世襲のみです。
と言っても父親が伯爵だから子も伯爵とはなりません。
子爵や男爵と最初は与えられる爵位が違う方もいます。」
「なるほど。これは貴族のみなのですか?」
「貴族のみです。」
とスミスは断言するが。
「それについては、わしから補足しようかの。
貴族のみでは決してない。王国にとって大いに貢献した者に男爵や子爵の爵位が与えられた例はある。」
「なるほど。」
「・・・では、続きを言いますね。
平民である兵士にも1代限りの爵位が授与されることがあります。それは騎士の爵位です。
兵士が功績や試験を通ってなります。
騎士の推薦は各領地の卿が行い、審査や任命は王都にて行われます。」
武雄は頷く。
「ちなみに1000名の兵士の内訳はどうなっているのでしょうか?」
「騎士団長を筆頭に、騎士長、騎士、兵士長、小隊長、兵士という順位になっていきます。
騎士の爵位は騎士長以上が審査対象ですので、正式には騎士は騎士爵位の候補となります。
我がエルヴィス伯爵領では、騎士団長1名、騎士長が10名、騎士が290名。
兵士長1名、小隊長が42名、兵士840名が所属しています。」
「・・・1000名超えていません?」
武雄は、素朴な疑問を聞いてみた。
「ええ。兵1000名と言うのは、戦場に出せる数を言います。
なので常駐の兵士数は1184名となります。
それに、戦争になれば荷駄隊とかがありますので、もっと増えますね。」
「なるほど。いくら戦争でも街を空っぽにするわけにはいかないと。難しいものですね。」
戦争もいろいろ考えるものなのだと武雄は感心していた。
「地域や軍は大まかにわかりました。
この街について教えてください。」
「この街は王国東北部の辺境都市です。
ですが、北にドワーフ、東に魔王国と街道が交差する為、交易の税収が入ってきます。
街は5km四方の小さめの城塞都市となります。
城門までの表通りと裏の城門までの裏通りの2本のメイン通りがあります。」
「わかりました。」
「他にはありますか?」
「通貨はどうなっていますか?」
「アズパール王国の通貨は金貨、銀貨、銅貨の3種類です。」
「・・・各硬貨の価値を何をもってして聞けばいいかわかりませんね。」
「でしたら一般的な事を聞いてみてはいかがですか?」
アリスが提案してくる。
「なるほど。では、パン1個はいくらですか?」
「そうですね。2個で銅1枚でしょうか。」
「お酒はどうでしょう?」
「ワイン1本が銅10枚でしょうか。」
・・・わからない・・・武雄は困惑していた。
「金貨、銀貨、銅貨の交換は何枚ずつですか?」
「金1枚=銀10枚=銅1000枚です。」
・・・パンが50円として、金貨は10万円、銀貨は1万円、銅貨が100円計算かな。
と武雄は簡単に換算する。
「他に何か聞きたいことはありますか?」
スミスが確認してくる。
「そうですね、大まかにはありません。
あとはこまごまとした疑問ですので。」
「わかりました。」
スミスは教師役を終えた。
「疲れたぁ」と疲労困憊だ。
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