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第190話 夕飯作り。

武雄とヒルダはフレデリックと別れた後、厨房にやってきた。

「皆さん、お邪魔します。」

武雄がそう言って入ると。

「「「キタミザト様、おかえりなさいませ。」」」

と、その場にいた執事、メイド、料理人全員が起立して挨拶をする。

「うわぁ・・・」

ヒルダは、その光景に圧倒される。

「あれ?皆さん、どうしたのです?」

武雄は不思議そうな顔で質問すると。

「お、タケオおかえり、ヒルダよく来たな。」

料理長と各担当が近寄ってくる。

「いやな、今朝のキャラメルだったか?

 あれの効果だな。皆がタケオの評価をさらに上げた様だ。」

「私からのプレゼントを喜んでくれてありがたいですね。」

武雄は苦笑する。

「うむ、皆喜んでいるぞ。」

「はは、で、今は何を?」

「鶏肉の用意とトマトソースの用意中だな。」

「そうですか。これからの夕飯の工程について・・・そうだ、料理長以外に聞いてみますか。」

武雄は面白そうに言うと料理長は「構わないよ?」という感じで頷く。

「・・・サラダ担当、今日の夕飯の献立を。」

「はい。

 今日のメインは2種類です。

 まず、鶏肉のバターを使ったソテー。味はトマトソースとレモンを別容器に小分けして出し、各自に付けて貰う予定です。

 あと、キタミザト様の考案されたラザニアがメインです。

 それに伴って、サラダは葉物野菜と大根を千切りにし、あっさりとしたドレッシングを和える予定です。

 また、スープはシイタケの出汁にて、塩分が少し薄めの卵スープの予定です。」

「わかりました。

 メイン担当、今日の大まかな工程と現在の状況は?」

「はい。

 まずは鶏肉下地処理とトマトソースとミートソースを作成します。

 次にサラダの準備とレモンの切り分けとドレッシングの作成します。

 出来上がり次第、鶏肉のバターソテーを一気に作ります。

 で、湯煎している鉄のトレイの上に並べ、冷めない様にします。

 ソテーを作ったのちにスープとサラダを作成。

 それが終わり次第、ラザニアの製作に取り掛かります。

 ラザニアが出来ましたら鶏肉のソテーも盛り付けし、お出しする運びとなるかと。

 現在は鶏肉の下地処理とソース2種類の作成中です。」

「はい、わかりました。

 では、簡単にラザニアの作り方を言いますから、工程の修正をお願いします。」

「わかりました。」

「まず食材からですね。

 この板状のパスタを・・・」

武雄がラザニアの調理方法を説明し始める。


------------------------

今は武雄は自室に戻って着替え中。

ラザニア自体を作るのは、もう少し先とのこと。

ヒルダはスイーツ担当の仕事を横から見ていた。

今は武雄の指示でホワイトソースを作っている。


牛乳の香りがする固形物を弱火で溶かし、小麦粉を少量まぜ、牛乳を継ぎ足しながらひたすら混ぜている。

ホワイトソース・・・ヒルダは聞いたことがない料理を目の前で作っているのをジーっと見ている。

どんな味なのか想像がつかない・・・わからないが楽しみな気持ちになっていた。

そして驚いたことが一つ、スイーツ担当が武雄の大まかな指示でこのソースを作っていた。

ホワイトソースなんて聞いたことがない物を少しのアドバイスで作ってしまうこの料理人の腕と頭の瞬発力に驚いた。

そして自分には足らない物がいっぱいだと思わされた。

と、お父さんが近づいてきた。

「ヒルダ、どうした?ジーっと見て。」

「ん~、知らない料理を見ていたのよ。お父さんは何しているの?」

「俺か?皆の進捗具合を見ている。それが仕事だ。

 で、ホワイトソースの具合は?」

「はい、キタミザト様の指示通りにできています。

 まさか、バターに小麦粉を入れて牛乳で溶かすとは・・・思いも寄りませんでした。」

「そうだな。と、もう少しとろみを出した方が良いかもな。」

「そうですね。オーブンで焼くと言っていましたので、とろみが決め手なのでしょう。

 もう少し水分を飛ばしながらとろみ加減を見ておきます。

 ・・・どのくらい作りましょうかね?」

「皆の分もだから多く作らないとな。」

「ですよね。

 さて、どんどん作りますかね。」

スイーツ担当は、作業に戻る。


と、武雄が戻ってきた。

「どうです?」

武雄はそこら辺にあったスプーンでホワイトソースを少しすくい食べる。

「おぉ、流石ですね。

 私の想像通りの物が出来ています。

 パスタと焼き窯の方は?」

「準備出来ているぞ。」

「・・・では。

 試作しましょうか。ヒルダ、お手伝いをお願いしますね。」

「は・・・はい。」

武雄は陶器のグラタン用の皿にホワイトソース、ミートソース、パスタを乗せ、ホワイトソース、ミートソース、パスタをまた乗せる。

「こうやって段々にしていきます。ヒルダ、あと4段くらい作ってください。」

武雄は立ち位置をヒルダと入れ替わり、作業をさせる。

「ふむ、なるほどな。

 でもホワイトソースを入れるとそんなに変わるのか?」

「極端に言えば油を入れますからね。味が濃くなるかと。

 まぁ、食べてみればわかりますよ。」

料理長と武雄は談笑しながらヒルダの作業を見ている。

スイーツ担当とメイン担当も見ていた。

「タケオ様、できました。」

「はい、ご苦労様。

 で、ここにチーズを乗せるのですが・・・熱を加えると溶ける物はありますか?」

「では、これを使ってください。」

メイン担当がモッツァレッラチーズを前に出してくる。

武雄は細かく砕きながら乗せる。

と、昨日の夜の残ったパンを持ってきて、すりおろす。

「・・・タケオ、何をしているのだ?」

「パン粉作りですが?」

荒くおろされたパン粉を一番上に振りかけ終了。

「はい、出来ました。

 さ、焼きましょうか。」

皆の意見を聞く事もなく、窯に入れてしまう。

「さて、どういうのが出来ますかね??」

厨房の皆が焼きあがるのを楽しみに待つのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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