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第184話 戦闘終了。残務処理。

城門前には兵士及び騎士500名が整列していた。

並ぶ兵士たちの前にハロルドと兵士長、武雄にアリスが居た。

「えーっと・・・この後はどうするのです?」

アリスが聞いてくる。

「そうだなぁ、タケオはどうしたい?」

「え?私?・・・そうですね。

 騎士団は疲れているでしょうから無理は出来ないでしょうけど。」

「ふん、うちの部下を舐めるな。

 このぐらい問題ない。」

「そうですか?・・・ふーん。

 兵士達はどうです?」

「やはり、新兵小隊と魔法師小隊が疲弊していますね。

 この4つの小隊以外は概ね行動できます。」

「そうですか・・・私が決めても?」

「ああ、構わない。」

「よろしいかと。」

ハロルドと兵士長が言う。

「あ・・・とりあえずこの場を終わらせないといけませんね。」

「お、そうだな。

 じゃあ、俺と兵士長は一端、列に戻るか。」

ハロルドと兵士長が列に戻る。

「・・・あれ?」

「どうしました?」

「いえ・・・ハロルドが談話をして終わりかと・・・」

「え?違うでしょう。」

「じゃあ、アリスお嬢様が?」

「え??タケオ様がするのでしょう?

 作戦を立てましたし。」

「・・・え?私?」

「はい。」

「私はアリスお嬢様の部下ですけど?」

「じゃあ、上司が命じます。締めなさい。」

「・・・はい。」

武雄は「おかしくない?」と思いながら覚悟を決める。

そして兵の前に立つ。

「兵士長、現状の報告を。」

「は!現在、城門前の動ける敵は皆無です。

 展開していた300名全員無事です。」

「騎士団長、現状の報告を。」

「は!

 展開していた200名全員の無事を確認しています。」

「了解。

 これにて城門前の戦闘を終了する!」

「「「「わああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」

並んでいた兵士たちが歓声を上げる。

各々が剣と盾を叩いたり手を叩いたりする。


と、ゴーン、ゴーン、と6時課の鐘が鳴る。

鐘の音が成り終わると歓声も止んでいた。

「では、これから残務処理です。」

武雄がそう告げると周囲の雰囲気がダルくなるのを感じる。

・・・言わなきゃ良かったかな?と武雄は後悔するが言ってしまったのだ。

「まだ昼間でしょう?しっかりと働きましょう。

 では、まず兵士長。」

「は!」

「裏城門の3小隊60名をこちらに。代わりに第10、第15、第16、第17小隊が裏城門の警備を行ってください。

 残りはゴブリン等の死体処理です。

 まだ死亡していない瀕死もいる可能性があります。

 再度、死亡の確認をしてから処理してください。

 必ず複数人数にて対処する様に。

 やり方は任せます。」

「は!」

「さて、騎士団長。」

「は!」

「先ほど、休ませようかと思って疲れているか聞いたら、『騎士団は、この程度では疲れていない』と言いましたね。」

武雄の発言に騎士団全員がハロルドを見る・・・若干、睨んでいるのが数名見受けられるが・・・

「なので、この街から周囲10kmをくまなく探索して、ゴブリンや他の魔物が居ないかのチェックをしてください。

 万が一、見落とした場合・・・私とアリスお嬢様主催の演習にご招待します。」

武雄が言った「演習」という単語に騎士のみならず兵士がビクッとする。

「以上、伝達終わり。」

「キタミザト様、アリス様に対し敬礼!」

整列中の500名が敬礼をする。

武雄は頷き。

「止め!解散!」

掛け声と共に皆がワラワラ動き出す。

「と、決まりました。」

武雄はアリスに報告する。

「はい、お疲れ様でした。

 タケオ様はどうされますか?」

「ちょっと気になる事があるので、そこを見に行ってきます。」

「ん?気になる事ですか?」

「はい。最初の砲撃の際に・・・残り150mくらいの時でしょうか・・・

 中央付近のオーガの腰辺りが光っていたのです。」

「気が付きませんでした・・・」

「見間違いかもしれませんけどね。

 で、光っているオーガを撃ったら行進が一旦止まったのです。」

「・・・怪しいですね。」

「ええ、まぁ・・・原因はわからないでしょうが、念のために確認しようかと。」

「なるほど・・・私も同行しますか?」

「いえ、平気でしょう。

 それよりも一旦、屋敷に戻ってお風呂にでも入ってください。

 埃で可愛い顔が台無しです。

 私も確認次第、屋敷に戻って着替えます。」

「ん?タケオ様は、またお出かけに?」

「ええ。昨日、青果屋のおじさんとの約束で私はデートです。」

「・・・あ、タケオ様を待っているお嬢さんですね。」

アリスは少し考えてから思い出したように言う。

「はい。デートに遅れない為にもさっさと確認してきます。」

「わかりました。では、私は、先に戻ります。」

と、アリスは屋敷に戻って行った。

武雄は、その背中を見送り、改めて戦場を見る。

「さて・・・なにが出るのやら・・・」

小銃改1を構えながら腰が光っていたオーガを探しに向かうのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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