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第16話 異世界から来た証明。

客間は変な雰囲気だった。

エルヴィス爺さんは苦渋の顔。アリスとスミスは驚き顔。フレデリックはいつも通り。

共通としては、何とも言えないといった感じであった。

「うぅむ・・・異世界から来たとな?」

「自分で言っていて嘘くささ倍増ですね。

 でも、昨日も考えましたが、そうとしか言い表せなかったので。」

「・・・うむ。で、どうそれを証明をするのじゃ?」

「ええ。」

と武雄はバックからいろいろ取り出し机に並べていく。

財布、手帳、携帯(朝食前に電源入れ済み)、LEDライト、タバコ、ライター、ボールペン等々

「ふむ、どれも見たことない物じゃのぉ。」

と、エルヴィス爺さんは言いながら並べた物を見ている。

他の3人も興味津々の様で前のめりに見ている。

「エルヴィスさん。フレデリックさんにも見て欲しいので座っていただいてもよろしいでしょうか?」

「うむ。フレデリックも座って話に参加してくれるかの。」

「畏まりました。」

と皆と同じく机を囲む様に座る。


「これはなんでしょう?肌触りは革ですが。」

アリスが持って見せる。

財布だ。

「これは私の財布です。一応、牛の皮を加工しています。

 中には紙幣とかカードとかが入っています。」

と中を出していく。

「私がいた所では国の通貨は紙幣と硬貨です。

 数字が大きくなると硬貨の価値が高くなっていきます。」


「この紙は随分と細やかに書いてあるのですね。」

とスミスは1万円札を持って聞いてくる。

「この紙幣は手書きではなく機械を使って数万、数億枚も同じものを作っています。

 細やかなのは偽造防止が図られています。

 光にかざしてみると透かしという技術が使われているのがわかりますよ。

 白いところに絵が浮かんでくるでしょう?」

「おぉぉ。」

と透かしをみてスミスは驚いている。


「この硬貨達は意外と芸術的ですね。何かしら意味があるのですか?」

とフレデリックは5円硬貨を持って観ている。

「今持っている硬貨は、国の礎である農業、水産業、工業を表しています。

 他の硬貨に描かれている植物も何かしら曰くを持っていますよ。」

「なるほど。」


「タケオ。このカードはなんじゃ?」

いろんなカードを見ていた。

「基本的にはお店のカードです。

 例えばお店で何か1個物を買ったら1ポイント貯まって、10ポイント貯めると何かと交換するみたいになってます。」

「ふむ。それはお店にとって利益があるのかの?」

「ありますよ。まずご贔屓にしてもらえる確率が高くなります。

 お客は無料とか特別って言葉に弱いですから。

 そして、何が売れたのかを集計することによって、売れ筋がわかる仕組みを作っているのです。」

「なるほどの。商売としては利があるのか。」


「タケオ様、これは?」

とアリスは手帳を持っていた。

「これは手帳ですね。日々の予定を書き込んだり、その日にした行動を書いたりします。」

「なるほど。ちなみに8から22までの数字がふってありますが、これは?」

「ええ。これは私がいた所の時間ですね。」

「時間ですか?」

「ちなみにアリスお嬢様。1日の間隔はどうなっていますか?」

「え?1日8回鐘が鳴りますので、それで確認していますが。」

「私のいた所は、1日を24個に分けます。

 それが1個進むごとに1時間たったと言うようになっています。」

と武雄は腕時計を見せる。

「この短いのが1つのメモリ分動くと1時間としています。」

アリスは、じーっと見ている。

「・・・タケオ様。これ12個しか分かれていませんが?」

「ええ。24個に分けると各時間の間隔が狭まって見づらいので、12時間ごとに表記することにしています。」

「なるほど。」


「この機械は遠くの人と話す為の機械です。」

武雄は携帯を持ち話し始めた。

「遠くとはどのくらいじゃ?」

「・・・他国やそれ以上離れていても話せますね。」

一瞬、武雄は、「地球上のどこでも」と言いそうになったが、ここの考え方がわからないので、割と身近な物にかえた。

「話すとはどういうことじゃ?何日かかかるのかの?」

「いえ。文字通り今こうやって話しているのと同じように他国ほど距離が離れた所とも話せるのです。」

「!?それは凄いの!?これを今使えるのかの?」

「残念ながら使えません。相手もこれを持っていないといけませんので。

 ちなみにコレ写真が撮れます。」

「写真とは何じゃ?」

「・・・詳細に書かれた絵を瞬時に描いてくれます。」

「なぬ!?」

「アリスお嬢様、撮っても良いですか?」

「ええ!?怖いから嫌です!?」

アリスは真剣に拒否した。・・・が。

「はは。まぁ噛み付きはしませんよ。

 ・・・では、私と撮りましょう。」

「・・・一緒なら何とか・・・」

と渋々、了承する。

武雄はアリスの横に移動しカメラを向ける。

「ここを見ていてくださいね。」

「は・・・はい。」

とかなり緊張気味。

パシャ。

普通に撮りました。

アリスに画像を見せながら。

「何ともなかったでしょう?」

と説明する。

「不思議です。私が描かれています。でも変な顔をしています。」

とじーっと見ながら呟く。

「かなり緊張されていますね。もちろん、こうやって直に見ている方がお綺麗ですよ。」

とフォローを入れてみる。

アリスは急に顔を赤らめて。

「お口が達者ですね。」とちょっとお怒りモード。


他にもいろいろな物を手に取っては質問してくる。

武雄も一つ一つ説明をしていった。


------------------------

「うむ。珍しい物がいっぱいだの。」

「不思議な体験でしたわ。」

「面白い物もいっぱいでした。」

「なかなか趣がありましたね。」

と各員の感想が出た。

「で。エルヴィスさんの判断は?」

と武雄はエルヴィス爺さんに聞いてみる。

「うむ。異世界から来たという話は半信半疑だの。

 珍しい物や知らない知識ばかりではあるが、確証ではないの。」

「でしょうね。

 他国から来たぐらいが妥当でしょうか?」

「うむ、そのぐらいが妥協点だろう。」


「では、こちらも話すかの。

 わしは、エリオット・ヘンリー・エルヴィスと言う。

 アズパール王国内のここはわしの伯爵領じゃ。」

とエルヴィス爺さんはニヤついて話す。

「ええ。」

と武雄は相づちを打つ。

「タケオ。反応が薄いの。わし伯爵じゃぞ!?」

「・・・偉いのはわかりますが、基本的な事を聞いて良いでしょうか?」

「なんじゃ?」

「伯爵ってなんです?」

「「「「え!!?」」」」

皆が驚くのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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