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第173話 朝食。

広間の扉を武雄はノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

「皆さん、朝食です。

 タマゴサンドイッチにハムと野菜とマヨネーズのサンドイッチと卵スープと言う簡単な物ですけど。」

と、広間には、先ほどの面々とハロルドと副団長、兵士長と知らない兵士が居た。

一緒に来た執事達が朝食の配膳を始める。

「うむ、タケオ、丁度良いタイミングじゃの。

 今、報告を受けた所じゃ。」

「はい、間に合って良かったです。

 と、あの・・・」

アズパール王の後ろに立っている知らない兵士に目を向ける。

「うむ、我の護衛をしているマイヤーと言う。」

「この度は突然参って申し訳ありません。

 カルロ・マイヤーと言います。マイヤーとお呼びください。 

 王都守備隊で第一近衛分隊長をしております。」

・・・皆がマイヤーが役職をバラしたことに息をのむ・・・

「ご丁寧にどうも。

 タケオ・キタミザトです。お好きに呼んでください。

 アリス・ヘンリー・エルヴィス様の部下です。

 ・・・それにしてもアランさんは、よほどの重鎮なのですね?」

武雄はそう言いながら席に付く。

「え?・・・ん??・・・どういうことだ?」

アズパール王は、武雄から想定していた反応の斜め上の発言に戸惑い気味で答える。

「え?マイヤーさんは近衛の隊長さんなのでしょ?

 普通、近衛と言えば王の警護をしている人達で、その国最強の兵団です。

 それを貸して貰えるなんてよほどの幹部でしょう?」

「・・・タケオさん、お義父さまが陛下だとは考えませんか?」

レイラが聞いてくる。

「考えませんね。それに王が王都を離れてどうするのです?」

武雄の発言にアズパール王以外が頷く。

「それは・・・そうですね。」

レイラが苦笑しながら答える。

「もし仮にアランさんが王ならばこの国の行く末が少し不安ですね。」

「どうしてだ?」

アズパール王が聞いてくる。

「王も人間です。仕事ばかりでは息が詰まってしまうでしょうから、王都の近郊で往復1日以内の場所に別宅や別荘を用意しているはずです。

 ですが、それに満足しないとなると・・・

 王の生活を蔑ろにすることは国が上手く回らないかもしれませんよ?

 もしくは王を神聖化し過ぎです。あの王なら平気だと容易に考え過ぎています。

 気を休めたいと少し遠出をするのは良いですが・・・

 明らかにこの街と王都は離れ過ぎています。

 ここまで離れてしまうと緊急時の対策が相当大変です。

 警護だけなら武官の人達が何とか体力を振り絞って対応するでしょうが・・・

 行政はどうするのです?

 文官がそれを許すのなら相当優秀か無能者か・・・極端ですがどちらかです。

 なので少し不安になるだけですね。」

「うむ・・・そうか・・・

 陛下には我からその辺も柔らかく言っておくぞ。」

アズパール王の言葉に武雄以外の皆が苦笑する。

「ええ。

 と、朝食の配膳が終わりましたね。」

「うむ、マイヤー殿やハロルド達も一緒に食べようかの。」

「はい。」

「わかりました。」

と、全員が席に着く。

「では、頂こうかの。」

皆が食べ初める。

・・

あっと言う間に完食。

「あぁ・・・朝から幸せだなぁ。」

アズパール王の呟きにウィリアムとレイラが頷く。

エルヴィス家の面々はニコニコだ。

「うむ、タケオ、ご苦労だったの。

 あのスープはシイタケか?」

「いえいえ。丁度、用意をしていたので軽くお手伝いをしただけですよ。

 シイタケがわかりましたか。」

「・・・美味しかったですけど、あれはシイタケが入っていたからなのですか?」

レイラが聞いてくる。

「ええ、昨日の夜から水に浸けていました。

 上手く出汁が取れましたね。」

「不思議ですね・・・シイタケからこんな美味しいスープが・・・」

ウィリアムが不思議そうに言ってくる。

と、執事達が食器を下げ終わると、代わりにキャラメルが載った皿を置いて広間から退出していった。

「タケオ・・・何か出てきたのじゃが?」

「あぁ、昨日言っていたキャラメルです。」

「ほぉ、完成したのか。」

アズパール王が感心した様に言う。

「はい。私は試食しましたが、問題ないと思います。

 この後の説明時に・・・って何でもう食べるのですか?」

皆が一斉に口に放り込んでいた。

「ほぉ、牛乳の味がして・・・おっ柔らかくなってき・・・え?・・・おぉ!!」

アズパール王が驚きを口にする。

ウィリアムは終始ニコニコ顔。

「はぁ~・・・幸せぇ。」

レイラが蕩けそうな顔で感想を言い。

アリスとスミスもレイラの言葉に頷く。

フレデリックは「ほぉ」と頷きながら楽しむ。

マイヤーとハロルドと副団長、兵士長は笑顔で目を瞑りながら味を楽しんでいる。

武雄はそんな皆を苦笑しながら見ていたが。

「まったく・・・説明時に食べて貰おうと思っていたのですけど。」

と、ぼやいて見せる。

「タケオ様、説明時にコレを出されたら説明が耳に入りません。」

と、アリスがニコニコしながら言ってくる。

武雄以外の皆が頷く。

・・

「うむ。ハロルドにデビット、現状の確認をしたいから説明を頼む。」

「「はっ!」」

エルヴィス爺さんの言葉に二人は席を立ち説明を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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