表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/3563

第172話 一報。

「おぉ・・・意外とよさげな感じに仕上がっていますね。」

武雄は氷で冷やしていたキャラメルを見て頷いていた。

ちょっと一かけら食べてみるが、味も上々だ。

これなら皆に出せるだろうと思う。

「お?誰かと思えばタケオか?こんなに早くにどうした?」

「料理長、おはようございます。

 キャラメルが気になったので。」

「おはよう。で、どうだ?」

料理長は、ワクワクしながら聞いてくる。

武雄は何も言わずに一かけらを渡す。

キャラメルを渡された料理長はしばし眺めてから口に入れる。

「牛乳の味がして美味いな。・・・お、柔らかくなってきた。

 なるほど・・・最初は固いが徐々に柔らかく・・・お、これは面白いな。」

「皆さんに喜んでもらえるでしょうか?」

「ああ、これは良いと思うぞ?

 しかし・・・こんな美味しい飴を使用人の為にか?お客様に出さないのか?」

「お客様に出しても良いですが、基本はここの皆さん用に作ったのでそちらが優先ですね。」

「そうか・・・まぁタケオがそう言うならそうするか。」

「ええ、後でスイーツ担当には教えておきます。」

「おう、頼むな。」

武雄は料理長と別れ、書斎に戻ろうと客間前に差し掛かった時・・・

「ゴーン、ゴーン、ゴーン・・・・ゴーン、ゴーン、ゴーン・・・ゴーン、ゴーン、ゴーン。」

1時課の鐘・・・ではない?

武雄は不思議に思った。

ここに来てから時報は鐘が2回と覚えていた。

3時課の鐘なのか6時課の鐘なのかは太陽の位置で見極めていた。

そして今、3回鳴らすのを3回していた・・・

と、

フレデリックが客間から丁度出てきた。

「おや?タケオ様、おはようございます。」

「フレデリックさん、おはようございます。

 いつもと鐘の回数が違うのですが?」

「はい、これは緊急事態の鐘です。」

フレデリックの言葉に武雄は一瞬、動きを止めるが。

「・・・レイラさんとアリスお嬢様は起きています。」

「わかりました。他のお二方も起こして広間にお連れください。」

「はい。」

武雄は速足で書斎に向かうのだった。


------------------------

武雄が書斎をノックし、中から「どうぞ」の返事を聞いて中に入る。

中にはアリス、レイラ、アズパール王、ウィリアムが居た。

「戻りました。アランさん、ウィリアムさん、おはようございます。」

「うむ。タケオ、おはよう。」

「タケオさん、おはようございます。」

アズパール王とウィリアムはそれぞれ挨拶をしてくる。

「と、アリスお嬢様。」

「はい。緊急事態ですね?」

「ええ。詳細は広間で説明するので、皆さんをお連れするよう言われました。」

「うむ。では、移動するか。」

アズパール王の言葉に皆が広間に移動する。

・・

広間の扉を武雄はノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

中にはエルヴィス爺さんとスミス坊っちゃん、フレデリックがいた。

「エルヴィスさん、スミス坊っちゃん、おはようございます。

 皆さまをお連れしました。」

「うむ。」

とアズパール王、ウィリアム、レイラ、アリスが入室する。

「エルヴィス伯爵、おはよう。」

「はい、おはようございます。

 ウィリアムで・・さんもレイラもおはよう。」

「はい、おはようございます。」

「お爺さま、おはよう。」

「お爺さま、スミス、おはよう。」

「うむ、アリス、おはよう。」

「おはようございます。」

と皆が席に付くと。

フレデリックがお茶を皆に出す。

「伯爵、緊急事態とな?」

「はい、ですが今は第2報を待っています。

 詳細はその報告を受けた後で行います。」

「うむ、わかった。」

と、アズパール王の言葉を聞き、武雄が席を立つ。

「ん?タケオ、どうしたのじゃ?」

「いえ、説明がまだ先ならば、朝食でも作ってこようかと。

 このまま朝食を取りながらの説明になるのでしょう?」

「うむ・・・そうじゃの。

 タケオ、すまんが支度をしてくれ。」

「もう料理長がしているでしょうが、手伝いをしてきます。

 何人分持ってきますか?」

「そうじゃの・・・13、14人分で頼む。

 ハロルド達も来るだろうからの。」

「わかりました。」

と、武雄が広間を出ていく。


「・・・タケオは気が利くな。」

アズパール王がそんな独り言をつぶやくが。

「陛下、たぶん違いますよ。」

アリスが返答してくる。

「おや?アリス、違うと思うのか?」

「はい。たぶんタケオ様は緊張しているのでしょうね。

 ソワソワしています。」

「うむ、そうじゃの。落ち着けないから何か作業をしたいのだろうの。」

「ふーん・・・そうなのか。

 タケオは実戦経験はないのか?アリスとは模擬戦をしたと聞いたが。」

「ないでしょうね。戦いはこちらに来て初めてしたと言っておりましたし。

 タケオ様が居た所は、基本的に何からも脅威を受けない所だったのでしょうね。」

「うむ。でなければ、あれほどの料理が生まれるとは思わんの。

 平和だからこそ料理に時間が使える訳だからの。」

「はい。

 それに平和だからこそ、客観的に戦争を見れるのだと思います。

 タケオ様の説明は戦場を上から見ている様な印象ですので。」

「ん?そうなのか?」

アズパール王はアリスの説明に感想を言う。

「はい。雑談の中で・・・小銃の説明の中でもタケオ様は、どちらの陣営側の心情も説明していました。

 たぶん、私達の様に戦争が身近にある生活をしている者では、説明はどちらかに偏ってしまうと思います。」

「なるほどな。

 タケオには、あとでその辺の考えも聞いてみたいな。」

「わかりました。」

エルヴィス爺さんはアズパール王にそう答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 辛口のコメントです。 はっきり言って駄作です。 主人公は自分に酔っているように見える。 慎み深い?自己評価が低い? 全然そんな風に感じない。 たいしたことない知識や考えに酔いつつ滔々と語る。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ