表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/3563

第15話 起床とエルヴィス家家族会議2。 

3時課の鐘が鳴っている。

と、武雄が寝ている部屋の扉がノックされる。

「おはようございます・・・起きていますか?」

と小声で控えめに入ってくる。

アリスであった。

昨日の3名の談話・・・アリスによる詰問会の終わりに、

エルヴィス爺さんから「明日、タケオを起こしてやってくれ。」と言われていた。


武雄はベッドでスヤスヤ熟睡中。

「あの、タケオ様、起きてください。」

とベッドの横で言うが、そんなことで武雄は起きない。

・・・アリスは、どうやれば起きるかと悩み、体を揺すれば起きるだろうと思い立った。

ゆさゆさっとするが起きない。

もう少しするかと前屈みになり、少し強めにしてみようと力を入れた時。

ガバっ!!

寝ている武雄がいきなり抱きしめてきた。

「ふぁぁ!?」

アリスは思わず手を上の方にズラしてしまう。

万歳の格好で、武雄にダイブしている格好で抱きしめられ続ける。

「あ・・ふ・・あぁ・・」と顔を赤らめながらも何とか抜け出そうと体を移動させるが抜け出せない。

と、扉がノックされる。

アリスは焦る。

抜け出そうといろいろ体を動かし、やっと武雄の抱擁から抜け出した時、

フレデリックが部屋に入ってくる。

「失礼します。

 アリスお嬢様、タケオ様は起きられま・・・」

フレデリックが驚いている。

アリスは改めて自分の体勢を見る。

寝ている武雄にダイブしている格好・・・傍から見たら武雄の胸に顔を埋めている様にも見える。

アリスは顔を真っ赤にし、すぐに武雄から飛びのく。

「あ・・・その・・・これは・・・タケオ様が・・・あの・・・」

「アリスお嬢様。・・・もう少ししたらまた来ます。」

とフレデリックが退出していった。

え?っとアリスは驚く。怒られないの?・・・いやいや・・・え?・・・と、

フレデリックが何か違うことを勘違いしているとわかり、後を追う様に部屋を出ていく。


------------------------

武雄が寝ている部屋の扉がノックされる。

「失礼します。

 タケオ様、おはようございます。」

と、武雄は目を覚まし、体を起こす。

「あ。おはようございます。」

と礼をする。

「お食事の用意が出来ましたので、食堂に参りましょう。」

「はい。」

とベッドから出ようとして、武雄はふと気になる。

何だか布団から甘い匂いがする。

「あの、誰か先ほど来られた方がいるのですか?」

「・・・いいえ。」

「そうですか。」

と武雄は軽く身支度をして、フレデリックと食堂に向かった。


------------------------

食堂に着く。

そこには、すでにエルヴィス爺さん、アリスとスミスが座っていた。

「タケオ来たか。こっちだ。」

と言われ、その席まで行く。

「エルヴィスさん、おはようございます。

 すみません、私が一番遅くだった様で。」

「いや、構わぬのじゃ。」

「アリスお嬢様、スミス坊ちゃん、おはようございます。」

「はい、おはようございます。」

とスミスは答える。

「・・・おはようございます。」

武雄は「え?」と思う。少し機嫌が悪いらしい。ついでに若干、顔が赤いのはなぜ?

「タケオ、良く眠れたかの?」

アリスがその言葉にビクッとする。

「ええ、お蔭さまで。起こしに来ていただけるまで寝ていました。」

アリスはジト目で武雄を見ていた。


食事が運ばれ、4名ともさっさと終える。

「では、客間で皆で談笑しようかの。」

エルヴィス爺さんが言い、皆が移動する。


------------------------

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

「さて。昨日はできなかったが、タケオの身の上でも聞こうかの。」

「そうですね。・・・というか、前置きを言わせていただいても構わないですか?」

「うむ。」

「では。今から私が話す内容は、かなりぶっ飛んでいます。

 質問は随時聞きますが、とりあえず話が終わるまで部屋を出て行かないでください。」

「うむ。」

「ええ。」

「わかりました。」

とエルヴィス爺さん、アリスとスミスが返事をする。

武雄はフレデリックにも顔を向ける。

少し驚くも「畏まりました。」と返答をしてくる。


「では、改めまして、私は『北見里 武雄』と言います。

 姓が『北見里』で名が『武雄』です。」

「「「「え!!?」」」」

皆が驚く。

「ちょ・・・ちょっと待つのじゃ。」

「なんですか?まだ名前しか言っていませんが?」

「いや・・そうなのじゃが。お主は、ここにいる皆に名で呼ばれておったのか?」

「そうですね。・・・スミス坊ちゃんには、呼ばれたことはありませんがね?」

「・・・はい。」

とスミスは言う。

「・・・なんで先に言わないのじゃ。」

「特に不都合はなかったからですよ。

 そういう物かなと思ったぐらいで。」

「お主は昨日のフレッドには姓で、アリスとスミス、フレデリックには名で対応しておったろうが。」

「すみませんが、それは違いますよ?」

「なにがじゃ?」

「エルヴィスさん、ゴドウィンさん、スミス坊ちゃんには最初に何と呼べばいいか聞きましたよね?

 ちなみに・・・」

とフレデリックに顔を向ける。

「名前を教えていただいていないので、私は1回も名前を呼んでいません。」

「あ・・・」

とフレデリックが声をあげる。

「これは・・・大変失礼いたしました。

 フレデリック・ラムと申します。以後、『フレデリック』とお呼び下さい。」

「フレデリックさん、よろしくお願いします。

 私も『タケオ』で構いません。」

フレデリックは頷く。

「アリスお嬢様については、出合頭でこちらから『アリスお嬢様』と呼んでしまい申し訳ありませんでした。」

と頭を下げる。

「え!?いえいえ!!

 こちらこそ知らなかったとは言え、勝手に名を呼んでいたのです。こちらこそすみませんでした。」

とアリスお嬢様もあたふたしながら謝る。

「では、お互い最初に名を呼んでしまった者同士、お互いさまという感じでお願いできますか?」

「はい。タケオ様がそう言っていただけるなら。」

「こちらこそ、ありがとうございます、アリスお嬢様。

 で、なんでしたっけ?」

とエルヴィス爺さんに顔を向ける。

「・・・わしはどう呼べば良いのじゃ?」

「『タケオ』で構いませんよ?今さら『キタミザト』と呼ばれても・・・」

「うむ。わかった。」


「では、話の続きを。

 歳は35歳になります。」

「「え?」」とアリスとスミスは驚く。

「どうされました?」

と武雄はアリスに聞く。

「いえ。お若く見えると思いまして。」

「あぁ、私のいたところは良く言われますね。

 で、私はこの世界の住人ではないようです。異世界から来たみたいです。」

「「「「は?」」」」

皆が驚くのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
「エルヴィスさん、ゴドウィンさん、スミス坊ちゃんには最初に何と呼べばいいか聞きましたよね?  ちなみに・・・」 とフレデリックに顔を向ける。 「名前を教えていただいていないので、私は1回も名前を…
第15話 起床とエルヴィス家家族会議2。  すみません、私が一番遅くだった様で ↓ すみません、私が一番遅かった様で すみません、私が一番遅い様で
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ