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第164話 11日目 夕食後の報告会。(一日の報告。)

「さて、今日はタケオ達は何をしておったのじゃ?」

「小銃改1の最終試射と小銃の練習をしていましたが・・・」

「ん?どうしたのじゃ?」

「小銃改1ですけど、アリスお嬢様も撃てることがわかりました。」

「なに?」

「で、使用魔力量が多いので10発と制限させたのですが・・・」

「楽しかったです、ください。」

「と、まぁこんな感じで私の小銃改1を欲しがっています。」

武雄はアリスを見ながら苦笑する。

「いや、アリス、お主は『身体強化』と『武器の強化』で近接戦闘がメインじゃろ?」

「むぅ・・・お爺さまもタケオ様と同じことを言うのですか?」

「普通言うだろうの。

 小銃においてもタケオが剣も魔法もダメだから苦肉の策で考えた自分の武器じゃろ?」

「ええ、これしか使えなさそうだからなのですが・・・」

「・・・まぁ、二人で考えて使いなさい。」

「わかりました。

 あと、仕立て屋にダウンベストとダウンジャケットの提案をしました。

 また契約書を作って持ってくるとのことです。

 で、帰ってきてからはレイラさん達との話と三人のコートを作ってきましたね。

 後は酒屋で数本購入して・・・あぁ・・・出すのを忘れました。」

「そうでした、このショートケーキと一緒に出す予定でしたね。」

武雄とアリスはガックリとする。

「ん?なんじゃ?」

「いや炭酸ワインを買ったので、ケーキと一緒に出そうと思っていたのですが忘れました。」

ははっと武雄は笑う。

「しょうがないの。

 と、トレンチコートはちゃんと作れたのかの?」

「はい。

 アランさんもウィリアムさんもレイラさんも作りましたね。

 オーダーメイドと市販用の2種類を購入していました。」

「うむ、楽しかったぞ。」

「それはよろしかったですね。」

「で、話の流れで、この街の組合と王都の組合とでトレンチコートの販売契約の交渉をすることになりました。」

「は?」

エルヴィス爺さんが驚く。

「えーっと。

 市販用を向こうの仕立て屋に納入し、装飾関係・・・ポケットとか襟幅とかは向こうにも変更を許可することにしました。

 以前からの話通りにコートを作る工場は、この街に置いて貰いますし、向こうで模倣品を見つけたら制裁を科すという内容になると思います。

 また、この組合同士の話し合いを公平に判断して貰う為、ウィリアムさんが仲に入ってくれます。」

「ええ、この街の最新の服を着れるのですからお安い御用です。」

「それは・・・また。」

豪勢な・・・とは、エルヴィス爺さんは言えなかった。

「そんな感じですね。」

「う・・・うむ。」

「そうだ。タケオ、ショウジュウとはなんだ?

 ここで教えてくれるのだろう?」

「そうでしたね。

 では、持ってきますので小休止にしましょうか。」

と武雄は客間を退出していった。


------------------------

客間に残されたのはエルヴィス爺さんとアリス、スミス、アズパール王、ウィリアム、レイラの6名。

フレデリックはお茶を替えに行っている。

「陛下、殿下、トレンチコートの件ありがとうございます。」

「いや、なに、話の流れでな。

 我が王都で作って良いか?と聞いたらタケオに怒られてしまったわ。

 『折角、芽吹いたのに潰すのですか?』とな。」

「タケオ・・・なんていう事を・・・」

エルヴィス爺さんはガックリとうな垂れる。

「ふふ、我にああいう物言いをする者は居ないから新鮮であったな。

 それにタケオの考えも分かる。いろんな所で作ってしまっては価格を抑えられないし、失敗したら共倒れに成りかねないからな。

 基本的な物をここで生産して、意匠は王都で・・・

 うむ、無駄がない。

 それに王都は大量生産には向かないからな。個人の意匠を施すのは得意だがな・・・

 そんな感じでウィリアムに全部投げた。」

「ええ、投げられました。

 私としてもトレンチコートにダウンベストは王都でも流行ると思うのです。

 作る事自体は王都の人間は拘っていませんからね。

 装飾を凝らせることに注力している風潮です。

 今回の仕立て屋同士の話し合いは上手くいきそうです。」

「何卒、良しなにお願いいたします。」

エルヴィス伯爵が頭を下げる。


「それにしてもテイラーでしたか?魔法具商店の店長さん。

 お義父さまは知っていたのですね。」

「あぁ、爺の所の次席だからな。」

「「え!?」」

レイラとウィリアムが驚く。

「それは・・・魔法師のトップクラスなのでは?」

ウィリアムが聞いてくる。

「うむ。次期トップの内示を出すか出さないかの時に辞めたからな。

 そうか・・・この街に居たのか・・・ふふ。」

アズパール王は含み笑いをする。

「陛下、楽しそうですね。」

エルヴィス爺さんが聞いてくる。

「いや、生きていた事、そしてタケオと会った事。

 運命とは面白いとな。」

「また、王都に招集をかけますか?」

ウィリアムが聞いてくる。

「いや、もう違う者に次期トップの内示が出ているからな。

 今さら戻してもゴタゴタの種だ。

 戻す気はない。

 それにあんな楽しそうなテイラーは見たことなかったからな。

 いつも無表情だったイメージだ・・・この街で過ごすのが良いのだろう。

 アリス、王家の指輪はテイラーに見せたのか?」

「いえ?なぜ見せる必要が?」

「そうか。まぁ・・・奴なら平気か。

 いや、何でもない。アリス、忘れてくれ。」

「はぁ、わかりました。」

アリスは生返事をするのみだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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[気になる点] アリス、王家の指輪はテイラーに見せたのか? いえ?なぜ見せる必要が? これはおかしい だって箱を開けたのはテイラーでしょ んで指輪の説明をされたりとか アリスが王様相手に誤魔化すの…
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