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第154話 夕飯までの雑談。(婚約の事。)

「さて、指輪の件は終わりね。」

とレイラが言い、アリスの方を向き。

「アリス、タケオさん、婚約おめでとう。」

「レイラお姉様・・・ありがとうございます。」

「レイラさん、ありがとうございます。」

アリスは少し泣きながら。武雄は自然体で感謝を伝える。

「ええ。

 それにしてもアリスが婚約・・・タケオさん、ありがとう。

 姉としてアリスの婚約は心配事だったのよ。」

「レイラお姉様・・・どういう意味でしょうか?」

アリスはジト目で抗議する。

「え?アリス・・・そこらへんの貴族より武勲あるし、お転婆でしょ?

 もう心配で心配で。」

レイラはヤレヤレという感じを出しながら言う。

「レイラさん、同じ様な事を街の人からも言われましたよ。」

「あら?そうなの?」

「はい。家具を見に行った際にそこの店長から深々と頭を下げられて『街の心配事だったのです。』と感謝されました。」

「流石はこの街の住民だ、面白いな。」

アズパール王は感想を言い、レイラ達3人はクスクス笑う。

「うぅ、タケオ様、それは言わなくても良いのでは??・・・」

アリスはジト目で抗議する。

「事実ですよ、アリスお嬢様。」

「それは・・・そうですが・・・」

とアリスは困った様に言ってくる。

「タケオさん、この度はアリスを娶ってくれてありがとう。」

レイラは武雄に対し軽く会釈をする。

「いえ、アリスお嬢様は私にはもったいないぐらいの方なので私こそ感謝の気持ちでいっぱいなのですが。

 一つ訂正を良いですか?」

「はい、なんでしょう?」

「私はアリスお嬢様を娶ったのではないですよ?」

「そうなの?」

「迎え入れたのではなく、

 私からお願いしてなってもらったが正解です。」

「ほぉ。」

アズパール王は感心した様に頷く。

「タケオ様!?またその話ですか!?」

アリスは驚いた顔をする。

「おや?アリスお嬢様、なにか?

 当初の気持ちは、知らない人よりマシ程度だったのでは?」

「う・・・ですが・・・」

「はいはい、それは後でじっくりと聞かせて貰いますからね?

 ですので、私はアリスお嬢様に嫌われない様に精一杯に努力しないといけないという立場なのだと認識しています。」

「それはタケオさんがアリスのいう事を何でも聞くという事かしら?」

「それとは違うと考えています。

 私の言う努力は・・・対等の立場に立って、同じ景色を見れることでしょうね。

 一緒に笑ったり、美味しい物を食べたり、時には喧嘩もするでしょう。

 それはお互いの生まれも育ちも違うのです。

 新しい発見をすれば喜び、意見が違うなら喧嘩もする、貴族・庶民関係なく夫婦ってそういう物ではないでしょうか。」

武雄は真面目な顔で言う。

その言葉に皆が頷く。

「はい、満点。

 タケオさん、末永くアリスをお願いします。」

レイラは武雄に対し軽く会釈をする

「はい、わかっています。」

・・

「と、婚約の事も終わったし、タケオさんの出自の話を聞かせて貰えますか?

 姉としては、タケオさんがどんな方なのか知りたいわ。」

レイラは武雄に聞いてくる。

武雄はエルヴィス爺さんに目をやり、エルヴィス爺さんが頷いているのを確認する。

「わかりました。 

 では、ちょうど良いのでちょっと小休止しましょうか。

 私は荷物を持ってきますので。」

「うむ、わかった。」

と武雄は客間を退出していった。


------------------------

客間に残されたのはエルヴィス爺さんとアリス、スミス、アズパール王、ウィリアム、レイラの6名。

フレデリックはお茶を換えに行っている。

「陛下、スミスへの指輪の下賜、誠にありがたく思います。」

「いや、実際、こっちの帳簿では無くなってもいない、あずかり知らぬ指輪だったのだ。

 今回、アリスが見つけてくれて有難かったぞ。

 盗賊とかに使われると厄介だからな。

 なので、所有者はあくまでエルヴィス家となる。ならば次期当主のスミスがすれば良いと思ってな。」

「陛下、ありがとうございます。」

スミスはアズパール王に感謝を伝える。

「うむ。先ほどウィリアムも言ったが、あまり指輪に拘る必要はない。

 エルヴィス領の当主となるべく頑張れば良い。」

「はい。」


「それにしてもタケオさんの言葉は良いですね。

 同じ景色を見て、一緒に笑って、喧嘩もしましょう・・・とは。

 告白ですね。」

「あら?ウィリアムも思った?

 私もそう思ったわ。

 ねぇ・・・アリス?」

「・・・レイラお姉様のその言い方・・・何が聞きたいのですか?」

「婚約したならプロポーズは受けたわね?」

「はい、受けましたが?」

「何て言われたの??」

「・・・聞きたいですか?」

「ええ、興味はありますよ。

 さっきあんな事を平然と言う方だもの・・・気になるわ!」

レイラは顔を輝かせながら聞いてくる。

「はぁ・・・私が抵抗しても意味がないので言いますよ。

 『アリス・ヘンリー・エルヴィスさん。

  私は、財力も権力もありません。

  なんの不自由もなく、好きな事を好きなだけさせるからとは言えません。

  そんな私ですが、一緒の景色をみて、一緒に食事をして、共に笑って、時には喧嘩もして、一緒に歳を取って・・・

  私の横で一緒に幸せを探せるのは貴女しかいないと感じています。

  私と結婚を前提に付き合って頂けますか?』です。」

アリスは若干顔を赤くしながら言う。

「ふふ、お義父さま、ウィリアム、聞きました?」

「うむ。」

「うん。」

「良いですね~。」

レイラはニコニコしながら言う。

「ふふ、謙虚さをアピールしてから

 『私の横で一緒に幸せを探せるのは貴女しかいない』・・・とな。

 良い、実に良い。」

「ええ、とても良いですね。」

3人はニコニコしながら。

「これは結婚の時は我からも何か送るか。」

「陛下、指輪だけでも十分ですので。」

アズパール王の言葉にエルヴィス爺さんは汗をかきながら対応する。


と、客間の扉がノックされ武雄とフレデリックが入ってくるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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