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第144話 さぁ夕飯だ・・・今日の夕飯の評価。

食堂には、エルヴィス爺さん、アリス、スミスが席についている。

武雄とフレデリックは立っていた。

「ん?タケオが座らないという事は・・・何か作ったのかの?」

「はい。今日の小銃練習の帰宅時に干物屋に寄って食材を買ってきたので作ってみました。」

「うむ、楽しみじゃの。」

エルヴィス爺さんの言葉と共に夕飯が運ばれてくる。

・・

「と、配膳が終わりましたね。

 では、軽く説明します。」

「うむ。」

「まず、メインはタラの卵のパスタになります。

 バターとタラの卵を使った『たらこスパゲッティ』です。

 バターを多めに使っているので、甘く感じると思います。

 そして卵のプチプチ感を楽しんでくださいね。」

「うむ。」

「スープは2種類です。

 どちらも玉ねぎと卵というシンプルなスープです。

 これの違いは出汁にあります。」

「ん?ダシとはなんじゃ?」

「スープの素ですね。」

「ブイヨンじゃな。」

「ブイヨンとは違って単品の干物から取りました。

 一つは小魚、もう一つは海老から取っています。」

「・・・海老とな?」

「その話は厨房で聞いていますので、平気です。」

「・・・うむ。」

「ベースとなる味の素が違うとどう違うか楽しんでください。」

「うむ、わかった。」

「?タケオ様、干しシイタケはどうしたのですか?」

「実はですね、干しシイタケ、干し小魚、干し海老の3つから出汁を取ったのですが。

 どれも私は満足でした。

 ですが、3つもスープは要らないので、もう1品追加で作りました。

 この茶碗蒸しです。」

と小さなお椀を取る。

「まぁ調理法は簡単です。

 要はプリンの夕飯版ですね。」

「プリンとな!?」

「はい。プリンは卵と牛乳と砂糖を混ぜて蒸します。」

「うむ、そうであったな。」

「茶碗蒸しは卵と出汁と具材を入れて蒸します。」

「・・・似ておるの。」

「でしょう?なので作りました。

 で、中の具材はシイタケ、海老、鶏肉です。」

「海の物と山の物を合わせたのかの?」

「だれも合わせてはいけないとは言ってないと思いますが?」

「それはそうじゃが・・・初めてだの。」

「ええ、料理長も驚いていました。

 だからこそ食べた際の食感の違いが楽しめるのですよ。」

「うむ、なるほどの。」

「まぁダメだったら今後気を付けます。

 最後にサラダは、戻した小魚を綺麗にまとめてくれました。

 マヨネーズを少し付けて食べてくださいとのことです。」

「うむ・・・では、もう食べて良いのかの???」

三人が、食べたくてうずうずしているのがわかる。

「どうぞ。」

今回も「ど」の辺りで食べ始める。

武雄はそんな皆の様子を目を細くしながら見ている。

エルヴィス爺さんとスミスは満面の笑顔で一心不乱に食べている。

アリスは一口食べると武雄を見て、目をこれでもかと見開き驚いている。

「お気に召しましたか?」

「「「・・・」」」

皆、無言でコクコクと頷くだけだった。

「私も満足です。」

と武雄は微笑む。


------------------------

夕飯後、客間にエルヴィス爺さん、アリス、スミスと武雄が移動する。

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

「それにしても今日の夕飯も絶品だったのぉ。」

とエルヴィス爺さんは言い、武雄を除く皆が頷く。

「ん?フレデリックも頷くということは・・・」

「出す前にフレデリックさんと料理長と各担当には食べて貰っています。

 あと、スープに付いては執事やメイドさん達にも食して貰っていますね。」

「ぐぬぬ・・・主より先に食べるとは・・・」

「何が『ぐぬぬ』ですか。

 フレデリックさんや料理長に食べて貰うのは味の最終確認をしてもらう為ですし。

 他の使用人の方たちに食べて貰うのは感謝の為です。

 食事に関して私は上下はないですよ。」

武雄はエルヴィス爺さんに突っ込みを入れる。

「うむ、それは良い事なのじゃが・・・

 わしが一番になりたかったの。」

「いい歳して我が儘ですか?」

「・・・ふん。子供の心を持っているというのじゃ。」

「スイーツなら唐突に出すかもしれませんが、食事となるとフレデリックさんの味チェックは必要でしょう?」

「・・・そうかもしれんが・・・」

「今後も一番はあり得ませんから諦めてください。」

「うむ。」

エルヴィス爺さんは少しガッカリするのだった。


「まぁ、しかしじゃ。

 たらこスパゲッティは良かったのぉ。」

「美味しかったですか?」

「うむ、わしは満足じゃ。」

「私も美味しかったです。」

「僕もです。」

「私もですね。」

四人とも好評の様だ。

「偶然、焼きたらこが手に入りましたからね。

 この地方は山ですから、なかなか手に入らないのではないですか?」

「うむ、わしも初めて食べたの。

 というより、この国では、あまり魚の卵は食べないのじゃ。」

「そうなのですか。美味しいのに。」

「うむ、今回のタケオの料理で美味しいのがわかったからの。」

「次に手に入れたらオムレツに混ぜてみますか?

 ふわふわ卵にプチプチ卵の面白い食感ですよ?」

「うむ、楽しみだのぉ。」

四人はうんうん頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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