表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/3564

第136話 試食会(生クリームとは。)

武雄は、厨房から客間に向けて料理を運んでいる。

今回もスイーツ担当とメイン担当は泣いていたが・・・気にしないでおく。

ちなみに料理長も満面の笑みで「これは凄い!」とホクホクそうだった。


------------------------

客間のドアを武雄はノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。

中にはエルヴィス爺さんとアリス、スミス、フレデリックがいた。

「失礼します。」

と武雄は料理が載った盆を持って入る。

皆、武雄が作った料理を待っていたようで前のめり状態だ。

「プリンの前に、新たな食材で料理を一つ作りましたので、試食してください。」

「うむ・・・で、これはパスタかの?」

「はい。『カルボナーラ』と言います。」

と4人に取分け配る。

「食べても良いかの?」

「どうぞ。」

今回も「ど」の辺りで食べ始める。

そんなに楽しみだったのですか・・・

武雄はそんな皆の様子を目を細くしながら見ている。

エルヴィス爺さんとスミスは満面の笑顔で一心不乱に食べている。

アリスは一口食べると武雄を見て、目をこれでもかと見開き驚いている。

フレデリックは「ほぉ」と頷きながら食べている。

「お気に召しましたか?」

「「「「・・・」」」」

皆、無言でコクコクと頷くだけだった。

「皆さんはホント良い顔をされますね。私も満足です。」

と武雄は微笑む。


皆が食べ終わり、武雄は皆にお茶を配り口をさっぱりしてもらう。

「と、次はプリンですね。

 今回もハチミツプリンです。」

4人にプリンを配る。

「ん?タケオ、スミスだけ大きいのじゃが。」

「お昼にお祝いの為に作ると言ったでしょう?

 なので、スミス坊ちゃんのは、大きくしました。

 本当は桶くらい大きくしたかったのですが、調理できるサイズでは、それが限界でした。」

「・・・タケオ様、何か変な事を言いませんでした?」

アリスは、ジト目で聞いてくる。

「調理できるサイズ?」

「その前です。」

「スミス坊ちゃん用に大きいのを。」

「その後です。」

「桶。」

「そこです!」

「・・・何がおかしいのでしょう??」

「なんでそんな大きな物を作ろうと?」

「いえ、喜ぶかなぁと思って。」

「喜ぶかもしれませんが・・・そもそも調理できたならするつもりだったのですか?」

「ええ、当たり前です。」

武雄は真面目な顔して言う。

「・・・タケオ様、普通のサイズで良いのですよ?」

「いや、インパクトがないかと・・・」

「タケオ様の料理は十分、衝撃的ですから普通のサイズでお願いします。」

「・・・わかりました・・・」

武雄は渋々了承する。

「と、行きわたりましたね。」

「食べて良いかの?」

「ダメです。」

武雄がエルヴィス爺さんを止める。

「で、今回追加で作ったのがホイップクリームです。

 簡単に言えば、牛乳を泡立ててクリーム状にし、砂糖を入れて甘くしています。」

と、ボールに入れたままの状態で机に置く。

「ちょっと無作法なのは承知していますが、今回は気にしないでください。

 と、このホイップクリームですが、正直私は失敗したと感じています。」

「ん?どういう事じゃ?」

「香りが少し残ってしまっているのです。

 ですので、付けるのは、お好みでお願いします。

 では、どうぞ。」

エルヴィス爺さんとスミスは満面の笑顔で一心不乱に食べ。

アリスは一口食べると武雄を見て、蕩けるぐらいの笑顔を向ける。

フレデリックは頷きながら食べている。

ホイップクリームも少し付けて食べて見ていたが、追加で付ける人はいなかった。

「やはり匂いがでますか。」

「ええ。甘いのですが、どうしても少し匂いますね。」

アリスが答えると他の皆も頷く。

「ふむ。では、パンに付けるとどうでしょうか?」

と皆に夕飯で残っていたパンを渡す。

皆はパンにホイップクリームを付けて食べてみる。

「んー・・・こっちも匂いがありますね。」

スミスが感想を言う。

「なるほど、わかりました。」

武雄はスミスがプリンを食べ終わると食器とホイップクリームを厨房に戻しに退出して行った。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ