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第128話 9日目 新しい起こし方。と今日の予定。

「・・・うぅ・・・」

武雄はかなりの圧迫感で目覚める。

いつもの激痛ではなく・・・重い・・・

アリスは寝返りを打ったらしく、仰向けに寝ている武雄にうつ伏せで乗っかっていた。

「一体全体どうやって登ったの?」・・・武雄は重さの正体がわかり安堵する。

当のアリスは武雄の上でうつ伏せ状態でスヤスヤ寝ている。

今日も武雄はアリスの太ももを撫でながらボーっとする。

・・・

・・

アリスが身じろぎを始め。

「・・・おはよ・・・ん?」

と挨拶をし始めて自分の状態がおかしい事に気が付いた様だ。

「アリスお嬢様、おはようございます。」

と武雄もアリスの太ももを撫でながら挨拶をする。

「・・・タケオ様・・・なぜ私の下に?」

「逆です。」武雄は苦笑するしかなかった。

・・

武雄とアリスはその後、ベッドの中で遊んでいたが、

「さ、タケオ様、名残惜しいですが起きましょう。」

と、アリスの言葉と共に二人ともベッドを出て、着替えを始める。


------------------------

朝食を終え、客間で皆でティータイム。

「さて、今日はスミスがハロルドと模擬戦をしてくるのだったの?」

「はい、わかっています。」

「うむ、しっかりの。タケオ、何かアドバイスはあるかの?」

「え?・・・えーっと・・・そうですね・・・

 完全無欠な人はいません。今のスミス坊ちゃんから見て、格上の相手であってもです。」

「はい。」

「なので、模擬戦をしている最中に絶対にスキが生まれます。

 それは無意識であるかもしれませんし、何かしらの外的要因かもしれません。

 スキは1回しかないかもしれませんから、その瞬間を見逃してはいけません。

 今回の模擬戦は、その時に動けるかの試練だと思います。」

「うむ、そうだの。

 勝てないまでも戦闘を持ちこたえていれば機会が巡ってくる可能性もある。

 その機会を拾えるか・・・わしは見に行かない。自分の判断を磨くのじゃぞ。」

「はい。」

「うむ。タケオとアリスは、今日はどうするのじゃ?」

「私は小銃の練習です。その後は未定ですね。」

「私はタケオ様に付いていきます。」

「うむ、わかった。」

エルヴィス爺さんは、にこやかに頷くのだった。


------------------------

「では、行ってきます。」

スミスは先に客間から退出していった。

あとに残されたのはエルヴィス爺さんとアリス、武雄、フレデリックの4名。

「で・・・じゃ。」

「はい。」

「スミスは今回は難しいと思うのじゃが?」

「お爺さまの考えは、ハロルドとスミスがまともに戦えば・・・ですよね?」

「うむ。上手くいくかの?」

「どうでしょうか・・・」

エルヴィス爺さんは「んー・・・」と悩む。

・・

「エルヴィスさん、この街はクマが出るそうですね?」

「ん?どうしたのじゃ?タケオ。」

「なんでもそのクマは『ハロルド』と名が付いているそうですが?」

武雄はニヤリとする。

「・・・ふっ・・・そんな話は聞いたことないが、事実なら脅威だの。

 街に被害が出ない様にしないといけないの。」

「はい、街の住民と戦闘などしないとは思いますが・・・

 万が一、戦闘をしていた場合、小銃訓練の一環として、そのクマを撃ってこようかと。

 生き物をむやみに殺生する気はありませんので、無力化するだけですが。」

「うむ、そうだの。

 むやみな殺生は好まないの。」

「ただ・・・戦闘をしていた場合、住民の救援に少し間に合わないかもしれません。

 多少の怪我を負ってしまう可能性もあります。」

「それは致し方ないじゃろ。

 どこにいるかは目途が付いても居合わせられるわけはないからの。」

「はい。住民が持ちこたえてくれたら良いのですが・・・」

「奮戦に期待じゃの。」

「ええ。」


------------------------

武雄とアリスは小銃の訓練に行く為、客間から退出していった。

あとに残されたのはエルヴィス爺さんとフレデリック。

「クマ・・・とな。」

「タケオ様の優しさ・・・ですかね?

 当主から武官トップである騎士団長を負けさせる様な命令をさせないと。」

「ふむ。

 そして、スミスを助けるのが目的ではない・・・との意思表明か。

 模擬戦の流れによっては手を出さないだろうの。」

「タケオ様の判断に任せましょう。

 たぶん悪い事にはならないでしょうから。」

「うむ。今までのタケオを見ていれば、その判断に私欲がないからの。

 むしろスミスの成長を考えているから安心していられるが。

 ・・・祖父としては孫の勝利を望んでしまうの。」

「致し方ありません。」

エルヴィス爺さんとフレデリックは窓の外を見ながら物思いに耽るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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