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第125話 8日目 夕食後の報告会。(模擬戦の感想2。)

「うむ。スミス、

 唐突に決まったが、タケオの言う事はもっともじゃ。

 戦場での迷いは自分の生死にもかかわるからの。」

「うぅ、わかりました。」

「スミス坊ちゃん、前にも言ったでしょう?

 物事は分け隔てなく唐突に始まるものです。」

「はい・・・やります。」

スミスはガックリとうな垂れる。

「提案した私が言うのもなんですが。

 明日はスミス坊ちゃんの試練日ですね。」

武雄は楽しそうに言う。

「では、ハロルドを除く騎士団全員に通達しておきますか。」

フレデリックがそう言う。

「うむ、それが良かろう。明日も面白そうだの。」


------------------------

「と、話が逸れましたね。

 で、弾丸を受けたアリスお嬢様が本気になります。

 ・・・あれが魔眼なのですね~。

 震えましたよ。」

「そんなに違いましたか?」

アリスは首を傾げながら言う。

「ええ、シールドが出来なかったら・・・即座に土下座で謝りますね。アレは。」

「うむ、確かに。」

「ですね。」

「でしょうね。」

アリスを除く皆が同意する。

「皆まで!?」

「あれは怖いですよ。

 良い経験でした。」

「笑っていられるタケオ様もどうかと思いますよ?」

スミスが呆れながら言う。


「で、アリスお嬢様が走り込んできたので『シールド×10』で防ごうとしたら。」

「破壊されたのだったの。」

「ん?あの物を打ち抜く感覚は『シールド』だったのですね。」

「ええ。で、

 小銃に慌てて『プロテス×15』をかけて必死に踏みとどまりました。」

「私的には、吹き飛ばなかったので、驚いて一端引きました。」

「うむ。」

「『シールド』で威力をある程度殺しても・・・コレですよ?」

と部屋の隅っこに置いていた小銃を武雄が持ってくる。

「あら?凹んでいるのですね。」

アリスが小銃を見て感想を言う。

「・・・簡単に言いますね・・・

 で、小銃で殴ったらどうなるかな?と思って、まずは『小さいファイア』の連射で威嚇、そして走り込んだのですが、走り込んだ時にはアリスお嬢様が振りかぶっていました。」

「ええ、あの連射はびっくりしましたよ。

 両手で防御して、連射が終わって両手をどかしたらタケオ様が走り込んで来たので返り討ちにしようかと。」

「うむ。タケオ、あの連射の威力はどのくらいじゃの?」

「所詮、私の『ファイア』ですので、1発の威力は軽い火傷程度でしょうね。」

「・・・微妙じゃの。」

「そうですね。

 本気で防御するには仰々しいですが、無視できるほど軽いわけでもない・・・」

エルヴィス爺さんとフレデリックは微妙な顔をする。

「本当に威嚇でしかないですね。」

武雄は苦笑する。

「で、私は上段から切りかかるのですが、タケオ様は、また小銃で受けますね。」

「はい。『シールド×15』で防いだのです。」

「完璧に塞がれました。」

「うむ。」

アリスがうな垂れ、エルヴィス爺さんが頷く。

「完璧に見えました?」

「違うのですか?」

アリスは顔を上げて聞いてくる。

「・・・実を言うと『シールド×15』で受け止められましたが、シールドから『ミシミシッ』と音が聞こえていたのです。」

「「「え!?」」」

エルヴィス爺さん、アリス、スミスが驚く。

フレデリックは「やはりですか」と頷く。

「なので、限界なのかもしれないと思って、剣をいなして即座に後退しました。」

「なるほどの。」

「『シールド』が限界なら小銃で受ける意味が私にはなかったので、ナイフに持ち変えました。」

「私は「話にあった小隊長達との戦い方をするのかぁ」と思いましたね。」

「で、アリスお嬢様に走り込んで振り下ろされた剣を左手で受けて、右手のナイフでカウンターを入れようとしたら。」

「うむ、避けられたの。」

「『来た!』っと思って、思いっきり避けましたね。」

アリスはクスクス笑う。

「これは当たらないと思って、投げることを思いついたのですが・・・

 とりあえず2回同じ攻撃をしてタイミングを見ようかと思ったのです・・・」

「あっさり避けられておったの。」

「私は、あの時こっちからの攻撃を待っているのかと思いましたよ。」

「違いますね。投げるタイミングを見るはずだったのですが・・・1回目より2回目、2回目より3回目と対応に余裕が生まれていきましたね。

 3回目の避け方は脅威以外の何物でもなかったですよ?

 こっちは凡人、あっちは天才かと呆れました。」

「タケオ様がそれを言います?」

アリスは再びジト目で抗議してくる。

「私は凡人代表のつもりですが?」

「「絶対違います。」」

また、アリスとスミスから姉弟仲良く突っ込まれ武雄は苦笑する。


「で、あの余裕を見せられたので次で投げをする覚悟をします。」

「私は反撃しようと考えます。」

「うむ。」

「まず、アリスお嬢様に向かって走り込み、

 走り込む間にナイフを右手から左手に持ち替えます。」

「タケオ様が走り込んで来たので、右手のみで剣を振り下ろします。」

「『シールド×5』を発動し、剣を受けます。」

「剣を受けられたと感じた後、すぐに剣を引こうと思った矢先に何か物を打ち抜く感覚が伝わります。」

「『シールド×5』が破壊され、ナイフで一端受け止め、さらにすぐナイフを離します。」

「いきなり圧力が抜けたので剣に体重を乗せきれないままタケオ様の腕に当たり止まります。」

「すっごく痛かったですが、腕で剣を受け止めて目の前にアリスお嬢様の剣を持つ右手があったので、すぐに左手で掴みました。

 そしてこちらに少し引き込み、がら空きになったアリスお嬢様の右脇に体を入れます。」

「タケオ様が右手を私の左腰に回そうとしたので、殴ったのですが、阻止できませんでした。」

「・・・あの時、殴られた所から『メキッ』っと音がしましたが?」

武雄の言葉にエルヴィス爺さんは顔を引きつかせる。

「で、右腕を回せたので私の腰に乗っけて投げました。」

「投げられました。」

「投げて、すぐに抑え込んで終了です。」

「あの抑え込まれたの何ですか?

 抜け出せなかったのですが?」

「あれは柔道という私のいた所の・・・武術ですね。」

「「「「え!!?」」」」

・・

「タケオは武術の心得は、ないのじゃろ?」

「学び舎で週2で3か月した程度では心得ではないでしょう?」

エルヴィス爺さんの問いに武雄は答える。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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