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第117話 武雄とアリスの模擬戦開始。

城門の上に男数人が陣取り模擬戦の開始を待っていた。

この時点で酒樽は1個消費済み。

「ふむ・・・タケオは本気だの。」

「はい、タケオ様の気迫は凄いですね。」

エルヴィス爺さんが呟き、スミスが答える。

「うむ、タケオは武術の心得はなかったと言っていたの?」

「そうですね。私も含め皆の前でそう言われていましたね。」

フレデリックが答える。

「で、この気迫を有するか・・・どうやって鍛えたのかの?

 そこら辺の兵士では、ここまでの心境に達するのは時間がかかると思うのじゃが?」

「相当な責任の中で経験したのでしょうが・・・これはアリスお嬢様も危ういですね。」

「え?お姉様が負けるかもしれないのですか?魔眼があるのに?」

「・・・うむ。タケオはそもそも魔眼をそこまでの脅威と考えておらんしの。」

「「「「は?」」」」

仕立て屋の店長、魔法具商店の店長、青果屋のおじさん、酒屋のおじさんの4名が驚く。

「ん?なんじゃ?皆して。」

「キタミザト様は、お嬢様のアレを脅威とは思っていないのですか?」

仕立て屋のラルフが聞いてくる。

「うむ。確かそんな感じで言っておったはずじゃの?」

「はい。正確には「威圧感と威力は凶悪だが、それだけです」と。」

フレデリックがそう伝えると4人が絶句する。

「うむ。」

「・・・アリスお嬢様の婚約者だけのことはあるな・・・」

青果屋のおじさんが呟く。

「ん?知っておったのか?」

「ええ。前回の演習の時に我々が気が付いて、キタミザト様は白状されていましたね。」

魔法具商店のテイラーが言う。

「そうか・・・どのくらい知られておる?」

「ここの4名と家具屋の人達と・・・街の半分では?」

「そうか、早いの。

 と、始まる様じゃの。」

と男たちは模擬戦を観戦し始めるのだった。


------------------------

ハロルドの「始め!」の合図とともに武雄はアリスとの中間地点に「アクア×5、エクス×5、フロスト×5 」を発動。

自身を姿を隠し、しゃがみ込んで射撃の体勢を取る。

霧はすぐに晴れてアリスが警戒しているのがわかると左太ももを狙い撃つ。

「パン」と音と共に「キンッ」と弾かれる音がし、やっぱり弾かれたか・・・と思う。

と、アリスが驚愕の表情から怒りの表情に変わり全身からの迫力が変わる。

圧倒的であり、体を押さえられている様な感覚・・・

無意識に武雄は震えていた。怖いのか、武者震いなのか・・・

「これが・・・魔眼か・・・」

武雄が呟くと同時にアリスが左側から走り込んでくる。

速い!・・・が見えなくはない。

武雄は、しゃがんだまま小銃の両端辺りを持ち、左に構えるとアリスが木剣を振りかぶっていた。

「シールド×10 小銃前」と発動しアリスの剣を受け止める・・・はずが。

「パリンッ」と音がして「ガキっ!!」と共に小銃に圧力がかかる。

武雄は慌てて「プロテス×15」を小銃にかけ、「ぐっ・・・」と武雄は歯を食いしばり持ちこたえる。

とアリスは驚愕の表情をし、その場を離脱。武雄と距離を取る。

武雄は立ち、アリスの様子を伺う。

武雄は顔には出していないが、「シールド×10」を破壊されたことに驚いていた。

・・・これはどうすれば・・・と武雄は考え始めるのだった。


------------------------

アリスは、武雄が霧を作ったので、突貫してくるのだろうと身構えた。

しかし、霧が晴れた瞬間、武雄がしゃがんで小銃を構えていた。

「しまった!」アリスは焦る。

「剣の打ち合いはしないとわかっていたのに!」と思うが、武雄はすぐに引き金を引いた様で「パン」と音と共に左太ももを弾丸が当たる・・・が「キンッ」と音と共に弾く。

当たった箇所は、ほんの少し凹みが出来ていた。

「タケオ様は本気だ・・・不味い!」とアリスは気持ちを変える。

先ほどの浮ついた感じではなく。本気で対戦しないと自分が負けると覚悟をする。

覚悟をすると自身の体が今までよりも軽くなった様に感じた。

と、武雄に切りかかる為に走り、近づく。

武雄は、まだ射撃の体勢のままで、しゃがみ込んでいた。

・・・右から薙ぎ払えば吹き飛ぶはず!と振りかぶった時、武雄が小銃を盾にするように構える。

アリスは盾にした小銃ごと吹き飛ばそうと剣を打ち込む。

と、何か物を打ち抜く感覚の後、「ガキっ!!」と武雄の小銃に当たる。

が、最初の何かを打ち抜いた時に威力を殺されたらしく武雄はアリスの想定通りに吹き飛ばなかった。

このままでは不味いと一旦、距離を取り、武雄の様子を見る事にした。


武雄は立ちあがるが、相変わらず表情からは感情がわからなかった。

距離を取り改めてアリスは思う。吹き飛ばすつもりで剣を振るったのに受け止められた。

・・・これはどうすれば・・・とアリスは考え始めるのだった。


------------------------

「「「「おおおおおおおおおおお!」」」」

と観衆から歓声が上がる。

しかし、今の二人にはそんな声は聞こえていなかった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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