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第111話 夕飯ができましたよ。

「アリスお嬢様、もうすぐ夕飯ですよ。」

とベッドに寝ているアリスの肩をポンポン叩いて起こす。

「ん・・・タケオ様?」

と、アリスは上体を起こしてくる。

「良く寝ていましたね。」

「えーっと・・・あれ?タケオ様の書斎で寝ていましたよね?」

アリスはキョロキョロ見ながら問いかけてくる。

「ええ、気持ち良さそうに寝ていましたね。

 途中、料理長が私を呼びに来たので、ベッドに移動させました。」 


「・・・ずっと寝ていました。」

アリスは少しガッカリする。

「ふふ、体はスッキリしていますか?」

「ええ、とても良い感じです。」

「それは良かったです。お茶を用意しましたよ。」

と武雄はアリスをベッドから起こし、テーブルに誘導する。

アリスはテーブルに着くとお茶を口にしてホッとしているようだ。

「タケオ様の料理は終わりましたか?」

「はい、簡単ですからね。

 味見はフレデリックさんと料理長にしてもらいましたが、驚いていましたね。」

「そんなにですか!?」

「私的には家庭料理を出しているだけですので、驚かれる方が逆に驚きますが。」

「そういう物なのですか?」

「まぁ私のいた所は食を追求するのが好きな文化でしたしね。」

「追及・・・ですか?」

「なんだか・・・鬼気迫ってしまう言い方をしてしまいました・・・

 食材を美味しく頂くのを楽しむ文化ですね。」

「へぇ・・・わかりません。

 食べ物は美味しいですよ?」

「はは。私も言っていてなんですが、わかりづらくなりましたね。

 まぁ美味しい物が大好きなのですよ。」

「そうですか。」

と執事がきて、夕飯の支度が整ったと知らせてきた。

「では、食堂に行きますか。」

「はい。」

とアリスと武雄は一緒に食堂を目指すのだった。


------------------------

「遅いのじゃ。」

武雄とアリスが食堂に着くなり、エルヴィス爺さんは言い放つ。

「・・・開口一番、何口走っているのですか?

 ちゃんと時間通りでしょう?」

武雄は冷静に突っ込む。

「・・・新しい・・・タケオの考案したレシピじゃぞ?

 今日一日は、これで頭がいっぱいじゃったわ!」

エルヴィス爺さんはそう言い、先に着いていたスミスも頷く。

「・・・そんなに期待されても・・・ただの家庭料理ですよ?」

「家庭料理じゃろうが、宮廷料理じゃろうが新しいのは新しいのじゃ。

 タケオの考案する料理は、ハズレはないしの。」

「今の所はですよ?全てが口に合うとは思いませんが?」

と料理が運ばれ、皆の前に個別に置かれる。


「じゃあ、簡単に説明を

 左の器にあるのが『ポテトサラダ』です。

 茹でたジャガイモを潰して各種野菜とマヨネーズで和えています。

 右の器にあるのが『マカロニサラダ』ですね。

 茹でたマカロニに野菜とマヨネーズを和えています。

 真ん中左の器が『タルタルソース』です。

 お好みで揚げ物に付けて食べてください。

 あと真ん中右の器がサラダドレッシングです。

 これはマヨネーズにトマトソースを入れています。」

「・・・食べて良いかの?」

「どうぞ。」

武雄の「ど」辺りから皆が食べ始める。

どんだけ楽しみだったんだ・・・

エルヴィス爺さんとスミスは満面の笑顔で一心不乱に食べている。

アリスはマカロニサラダを一口食べると武雄を見て目を見開き驚いている。

さらに他のにも手をだし、驚きながら食べている。

「お気に召しましたか?」

「「「・・・」」」

皆、無言でコクコクと頷くだけだった。

「今回も喜んで頂いたようですね。」

と武雄は微笑み、食事をするのだった。


------------------------

夕飯後、客間にエルヴィス爺さん、アリス、スミスと武雄が移動する。

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

「それにしても今日の夕飯は絶品だったのぉ。」

とエルヴィス爺さんは言い、武雄を除く皆が頷く。

「ポテトサラダとマカロニサラダ、合わせる具材が違うだけであんなに食感が変わるのですね。」

スミスが感想を言い。

「タルタルソースも良かったですね。

 揚げ物に合っていました。他の揚げ物にも合いそうですね。」

アリスも感想を言う。

「今回のタケオ様のレシピは、コスト的にそんなに高くならないのも良いですね。

 これなら頻繁に出せそうです。」

フレデリックが感想を言う。

「でも大量に卵を使ったので、単品のコストは少し高くなってしまいましたか?」

「そうですね、若干ですが上がりましたね。

 でも問題ない範囲ですよ。

 タケオ様の所では卵の価格はどのくらいだったのでしょうか?」

「そうですね。ここでの1個の価格はどのくらいですか?」

「銅1枚でしょうか。」

「高いですね!私のいた所は、銅2枚で10個くらいですよ。」

「それは安いですね。」

「養鶏農家という大規模に卵を納める業者がいましたのでね。

 大量に安定供給をされていました。国民食と言っても過言ではないくらい卵料理は食べていましたね。」

「タケオ様、大規模とはどのくらいですか?」

アリスは疑問を言ってくる。

「最低でも数万羽の鶏を飼っていましたね。

 それが何百農家ありましたし。」

「・・・相当、土地が広くないとできませんね。」

「?・・・いえ、そこまでは広くないと思いますが・・・

 建物の中に隙間なく鳥かごを設置して、その鳥かごの中で飼うのが一般的でしたよ?

 もしくは専用の小屋を用意して数千羽を飼うとかありましたね。」

「それは・・・病気とかは平気なのでしょうか?」

「どうしても防げない時もありましたが、基本的に衛生面はしっかりと管理していましたね。

 卵は栄養価も高いので、安いのはありがたかったですね。」

「そうなのですね。」

とアリスは頷く。

「主、これは。」

「うむ。タケオ、その話もう少し詳しく聞けるかの。」

「わかりました。」

と武雄は話し始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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