第107話 6日目終了。部屋に戻って寝るかな。
「さて寝るかの」とエルヴィス爺さんの言葉と共に皆が客間を出ていき、武雄とアリスも寝室に戻って来た。
「今日選んだ家具が来るのが楽しみですね。」
「私的には、楽しみよりもアリスお嬢様がぐっすり寝れるかが心配なんですけど。」
「タケオ様は寝れそうですか?」
「私は使っていたのが、あの感じなので、たぶん平気でしょう。
それに隣に綺麗なお嬢さんが寝ているだけで幸せなのです。
これ以上、何を望めと?」
「ふふ、ありがとうございます。」
「こちらこそ。
と、お風呂にお湯を張りますかね。」
「誰かしてくれているのでは?」
「あぁ、断りました。
お湯張りは重労働でしょうから、私がいる時は私がしますと言いましたよ。
掃除はお願いしましたが。」
「あら?別に構いませんのに?」
「いえいえ、薪をあまり消費させるのも悪いですからね。
昨日の温かさで良いですか?
それとも少しヌルくして、長めに入りますか?」
「少しヌルくでお願いします。」
「わかりました。」
武雄はお風呂場にいく。
アリスはお風呂の用意をしながら「昨日より長く入っても良いのかしら?」とワクワクしながら待つことにした。
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武雄は寝室に戻ってくるとアリスはベッドで寝転がっていた。
「アリスお嬢様、お風呂の用意ができましたよ。」
「わかりました。」
とアリスはベッドを降り、扉に向かう。
武雄の前まで来て。
「一緒に入るのはダメですからね。」
アリスは先手を打ってくる。
「・・・言いませんよ。」
武雄は観念した様に言う。
「ふふ。では、いってきます。」
アリスはお風呂場に行くのだった。
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アリスと別れた後、武雄は書斎に行き。
「アリスお嬢様は長めに入ると言っていたしなぁ」
と、とりあえず、小銃の木箱が重ねられているところに座り、キセルを吸ってのんびりしていた。
「家具は明日来るはずだし、この荷物は一端、寝室側のドア付近に置いておくか」と木箱と小銃立てと雑貨を扉の横に移動させる。
移動し終えると書斎内をウロウロしながら
机はここで・・・
イヤ、窓際に・・・
窓を背にして廊下側を向いて・・・
壁を背にするのもありか・・・
と室内のイメージを作っていく。
と、寝室側の扉がノックされ「タケオ様。います?」とアリスが入ってくる。
意外と時間が経っていた様だ。
「いますよ。お風呂はどうでした?」
「気持ち良かったです。」
アリスはニコニコだ。
「じゃあ、髪を乾かしますか。」
と武雄とアリスは寝室に戻っていった。
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昨日の様にアリスの髪を武雄は軽く乾かしていく。
「タケオ様は、書斎で何をしていたのですか?」
「机と本棚の配置を考えていたのですよ。」
「あのぐらいの大きさの部屋なら一番奥に机で壁際に本棚が一般的ですよ。」
「ですよね。」
「ええ。
でも違う風に置こうかと思っているので?」
「部屋中央の壁際に背を向けて机を置いて、本棚を奥の窓際に。さらには机の前に三人掛けのソファと小さいテーブルを配置するのもありかな?・・・と」
「?・・・部屋が長方形ですから奥の本棚に行き辛くなりませんか?」
「・・・ですよね。
部屋を二つに割ったらどうだろう?と思ったのですが。
奥の寝室側に本棚、廊下側に小物と小銃で分けて、真ん中に机とソファがある構図を考えてみたのですけどね。
行き来が出来なくなりますよね。
やはり奥に机を廊下側に向けて配置して壁に本棚、机の前にソファと小机で良いでしょうかね。」
「あれ?でも、ソファを買いませんでしたよね?」
「ええ。机と本棚だけでも部屋がいっぱいになるかも・・・と思ったので買いませんでした。
明日、実際に置いてみて確認しますね。
置けるスペースがあればソファもしくは椅子と小机を見に行きますかね。」
「急ぐ必要はないでしょうからね。」
「ですね。配置した際の部屋の雰囲気も見ないといけませんしね。
と、終わりましたよ。
私はお風呂にいってきます。」
武雄はアリスから離れ、風呂場に向かう。
「はい、ごゆっくり~。」
とアリスは送り出す。
「明日は乗馬と小銃の練習と家具の入れ換えかな?」
と思いながらベッドにゴロンと横になるのだった。
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武雄が風呂を上がり寝室に戻ってきた。
ドアをノックしても返事がないので「寝たか」と思って、静かに入ってきたのだが・・・
「布団も掛けずにうつ伏せで寝ているとは・・・」
アリスの状態を見て、武雄は溜め息を漏らす。
「苦しくないのかな?」
素直な感想を思い付く。
このままにするのも風邪を引きそうだし、仰向けに寝せようと、布団を半分めくり、めくった方にアリスをゴロンと半回転させる。
「起きませんね・・・それにしても気持ち良さそうに寝て。」
とアリスは移動させられてもスヤスヤ寝ている。
そんな寝顔を武雄は、にこやかに見ながら毛布をかける。
「ん・・・にゅ・・・」
変な声を出すアリスに苦笑しながら、武雄も布団に入る。
「おやすみなさい。」
と武雄も眠りにつくのだった。
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