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第105話 6日目終了。夕食後の報告会。(ベッドの良し悪し。)

武雄以外の全員が驚いていた。

「皆さん、どうしました?」

「いえ・・・初めて聞きましたので。」

とアリスは言う。

「では、アリスお嬢様、1つ目のベッドを覚えていますか?」

「はい。」

「あれは寝心地はどうでしたか?」

「仮眠したら腰に張りがありました。」

「でしょうね。」

「ん?タケオは見てわかったのかの?」

「アリスお嬢様が横になっているところを見ていましたが。

 お尻の部分だけ沈み込みが大きかったのです。

 それだと腰への負担が・・・そうですね、スミス坊ちゃんで検証しましょう。

 スミス坊ちゃん、すみませんが横になってください。」

「はい」

とスミスは大人しく横になる。

「では、すみません。フレデリックさん、スミス坊ちゃんの足を10㎝くらい上げて貰えますか?」

「畏まりました。」

とフレデリックはスミスの両足を上げる。

武雄はスミスの脇に手を入れ、上半身を上げる。

「こんな感じで寝る事になるのです。

スミス坊ちゃん、感想は?」

「う・・・辛いです。」

「寝ている間、腹筋運動してたら筋肉がコチコチになるでしょうね。

 これが腰痛の原因です。」

「うむ、わかりやすいの。」

「ええ、わかりやすいですね。」


「では、ついでに、あの柔らかいベッドの検証をしましょうか。

 アリスお嬢様、柔らかいクッションはありますか?」

「はい、こっちに背もたれとしてあります。」

と武雄に渡してくる。

「では、全体がふかふかのは、さっきと同じことが言えます。

 全体的に沈み込む様に見えますが、体で一番出ている部分、お尻が一番沈みます。

 と、さっきの状態ですね。」

とスミスの足と上半身を上げる。

「さらに全体が柔らかいので、枕分、首が内側に倒れます。」

武雄はスミスの頭の後ろにクッションを入れ少し前に押す。

「つまり、腰にも負担がきますが、首への負担も増します。

 あと呼吸にも影響を及ぼしかねません。

 スミス坊ちゃん、感想は?」

「く・・・苦しいです。」

「うむ、わかりやすいの。」

「ええ、わかりやすいですね。」


「では、最後に今回選んだ固めのはどうかと言うとですね。」

スミスを横に寝かす。

「この状態なのです。」

「うむ、問題なさそうだの。」

「いえ、問題はあります。」

「この状態では、立っているときの姿勢と違っているのです。

 スミス坊ちゃん、この状態で「気を付け」状態に。」

「はい。」

とスミスは全身に力を入れ「気を付け」をする。

「上手いですね。

 わかりますか?

 腰部分と首部分に隙間があるのが。」

「うむ。」

「はい。」

「ええ。」

エルヴィス爺さん、アリス、フレデリックはスミスを見ながら確認する。

「では、スミス坊ちゃん、力を抜いて良いですよ。」

「ふぅ」

スミスが力を抜く。

「どうです?違いがわかりますか?」

「腰と首がぴったりと床に着きましたね。」

アリスが答え、あとの二人も頷く。

「つまりですね。

 この状態でも腰と首に負担がかかるのです。

 理想は、あの姿勢を取らせること。

 この状態ならタオルや枕である程度調整すれば、快適な睡眠が得られると考えたのです。」

「あ、だから2つ目のベッドで仮眠する時、柔らかい枕で首のあたりを厚めにしたのですね。」

「ええ、良くわかりましたね。」

「違和感が凄かったですもの。でも目覚めはスッキリしましたね。」

「体への負担が軽減されたのかもしれませんね。体も楽だったのでしょう。」

「そうだったのですね。」

「アリスそんなに違ったのかの?」

「良く寝た!って思えますね。」


「えーっと、薄めのタオルは2個ありますか?」

と武雄が言うとフレデリックが持ってくる。

武雄は、スミスの腰部分と首部分にタオルを入れる。

「スミス坊ちゃん。変わりましたか?」

「はい。若干、楽になった気がします。」

「ほぉ、そんなにすぐにわかるのかの。」

「ええ。ただし、最初は慣れていない為、もしかしたら起きたら若干の違和感があるかもしれませんね。」

「ん?なぜじゃ?」

「今の今まで力をかけて寝ていたのがいきなり力を入れないで寝れるのですよ?

 違和感があるとは思いますね。」

「なるほどの。」

「エルヴィスさんもしてみます?」

「うむ、する。」

とエルヴィス爺さんはスミスのいた所にきて仰向けに寝る。

武雄はスミスにしていたように腰と首の所にタオルを差し込む。

「ほぉ、なるほどのぉ。」

とエルヴィス爺さんは感心した様に言う。

ついでフレデリックも体験する。

「ほぉ。」

と感心した様に頷く。

「実際、1~3cm程度の凹凸でしかないのですが、差が出てしまいますね。」


「ちなみにタケオ様、この考えを普及させることは可能ですか?」

フレデリックが聞いてくる。

「いえ。フレデリックさん、それは難しいかと。」

「なぜです?」

「まず信じて貰えるかという所と、

 ベッドの構造でこれを実現するにはマットレスの改革が必要だからです。

 ベッドを見ていて気になりましたが、たぶん今の仕様は面でスプリングが入っていますね?」

「はい。」

「私のいた所のスプリングは、点なのです。

 縦にスプリングが並べられているのが普通なのです。」

とメモ帳に簡単に書く。

「ほぉ・・・確かに・・・これはかなりの時間と費用が掛かりそうですね。」

「ええ。この縦式スプリングの開発は結構、大変だと思うのです。

 いろんな硬さを試作し、ベッドの試作も何十、何百とするとなると・・・

 実現に2、30年かかっても仕方がないでしょうね。」

「そうですね。」

「なので、今は割と固めなベッドを使って、何かタオルの様な物を作って対応するしかないと思うのです。」

「うむ、そうじゃの。」

エルヴィス爺さんは頷く。

「フレデリックさん、ベッドの交換時期は10年程度ですか?」

「そうですね。では、その際に他のベッドも変えてみましょう。」

「それが良いと思います。

 本人がどうしてもふかふかが良いと言うなら無理強いはできないですが・・・

 仮眠しただけでも結構わかると思うので、仮眠させて体のダルさ等々を確認してから決めるのが良いですね。」

「わかりました。」



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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