第104話 6日目終了。夕食後の報告会。(今日の武雄の行動。)
武雄とアリスは、もうすぐエルヴィス邸に着くところまで来ていた。
「アリスお嬢様、少し時間がかかってしまいましたね。」
「ええ、途中で雑貨屋に寄ったのが原因ですね。」
「いや、紙とペンを買いに行ったつもりだったのですが。
ついでにあれもこれもと買い過ぎちゃいましたね。」
「そうですね。雑貨屋は時間が経つのが早いですよね。」
武雄とアリスは苦笑しながら歩く。
と、エルヴィス邸に到着した。
玄関を入るとフレデリックが丁度いた。
「おかえりなさいませ、アリスお嬢様、タケオ様。」
「ただいま、フレデリック。」
「フレデリックさん、お疲れ様です。戻りました。」
「お二人以外は夕飯を済ませており、
今は客間にいらっしゃいます。」
「そうですか。
では、私達も夕飯を摂ってから客間に向かいます。」
「畏まりました。」
とアリスと武雄は食堂へ向かった。
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客間のドアをアリスがノックする。
中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開けアリスと武雄が入室する。
中にはエルヴィス爺さんとスミス、フレデリックがいた。
「お爺さま、戻りました。」
「エルヴィスさん、戻りました。」
「アリス、タケオおかえり。」
「スミス、戻りました。」
「スミス坊ちゃん、戻りました。」
「おかえりなさい。」
とアリスと武雄も席に着く。
フレデリックがお茶を入れ、二人の前に置き、皆から少し後ろに下がる。
「さて、アリスから今日のタケオの報告でもしてもらおうかの。」
「わかりました。
午前中はタケオ様に乗馬を教えていました。
乗る、進ませる、止まる、降りるの反復をしていました。」
「うむ。タケオ、どうであった?」
「いや、馬って大きいなぁっと思いましたね。」
「変な感想じゃの。」
「ええ。タケオ様、その感想はちょっと変です。」
「いえいえ。馬との生活が当たり前の人達からすれば変ですが、
馬がいない生活の人からだと当たり前の感想ですよ。」
武雄は苦笑する。
「そういう物かのぉ。」
エルヴィス爺さんは、そんな感想を言う。
「とりあえず、馬に乗れて動かせたのが感動しましたね。
最初は動かなかったらどうしようっと思いましたから。」
「うむ、まずは1歩だの。」
「ええ。」
「で、その後、城門外の演習場で小銃の練習をしました。」
「ほぉ、どうであった?」
「50m先の木を目標にタケオ様が40発中36発の命中。私が10発中8発の命中でした。」
「アリスもしたのかの?」
「はい、面白かったですよ。」
「その後、魔法具商店によって、
小銃と弾丸の追加がありましたよね?」
「はい。弾丸を集める依頼の中で不良在庫の小銃も買うと交渉して貰ったら、
4丁も追加されましたね。
弾丸の追加は600発だそうです。」
「夕方、仕立て屋のラルフと魔法具商店のテイラーが来た際に小箱を持ってきましたので、
タケオ様の書斎に運んで置いておきました。」
「ありがとうございます。」
「うむ。タケオの手元には、今いくつあるのかの?」
「小銃は7丁持っていて、その内2丁は改造中です。
弾丸の方は現在残り740発となっています。」
「うむ、今後はどうなる予定じゃ?」
「この近辺での流通数はあと5丁です。
この数は魔法具商店のテイラーが仕入れ先で確認している物ですので、ほぼ確実かと。
なので、最大で5丁増えます。最低は0ですね。
弾丸数についても0~300発で増加が見込めます。」
「うむ、上々だの。」
「予想より良い結果になっています。」
「で、家具屋に行って、ベッドとタケオ様の書斎の家具を決めました。」
「うむ、良いのがあったかの?」
「はい。私的にはスッキリと寝れるのを選べたと思うのですが・・・」
「ん?どうしたのじゃ?」
「タケオ様?なんでタケオ様は一回もベッドに触れなかったのですか?」
「・・・あれ?そう言えば触ってもいませんでしたね。」
武雄は苦笑する。
「ええ。私だけでよろしかったのですか?」
「構いませんよ。アリスお嬢様の体に合うのを探そうと思っていましたから。
私は問題ありません。」
「ちなみに私が選んだのは、少し硬めのベッドでしたが、問題ないですか?」
「ええ。私もあの中では、それしかないと思いました。」
「うむ、柔らかいのではないのかの?」
「ちなみにここでは、どんなのが主流なのですか?」
「うむ、貴族では柔らかいのが豪華と見られているの。」
「なるほど・・・だからあの異様な柔らかいベッドがあったのですね。」
「え?異様なのですか?」
スミスが質問する。
「はい。私の所では、柔らかいベッドは好まれません。
腰痛や肩こりの原因になると言われています。
理想は・・・スミス坊ちゃん立って貰えますか?」
「はい。」
「では、横を向いて。」
「はい。」
とスミスは言われた様に横を向く。
「この姿勢を維持することが理想とされます。」
「「「「え?」」」」
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