第101話 魔法具商店に届け物。そして家具屋に到着。
9時課の鐘が鳴っている。
武雄とアリスは魔法具商店に着き、中に入ると、
「アリスお嬢様、キタミザト様、いらっしゃいませ。」
「ええ。」
「お邪魔します。」
とアリスと武雄は返事をする。
「丁度良かったです。」
「どうかしましたか?」
店員の言葉に武雄が答える。
「えーっと・・・まずは今日の夕方に仕立て屋のラルフさんとエルヴィス伯爵邸にお邪魔して、
注文書と請書を提出します。」
「わかりました。」
「で、次が問題なのですが。
弾丸の収集の件です。」
「まだ頼んで2日ですが?やっぱりダメでしたか?」
「逆です・・・キタミザト様の考え通りに事が進んでいます。」
「・・・なんで?」
武雄が驚きと共に疑問を口にする。
「いやいや。タケオ様、なんでそこで疑問形になるのです?」
アリスが突っ込む。
「いや、実はですね。
弾丸の収集と並行で小銃を銀6枚で譲れるか?と交渉して貰っていたのですが・・・
正直、銀6枚は少ないから集まらないと思ったのですけど・・・」
「私もそう思っていました・・・
ダメもとで小銃1丁と弾丸の全部を金1枚で譲って欲しいと書いたのです。
そしたら・・・」
「・・・小銃と弾丸を全部送ってきたと?」
「・・・はい」
「現在、どのくらい来ていますか?」
「2軒から回答が来ていて、小銃4丁、弾丸600発がこちらに届いています。」
「支払いは?」
「小銃1丁+弾丸セットで金1枚としての交渉なので、現在金4枚を支払いました。」
「買い取り予算は、あと金1枚しかないですね。」
「・・・はい。」
「あと何軒に声をかけましたか?」
「あと4軒ほど。」
「すべての店が小銃を持っていると思いますか?」
「はい。これを買う際に仕入れ先に集まっていた皆で話し合ったので。」
「なるほど。だから同業者をターゲットにと最初に言ったのですね。」
「はい。」
「最大総数は?」
「残り5丁です。」
「わかりました。では金4枚を置いていきます。」
と武雄は金4枚を机に置く。
「全部来ちゃいますかね?」
と武雄は苦笑する。が。
「いや、ここまですんなり来てしまうと最後までいくかもしれません。」
と店員も苦笑する。
「では、弾丸と小銃に肩紐を取り付けられるように加工をしてエルヴィス伯爵邸まで持ってきてください。」
「わかりました。」
と、武雄はふと店内を見回す。
「どうしました?」
「いや、銃を立てかけられる物があればなぁっと思ったのですが。」
と見ていた中で剣が立てかけられているのを見つける。
武雄は、剣をどかし小銃を立てかけ。
「これ良いですね。」
「え?そんなので良いのですか?」
「木で簡単に作られていて良いではないですか。
これください。
肩紐用の加工とコレの費用はいくらですか?」
「それ売り物じゃないんですけど・・・
・・・銀2枚で結構です。」
「わかりました。」
と武雄は支払いをする。
「あ、あと使用済み薬きょうを持ってきました。」
と、さっきの50個を出す。
「では、よろしくお願いします。」
と武雄は席を立ち、アリスと共に店を出るのだった。
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武雄とアリスは家具屋に向かっていた。
「タケオ様、何も言わずに使用済みの弾丸を置いて行って問題ないのですか?」
「ん?あの店員ならわかるでしょ?
いらなかったら捨てて構いませんし。
それに薬きょうをエルヴィス伯爵邸から捨てるのは今は早いでしょう。」
「そうなんですか?」
「ええ、まだ悟られたくないですから。
武器屋からでるならあまり不自然ではないでしょう?」
「まぁそうでしょうね。」
「ふふ、用心はするべきです。
今は・・・ね。」
と、武雄は言うのだった。
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そんなことを話していると二人は家具屋に着き、中に入る。
「アリスお嬢様、いらっしゃいませ。」
と店員が言ってくる。
「ええ、今日は私たちの家具を見に来ました。」
「タケオ・キタミザトと言います。」
・・・
・・
・
店員は、しばしフリーズする。
と、
「て・・・店長を呼んできます!」
と一端、奥に行ってしまう。
武雄とアリスは顔を見合わせて苦笑しかできなかった。
・・
・
しばらくして、店長が慌ててこちらにくる。
「ア・・・アリスお嬢様!何やら吉報とのことで!!!」
ゼーハー言っているが気にしないでおくか?
と武雄は思うが。
「店長さん・・・私たちは逃げませんよ?
落ち着いてください。」
とアリスが突っ込む。
「はい、申し訳ありません。息を整えます。
・・・はい。もう平気です。」
「では、改めて私たちの家具を見に来ました。」
「アリスお嬢様、おめでとうございます。」
「ええ、ありがとう。
こちらが婚約者の。」
「タケオ・キタミザトと言います。」
と武雄が言うと、
「キタミザト様、この度は、アリスお嬢様を娶っていただきありがとうございます。
我ら街の住民は心配していたのです。
本当にありがとうございました。」
と深々と頭を下げる。
「ちょ・・・ちょっと店長!?それはどういう意味!?
街の皆が心配って!?」
アリスは顔を赤くして言う。
「・・・怒りません?」
「もう十分に怒っていますが?」
店長のビクビク感のある問いにアリスは真顔で答える。
「まぁ、店長・・・アリスお嬢様は、私が抑えますから・・・」
と武雄は言う。
「では・・・」
店長は話し始める。
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