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第96話 5日目無事終了・・・お風呂はかけるだけか・・・新しい寝室へ。

トレンチコートは皆が気に入り。

エルヴィス爺さん、スミス坊ちゃん、フレデリックさんの3人も明日には作りに行こうと話していた。

そして、「さて寝るかの」とエルヴィス爺さんの言葉と共に皆が客間を出て行った。

武雄とアリスも新しい自室・・・寝室に向かっている。

もちろんアリスが先導して。


「タケオ様、こちらがトイレで、あちらが湯浴み場ですよ。

 今までは使っていなかったですが、これからは使いましょう。

 私たちの部屋の近くにありますからね。」

武雄達の寝室からすぐの所に湯浴み場もトイレもあった。

至れり尽くせりな様だ。

「なるほど。

 湯浴み場というのがあるのですね。

 ・・・湯浴みってなんでしょう?

 お湯を浴びれるのでしょうか?」

と武雄は感心と素朴な疑問を言ったのだが・・・

「・・・え?・・・あれ?・・・タケオ様。

 湯浴み場を知らないのですか?

 今日までどうしていたのですか?体を綺麗にする方法は?」

アリスは驚いて歩みを止めて聞いてくる。

「桶に水を入れて、タオルで拭いていましたが?」

「・・・タケオ様、誰かに聞かなかったのですか?」

アリスはガックリと肩を落とす。

「いや、体を拭くのが普通なのかなぁ?っと思ったので聞かなかったのですが。

 違ったのですね。」

と武雄は苦笑する。

「うぅ・・・我が家はお客様に対してなんてことを・・・」

とアリスは頭を抱えている。

武雄はそんなアリスを苦笑しながら、湯浴み場に入って行く。

中は武雄の感覚でワンルームマンションの浴室と同じ様な感じだった。

服を脱ぐ場と小さな浴槽があるだけの簡素な物だった。

「アリスお嬢様、ちょっと聞いて良いですか?」

「はい、なんでしょう?」

武雄の後ろをついてきていたアリスが言う。

「基本の確認ですが。

 この大きい桶・・・浴槽にお湯を溜めるのですよね?」

「そうですね。というかタケオ様の所では『ヨクソウ』と言うのですね。」

「ええ、そう言いますね。で、お湯はどこから持ってくるのですか?」

室内には蛇口がなかった。

「メイドがお湯を持ってきますが?」

・・・武雄はお湯張りをしている光景を想像をするが、大変な労力だろうと思えた。

「・・・そうですか。

 で、お湯を溜めて・・・その後は?」

「??タケオ様の聞きたいことがわからないのですが?」

「えーっと、浴槽に浸かって良いのか?それとも体にかけるだけなのか?2通り出来ると思うのですが?」

「他の方も使うので基本的には、体にかけるだけですね。」

「浸からないのですか?」

「そうですね、あまり浸からないですね。

 お湯は作るのも大変ですので。」

「・・・そうですか。

 湯を浴びて、複数の人が入ったとして、お湯はどうやって捨てるのですか?」

「ここの栓を抜くとお湯が抜けます。」

と浴槽の底の栓をアリスが取る。

「ほぉ・・・ん?この浴槽使っていなかったのに綺麗なのですね?」

「今日の引っ越しの際に綺麗にしていましたよ。」

「なるほど。」

「でも、今日は違う所の湯あみ場を使うしかないでしょうね。

 これからお湯を溜めるのは大変でしょうし。」

「ああ。では、後で私がしますね。」

「タケオ様がお湯を持ってくるので?」

アリスは「そんな事はさせませんよ?」という顔で見てくる。

「いや、アリスお嬢様。昨日の昼間見たでしょう?

 私の魔法でお湯を作るところを。」

と武雄は苦笑する。

「あ・・・なるほど。」

「寝る前に入りますか?

 貯めるのにどのくらい時間がかかるかわかりませんので。

 少し時間はいただきますが。」

「はい!お願いします。」

アリスは嬉しそうに言うのだった。


------------------------

武雄とアリスは自分たちの寝室に着いたのだが・・・

「これは・・・」

武雄は言葉をなくす。

ヨーロッパのお城特集で見るような意匠が凝られた部屋だった。

「タケオ様、すみません。あまり豪華ではなくて。」

アリスは武雄の言葉に謝る。

「いえ、逆なんですが・・・

 豪華すぎて・・・私はここで寝て良いのですか?」

「・・・このぐらいで豪華ですか?

 タケオ様は王都に行ったらどうなってしまうのでしょうね?」

アリスは苦笑する。

「たぶん緊張で寝れないので寝不足になると思いますね。」

武雄は違う意味で苦笑する。


とりあえず室内を見て回る事にした。

まずは、扉の正面にあるベッドに行き、片膝で乗って柔らかさを確認。

「柔っ!」と内心驚くと同時に体は痛くならないか心配になる。

・・・まぁ「新しいのを買いに行く」と言っていたので、その時に相談しようと思った。

次はベッドから見える部屋の両脇にある扉が気になる。

「アリスお嬢様、別室があるのですか?」

「三部屋あるのですが、部屋の一つは私とタケオ様の衣装部屋。

 一つは私用に、一つはタケオ様用にします。」

「私に書斎をくれるのですか!?」

「はい。」

武雄は「やった!」と思った。

「タケオ様もいろいろ買いそうですからね。

 ここから見て左側、この部屋の前廊下、右側の扉がタケオ様の書斎ですよ。

 ちなみに、ここから見て部屋の扉のすぐ右が衣裳部屋。

 その右が私用です。廊下からだと左の扉ですね。」

武雄はアリスの説明を聞いてさっそく自分の書斎に行く。


中を覗くとガランッとして・・・いなかった。

なぜか武雄が買ってきた雑貨が部屋の中央に縦一列に綺麗に並べられていた。

「・・・これが前衛芸術と言うのか?」としばし考えてみるもわからない。

何かを意味しているのかさえも分からない。

考えてわからないなら聞くしかない。

「アリスお嬢様?」

「なんでしょう?」

「これは誰がしてくれましたか?」

武雄は指をさして聞く。

「私です。」

・・・新進気鋭の若手芸術家が武雄の後ろにいた。

「えーっと・・・これは何かを意味しているのですか?」

「いえ?ただ並べておこうと思っただけなので意味はないですね。」

武雄はホッとした・・・芸術家でなくて良かった・・・

気が付いたら寝室の壁が真っ赤になっていたとか、いつの間にか変な石膏像が置かれ始めたとか理解が及ばなそうな事にならなくて良かったと心底思った。


武雄の書斎は、総石作りの部屋で広さ的には長方形の6畳間くらいだろうか。

小さな窓もあり、この空間は居心地が良さそうだ。

本棚とか小銃を立てかける物とかいろいろ買わないといけないなぁと思う。

ベッドを決める時に物色するかと思い何気なく歩測で大きさを測る。

「タケオ様、隅を歩いて何をしているのですか?」

「いえ、大体の部屋の大きさを把握して、家具を決めようかと思ったのですよ。」

「メジャーで測れば良いですのに。」

「今は持っていませんからね。

 あとで紙に書いて、何が欲しいか考えますかね。」

と言い。アリスが並べた芸術作品をひとまとめにして部屋の隅に置く。


「あ、そろそろ、浴槽にお湯張りをしますね。」

武雄は湯浴み場へ向かうのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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