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第449堀:情報収集の一時報告と戦闘の結果

情報収集の一時報告と戦闘の結果





Side:モーブ




ちっ、思ったよりも動きが早かったみたいだ。

俺たちや霧華が調べを入れている間に、ランクスへの侵攻が確認された。

幸い、剣の国は動きを見せていないから、あのお姫様が単独で動いているとユキは判断しているみたいだな。

まあ、今のところだ。

だから、深夜であるにも関わらず、俺たちは起きて、静かに、ランクスで起こっている戦いの結果を待っている。

下手すれば、剣の国でもすぐに動きがあるはずだ。


「しかし、この動きの速さから考えると……」

「冒険者が行方不明の件はこの侵攻のために使われたとみるべきですね」

「くそっ!!」


ライヤとカースの会話を聞いて、俺は思わずそう叫んだ。


「おちつけ」

「そうです。気持ちはわかりますが、今は静かに」

「……すまねえ。つい」


俺はそう謝ると、2人とも、特に気にしていないといってくれる。


「仕方ないさ。誰だって故郷でこんな胸糞悪いことが起こってれば叫びたくもなる」

「ええ。その怒りを、ノゴーシュとビッツ姫にぶつけてやりましょう」

「ああ!!」


三人で笑いあう。

流石、俺の相棒たちだ。


「暑苦しいおじさまたちの友情はいいとして、もうちょっと声を抑えられませんか?」


気が付けば、霧華が開け放たれた窓に座っている。


「霧華。そっちはどうだ?」

「こちらはさっぱりです。そちらのように冒険者が大量に行方不明になっているわけではなかったので」

「こっちのことは言わなくてもよさそうだな」

「いえ。できれば詳しい説明をお願いいたします。あくまでも、冒険者が行方不明になっているだけですから。ギルドの方を直接探ったのなら、もっと詳しい内容があるのでは?」

「そうか、わかった。でも、城の方の監視はいいのか?」

「かまいませんよ。城内侵入は許可が下りていませんし、遠巻きに監視するしかできません。現在、ランクスの方へ侵攻をかけているお姫様の関係で、秘密裏に動くなら察しようがありません。逆に堂々と出撃するのであれば、城や町がざわつきますし、すぐにわかるでしょう」

「あー、そりゃそうだな。で、お姫様の方は確認が取れたのか?」

「いえ。私自身の確認はとれていません。ですが、ビッツ姫に似通った女性がノゴーシュと謁見しているという話は聞きました。ですがそれだけです。で、そろそろ、モーブさんたちの情報を聞かせてもらってよいでしょうか? 主様からの援軍がもうすぐ到着しますので、ある程度情報を整理しておきたいのですが」


霧華はそういって、こっちをにらみつけてきた。

あ、質問していたのは霧華だったな。


「すまん。そう睨むな」

「失礼しました。つい、いらいらしていまして。私の体目的のクズが多いもので」

「あー、なるほど」


納得、どっちの意味でも。

霧華はしっかり美人だし、こんな美人に話しかけられれば、そりゃー手をのばしたくなるだろうさ。中身を知らなければな。


「ま、気分を変えるためにも、話すとするかね。といっても、こっちも正直測りかねているんだよな」

「といいますと?」

「えーっと……」


なんて説明したものかと、少し悩む様子を見せると、ライヤが代わりに説明し始める。

正直助かった。


「当初はギルドもグルの可能性を考慮して、露骨に疑っているような行動をしていなかったんだが、逆に、すぐにギルドマスターの部屋に呼び出された」

「それは、普通にモーブさんたちを狙っていた可能性もあるのでは? すぐに呼び出すなんて露骨すぎるでしょう」

「その可能性も最初は疑ったが、どうも変なんだ。ギルドマスターはこの冒険者行方不明のことをよく把握していない様子だった。わざわざ、地図をだして、行方不明の地点を記録していたくらいでな。しかし、それもそのはず。そのほとんどが、クエストの場所が違っているからだ」

「……それはまた非効率ですね」


そう、俺たちを呼び出したギルドマスターはなぜ、冒険者たちが行方不明になるのかを測りかねていた。

何度か、集団で調査隊を派遣はしたが、何も成果はなく、ほとほと困っていたところに、俺たちがギルドを訪れたと聞いて、何かヒントでも得られればと思ったらしい。


「その関係で、俺たちはギルドの上層部が剣の国と結託しているというのはないと思った」

「まあ、それもそうなんですけどね。ギルドの方には、コールよりは質が下がりますが、各ギルドとすぐに連絡が取れる、魔道具が配備されています。それですぐに各地から援軍を呼び出せますから」

「話は理解できます、カースさん。しかし、その失態が露見するのを恐れて、協力というのは?」

「それなら、逆に情報封鎖が行われるでしょう。しかも、すでに各ギルドに応援要請も出ています。多数の冒険者の行方不明。これはギルドにとってはかなりの損失です。無論、ウィードのオーヴィクたちや、グランドマスターの方にまですでに連絡がいっていることの確認が取れました。そこで、私たちがこの地にいるということを聞いて、協力してもらえないかという話になったそうです」

「……なるほど。すでに、この事態は剣の国のギルド支部だけの話ではなくなっているのですね」

「ええ。すでにウィードの冒険者ギルドに各地から実力者の冒険者たちが集められています。それまでの、場繋ぎというのとは違いますが、少しでも別口から意見が欲しいとの話で、捜索は、ウィードからの援軍が来てからとのことです」

「その状況では確かに関与している可能性は低いですね。凄腕冒険者たちなら、主様のように意地が悪い仕掛けでもない限り、強い魔物や、ダンジョンも突破してくるでしょう」


霧華の言う通り、凄腕ってのは、多少の強い魔物や難易度の高いダンジョン程度で止められない。

俺たちが強くなりすぎているから、相対的に評価が低いだけであって、それが弱いというわけでない。

強い魔物が倒せなくても、意地をはって玉砕などする連中ではない。

何としても生き抜くタイプだ。それが、凄腕、高ランクの冒険者に必要だからな。

ユキのやつみたいな、常識をぶち抜いたダンジョンでない限り。


「……ふむ。ではその行方不明が出た場所を記録している地図は覚えていますか?」

「ええ。もちろん。というか写真をこっそりとってきましたよ。こちらです」


そういって、カースがテーブルの上にその写真を置く。

拡大しているから、結構大きい。


「これはまた。本当にバラバラですね。固まっていて、最大3つぐらいですか。これでは、どこを捜索していいのかわかりませんね」

「そうです。しかも、その3つが集中しているところも、すでに捜索隊を派遣しましたが、なにも見つかっていません」

「……本当に不思議ですね。これは効率が悪いどころではありません。可能性としては、即座にダンジョンの出入り口を作って、冒険者たちを引き込んだあと、すぐに元に戻すぐらいですが……」

「それをやる意味がみつかりません。ダンジョンを固定して発見させた方が、DPを集めるのにはやりやすいでしょう」

「その通りですね。……では、冒険者ギルドとしては、どういう可能性を考慮しているのでしょうか?」

「突然変異の魔物が生まれて、剣の国一帯をうろついている。あとは、犯罪組織による襲撃、というのが見解ですね」

「妥当ではありますね。犯罪組織というのは、あながち外れではなさそうですが」

「ええ。ある意味、犯罪組織の方が私たちも納得ができます。ギルドに対する怨恨での行動とわかりやすいですし、そういう集団は山ほどいるでしょう。クエストの多数失敗もギルドの信用を落とすのにもちょうどいいでしょう」

「……剣の国、ダンジョンとは無関係である可能性もあると?」

「それも考慮には入れるべきでしょう。流石に、この情報だけでは断定できません」

「そう……ですね。では、そちらはこれから冒険者ギルドの捜索隊に加わってという形でしょうか?」

「その予定です。ですよね、モーブさん」

「おう。難しい話はよく分からんが、オーヴィクたちと合流して調べた方が安全だからな」

「「「……」」」


あれ? なんか全員の視線が痛いぞ。


「……まあ、モーブさんはこれでいいのでしょう」

「ああ。あれのおかげで、こっちが余計なたくらみをしているとは思われないからな」

「ですね。そのおかげである意味動きやすいですから」


とりあえず、褒められているという風に思っておこう。


「しかし、もう結構時間がたったな。もうすぐ3時か……。ランクスの方はうまくいってるのかね」


気が付けば、そんな時間になっていた。

そもそも、その結果を待つために起きていたのだ。


「戦力報告からは、負ける要素は見つかりませんでしたが、不測の事態というのは往々にして起こりますからね」

「カースさん。主様に限ってはそのような事態も考慮しておられますから、敗走することなどありえません」

「まあ、そうでしょうね。ユキなら負けそうな戦いはしませんから」


だよなー。ユキはそんな勝負はしない。

必勝を確信して初めて動くタイプだ。

特に話すこともないので、各々適当に時間をつぶしていると、コールから連絡が来る。


『こちら、指令室。現在の戦況を報告します。なお、この通信は、主要作戦従事者全員に一斉にいっていますので、個々での返答はできません。報告後に各自連絡を願います』


そういって、エリスの声が一旦途切れる。

これから、ランクスの戦況報告がされるのだろうと、俺たち全員は感じて、静かにその時を待った。


『ランクスへ侵攻を開始した所属不明の魔物軍は、ミノちゃん将軍が構築した防御陣で対峙、進軍停止命令、及び攻撃警告を無視、よって、防衛戦を0240に開始しました』


大体20分前か。

となると、まだ戦闘中か?


『結果、一斉砲撃、および一斉射撃で、敵軍は崩壊。0250には敵の抵抗はなく、掃討戦に移行。その際に、指揮官と思しき人物を見つけて拘束に成功。0315に戦闘終息を宣言。ランクスの防衛は成功しました』


ああ、もう終わったのか。

砲撃とか射撃とか言ってるから、大砲とか銃を持ち出したのか。

そりゃー、無理だ。敵が保つわけがない。


『繰り返します。ランクス防衛は成功。待機していた人は各自持ち場に戻ってください。詳細報告は明日また連絡が来ます。以上、戦況報告を終わります』


とりあえず、今一番問題になっていたことは解決したわけか。


「流石、主様です。しかし、こうなると、私は徹夜ですね。城で何かしら動きがある可能性が大きくなりました」

「あ、そうなのか?」

「そうですよ。エリスさんの報告で、ダンジョンマスターの軍と思しき侵攻軍が壊滅しました。協力体制にある剣の国に何らかの動きがあるのは簡単に予想が付きます。私たちも、ギルドへの何かしらの動き、働きかけがあるかもしれませんから、ギルドの方に向かいましょう」

「よし。わかった。霧華も無理するなよ」

「ええ。もちろんです。そちらもお気をつけて。ではお先に失礼します」


霧華はそういって、また窓から飛び出していく。


「しかし、今日は寝られないか」

「仕方ないだろう。だが、ギルドに行く理由はどうする? まだ何も起こっていないのにギルドに向かうというのは怪しまれると思うが?」

「……そうですね。それはライヤさんの言う通りまずいですね。とりあえず、このまま部屋で起きて待機していましょう。なにか問題があればギルドからすぐ連絡が来るでしょうし、朝になればギルドに向かえばいいのですから」

「ある意味、この状態で起きているのはつらいと思うがな。気が抜けて眠くなってきたぞ。俺」

「まあ、全員が起きている必要もないだろ。モーブ、お前が先に仮眠を取れ、1時間ほどで起こす」

「あいよー。ちょっと休ませて貰うぜ」


そんな感じで、俺はベッドの中に潜ってすぐに寝てしまうのであった。






そりゃー戦闘省略ですよ。

わかりきってたって?

仕方ないじゃん。もうすでに敵はビッツやノゴーシュじゃなくなってるんだから。


あと、感想欄は駄目神、駄女神でいっぱいでした。愛されてるね!!

みんな、大好きなんだろう!! 見てる分は!!


さて、それはいいとして、現在問題が起こっています。

簡潔に言いますと、風邪ひいた喉痛い。

まだ発熱はないけど、なんで明日休日って時に具合悪くなるかねー。

フェイトとかスカイリムのPS4やるつもりなのに、全くいい迷惑だ。

頑張って今日中に治すべ。



みんなも風邪気を付けてねー。




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