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落とし穴74堀:海の男児たち

海の男児たち





Side:ユキ



サンサンと照らす太陽、青い空、白い雲、白い砂浜、そして……。



ザザーン、ザザーン、寄せては返す波の音。



これぞ、夏の海である。

この前はやったことのない夏の楽しみ方として、肝試しをしたが、海で遊ぶのをなしにしたわけではない。

というより、夏はまず花火と海というのが、日本の常識である。


花火大会はウィードの行事になるので、今日は家族で遊べる海にきたわけだ。


「ひゃーー。立派な海岸線を作ったわね!! よーし、私に続きなさい!!」


そういって駆け出そうとするのは……。


「ルナお姉ちゃん。準備運動しないと危ないよ!!」

「そうなのです!! ルナ姉様、脚がつっておぼれてしまうのです!!」


何を隠そう、駄目神である。

いや、隠してないけどな。

子供たちに制止されている、ビニールイルカを持った、美女……?を見てもだれが女神と思うだろうか。

さて、なぜ家族といいつつルナがいるのかといえば、俺がわざわざ引っ張ってきたのだ。

前回、メールだけを送って、連絡はしたのに、という建前を用意して、ルナが来ないようにしむけたが。

勝手に肝試しに参加をして、力技、いや神技で心霊現象を起こすというむちゃくちゃをしていたからだ。

理由はヒフィーが驚く顔が見たかったという、すさまじくくだらないものである。

いや、それを言ったら肝試しもそうじゃないかと言われるかもしれないが、横槍で部外者が勝手にやるのは、常識的に駄目である。それで事故や事件が起こっては大問題だからだ。

ま、ということで、勝手に動かれて、海で足を引っ張るとかされたら大問題にしかならないので、ルナを連れてきたのだ。

むろん、タイキ君やタイゾウさんたちもいる。

あと、おまけのヒフィーとリリーシュ。

コメットは死体に直射日光はよろしくないといってきていない。ただ単に、海で遊ぶということに楽しみを見いだせていないのだろう。ポケ○ンの厳選してたし。

直射日光ごときでどうにかなるなら、日中ウィードの散策とかでてないからな。

こちらの世界のゾンビとかゴーストとかは、日の光もなんのそのなので性質が悪い。

いや、多少弱体化はするらしいけどな。

モーブやオーヴィクたち冒険者からは夏場のゾンビ退治とかは、ものすごく嫌われる仕事だという。理由はにおいだ。腐ったゾンビさんたちのカグワシイ香りが強くなるので、ひじょーに相手をしたくないらしい。

と、気分が悪くなりそうなので、ここらへんで考えるのはやめとこう。


「あれ、ルナ。そういえば、リリーシュとヒフィーはどうした?」


ふいに辺りを見回したが、女神二人がいない。

俺やタイキ君、タイゾウさんは昼飯の準備やらで、一番最後なのにだ。


「いっち、にー、えーと、着替えてたのは見たわよ。さん、しー」


アスリンたちと仲良く準備体操をしながらそう答えてくるルナ。

来てることは来てるんだな。

ならなんで出てこないんだ?

俺はそんなことを考えながら、コテージのほうを見つめる。

事故でもあったか? 水着が着れないとか? こうぶよぶよになって。


「……殴られても助けないわよ。ユキ」

「お、ラビリス。ヒフィーとリリーシュは?」


俺の心を読んで釘をさしてくるラビリス。

いや、流石に本人の前では言わないさ。

体重の話とか、女性の前じゃ禁句って決まっているからな。

俺も命は惜しい。


「そうね。リリーシュはともかく、ヒフィーが恥ずかしがっているわね」

「恥ずかしい? 水着か?」

「そうよ。まあ、仕方がないわね。水着で罰ゲームとかしたのだから」

「ああー……」


あったあった、そんなことが。

主に、そこで準備運動をしている駄目神主導だが。

俺は、サポートだったので何も悪くない。

……そう、悪くないのである。


「うっし、準備運動おわり。海へー!! って言いたいところだけど、なにかヒフィーがぐずっているみたいね。私に任せなさい!! いくわよ、アスリン、フィーリア、海に引きずり出すわよ!!」

「はーい!!」

「了解なのです!!」


なぜか、ルナが二人を引き連れて、ダッシュでコテージに入っていく。

いや、ルナが解決してくれるならそれでいいんだが。


「……大丈夫なんですか?」

「俺に聞くなよ。駄目神が動いて大丈夫だったことがない」


タイキ君のつぶやきに、俺はそう答えるしかなかった。

ルナが動いて被害がなかったことなどないのだから。

誰かが被害をこうむるのだ。資材の搬入とか、見世物にされた心の傷とか、異世界に飛ばされるとか。

俺にできるのはその被害を最小限に抑えることだ。

……何が悲しくて身内からの攻撃を最小限に抑えないといけないのかね。

いや、駄目神を身内とみるからいけないのか。

あれは一種の災害って感じか。


「ユキ君。ルナ殿は、その大丈夫なのかね?」

「タイキ君にも言いましたが、全然大丈夫じゃないと思いますよ」


ヒフィーの旦那のタイゾウさんはさぞかし心配だろうが、太鼓判を押して、大丈夫じゃないといってやれる。

この前の肝試しのいたずらも然り。

駄目神が何もしないというのがおかしい。

どうよ、この駄目すぎる方向での信頼っぷり。

ま、奴らほどじゃないから、まだマシなんだけどな。


「まあ、知っての通り、大けがするとかはないので、フォローに回ってやればいいと思いますよ。夫婦なんですし。ルナからの夫婦円満の機会が贈られてると思えばいいんですよ」

「……そう、だな」


俺はそうは思わないけどな。

そんな風に、俺とタイゾウさんが話し込んでいると……。


「あ、ルナさんが出てきました……よ?」

「「よ?」」


なんかタイキ君が変な声を上げたので、コテージの方向を見ると、ルナがヒフィーを抱えていた。

……なんで抱えてるんだよ。

そして、投球のフォームで、第1ヒフィー、投げた!!


ポーン……。


「きゃぁぁぁぁぁぁ……!?」


空を見事に飛んでいくヒフィー。


「ヒフィーさん!?」


慌てて追いかけるタイゾウさん。

おー、タイゾウさんがヒフィーの落下地点である海の中まで走っていく。

フライでアウトだな。


バッシャーン!!


そんな音を立ててヒフィーが着水。

タイゾウさんは何とか間に合ったみたいだ。

がっちりと両腕でヒフィーの体をお姫様抱っこする姿は、結構絵になっている。


「ひゃっはーー!! いい絵ね!!」


パシャ、パシャと写真を撮っているのは駄目神。

もう、お前は何がしたいんだよ。


「ルナお姉ちゃん。私もポーンってして」

「私もなのです」

「よし、わかったわ。ユキ、いくわよー!!」

「ゲッ!?」


俺をキャッチ役にするつもりか!?


「そーれ!!」

「わーい!!」


本当に投げやがった!?

レベル的にケガとかはしないだろうが、受け止めないときっと不機嫌になる。

ちくしょー!!


「頑張ってくださーい。俺、昼の準備してきます」


タイキ君はさっさと逃げた。

ちくっしょう!! 

俺は必死に落下地点へと走っていく、波をかき分け、ザバザバつらいよ!?


ザッパーーン!!


な、なんとか間に合った。


「お兄ちゃん、ありがとー」

「……危ないから投げてもらっちゃだめだぞ」

「うん。一回だけって決めてたから」

「一回だけ? どういう……」


俺がアスリンの真意を聞く前に、その答えが発射される。


「ほら、つぎよー!!」

「あーにーさーまー!!」


フィーリアが空に向かってポーンと投げられる。

その瞬間、ルナの後ろには嫁さんたちが全員並んでいた。

つまり……。


「お兄ちゃんにみんな抱っこしてもらうんだって」


俺の夏のトライアスロンの幕が開けた。

ルナのやつは落下地点をずらして、俺を移動させるのだ。

演出的には一生懸命、お嫁さんのためにってことだろうが、俺にとっては連続過ぎてつらいわ!!

軍事訓練にも、海辺で陸から飛んでくる人のキャッチとかないからな!!


ということで、俺は必死に海辺を走り回ることになった。



「ねえ、なんか私、泳げてないんだけど?」

「しらねえよ……」


嫁さん全員を放り投げたあと、首を傾げならようやく海に入ったルナの第一声がこれだった。

ちなみに嫁さんたちは大変満足したらしく、写真を見てはきゃっきゃっしたあと、各々遊んでいる。


「ルナお姉ちゃん、およごー」

「泳ぐのです」

「そうね。難しいことは置いといて、いまは遊ばないとね。いくわよー!!」


そういってクロールでアスリンとフィーリアがいる場所まで泳いでいく。

いや、難しくないからな。

お前がただ嫁さんたちに対して、ご褒美みたいな遊びをしていただけだからな。

こっちは写真を撮っているのもわかっていたから、無様な表情すらできないという拷問だったぞ。


「お疲れさまです。はい、麦茶」

「さんきゅー」

「……相手が多いというのも、なかなか大変だな」


タイゾウさんは俺が必死に走り回っている姿をみて、なんとも言えない顔になっている。

そりゃ、耐久マラソンIN海みたいになっているからな。

ほら、あのビーチでうつぶせになって、フラッグ取りに行くやつ。なんていうんだっけ?


「しかし、夏ですねー」

「ああ、夏の海だなー」

「そうだな」


ザザーンと浜辺で座り込む男たち。

こうやって海を見ているだけもいいのだが、やはり……。


「よしっ。泳ぐか」

「そうですね。このままボーっとするのも悪くないですけど、泳がないとあれですしね」

「当然だな。釣りに来たのではない。泳ぎにきたのだ。しかし、私たちは男児だ。ただ泳ぐだけでは芸がない」


タイゾウさんの言いたいことはわかる。

ただ泳ぐのは男児にあらず。

必ず、あることをやるべきなのだ。


「この中で泳げないとかいうのは?」

「俺は大丈夫ですよ」

「私もむろん泳げる」

「なら……」


俺は沖にある小島を指さす。


「あそこまで競争と行きましょうか」

「わかりました。で、賭けは?」

「風呂の牛乳でどうだ?」

「「異議なし」」


そう、競争である。

些細な賭けを用意して、全力を尽くすのだ。

それが男児というものだ。


「あ、アイリ。今から競争するから、スタートの合図頼んでいいかい?」

「え? あ、はい。いきますよー……」


浜辺で遊んでいたアイリさんが腕を振り上げて……。


「スタート!!」


振り下ろされた。


「「「うおぉぉぉぉぉおぉお!!」」」


俺たちはいっせいに、浜辺を駆け出し、海に入り、泳げる深さになったらそのままクロールへ移行する。


「うわっ!? ユキさんはやい!!」

「お兄さんなんでそんなにって、競争のようですね」

「僕も追いかけるよ!!」


なんかトーリたちの近くを通りすぎたみたいだ。


「リーア、追いかけますよ」

「え、無茶だよジェシカ!? 私、浮き輪だよー!?」

「風で押す」

「ちょっと、クリーナさん。そんな無理やりやったらひっくりかえ……」


バッシャーン!!


「あぶぶb……、溺れる!! だれかー!!」


次はリーアたちだが、リーアは泳げなかったか。

ま、みんなもいるし、水難事故防止の魔物たちもいるから大丈夫だろう。


……今は、負けられないくだらない戦いがここにあるのだ。



「「「どぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!」」」




「……あのー、ルナ様、ヒフィーちゃん、みなさん? 私一人で寂しんですけど……」


浜辺で一人、砂のお城を作っているリリーシュがポツリ。

ちゃんと後で回収したから問題はなし。



ということで、海、水着とリクエストがありましたので、水着回を出した。

主に男たちですけど。

まあ、よくこういうのはやったでしょう?

ちょっと沖に見えている島まで遠泳競争とか。


しかし、泳げんからとか、海が近くにない。などと言った理由で海に関わらないひともいるでしょう!!

そこで、今日の商品はこれです!!


アクアノートの休日シリーズ


潜水艦に乗って、海を探検しよう!!

ほぼノンストーリー。

物語は無いに等しく、海を本当に探検するだけのゲーム。

襲われてゲームオーバーもなし、ゆったりと海中探検を!!

映像綺麗重視ならPS3のアクアノートホリディを探検重視ならアクアノートの休日1を。


続いての商品はこちら!!


ぼくの夏休みシリーズ


これはもう夏の定番ゲームと言えますな。

あの日の夏を遊びつくせ。

海あり、山あり、あの日の夏を詰め込んだゲーム。

どれがおすすめかというと、個人的には2。


そして、最後の紹介する商品はこちらだ!!


No Man’s Sky あなたは宇宙の第一発見者になる


PS4にで8月25日発売予定の宇宙探索ゲームだ!!

俺が世界樹迷宮と並んで期待している8月発売のゲームだな。

既にPC版ではSteamより配信が開始されている。

9月はペルソナ5。

まあ、そこはいいとしてNo Man’s Skyの説明だ。

レビューでは賛否両論となっているが、そもそもな勘違いがある。

No Man’s Skyは昨今人気のマインクラフトみたいな素材を集めて、自由にモノづくりをするというゲームではない。

どちらかというとアクアノートの休日よりだ。

ただ、世界を見にいこうというゲーム。

まあ、申し訳程度に素材集めや戦闘もあるが、本当に申し訳程度だ。

およそ18京の星が存在し、その中でわずかにある惑星は独特の生物などが存在する。

そういうのを巡っていく、星から星へ観光するゲームだ。

ネットを通じて、初発見とされる星や生物などは命名権が与えたれる。


これを面白いか面白くないかと思うのは個人それぞれだろう。

まあ、やりこむというより、のんびりやるゲームだからな。


では、また次回。


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