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落とし穴62堀:大型連休の過ごし方

大型連休の過ごし方





Side:ユキ




地球の多数の国では、祝日や休日が連なって、休む日が増えることを「連休」という。

いや、連続して仕事を休むという、社会的に駄目な方ではなく、純粋な休みの話である。

その中でも、その休みの重なりが多く、少なくても3日、4日、果ては人によっては一週間近く休みがある人もいる。

そんな連休のことを日本では「大型連休」と呼んでおり、4月末から5月初めにある大型連休を「ゴールデンウィーク」「黄金週間」と呼ばれるものであり、表記上「GW」とよく書かれる。

このGWだが、4月29日のみどりの日、5月3日の憲法記念日、5月4日の国民の祝日、5月5日のこどもの日、これらが土日に重なれば、2005年に振替休日の規定が変更された日本では大体、一週間近い休みを得ることができる。

まあ、無論、全員が全員休むわけではない。

娯楽を楽しめるお店も閉まってしまっては元の木阿弥という物だ。

この連休にイベントを行い、各市町村、県、都などは大々的に集客をして他所からのお金を稼ぐのだ。

だから、その手の人たちにとっては、稼ぎ時であり、休むなどと言うのは埒外である。

だが、その人たちに休みがないのかと言えばそうでもない。

ちゃんとした、就業場所であるなら、GW期間ではないがちゃんと連休を貰えたりするのだ。


と、こんな説明をして、わざわざGWを無理やり、ウィードで再現した結果。



「いやー、お兄さんの言った通り。売り上げが爆上げで儲かりますねー」

「はい。商店は儲かり、それ以外の人々は連休を利用して、山や雪原、海で思い切り羽を伸ばしているようで、評判もとても良いです」

「あー、ユキが趣味で作った場所かのう。確かに、海は楽しかった」

「最初は連休なんて何でよ? って思ったけど、これは経済効果がすごいわね。相変わらず、ユキのいた世界の経済観念には驚かされるわ」

「まあ、仕事をしないといけない、庁舎や警察、冒険者ギルド、商人は大忙しだけどね」


概ね好評だが、ミリーはぐでーっとしている。


「まあまあ、一応僕たちものんびりしてるんだからいいんじゃない?」

「だね。ようやく引継ぎも終わって基本私たちは隠居みたいなものだし」

「そりゃ、私以外の皆はいいわよ。ちゃんと、後釜が見つかったんだから」


そう、既に嫁さんたちは、各代表の任期を終えて、第一線を退いている。

セラリアとかラビリス、ルルア、シェーラはちょっと立場が違うため、未だに多少忙しいが、まあ、ミリーほどではない。


「そう言えば、そんなこと言っておったのう。なんでまたミリーの方は後任が見つからんかったのじゃ? 妾はほれ、単独行動の刑事みたいなもんじゃからな。譲るもなにもないが」

「あー、デリーユには言ってなかったっけ? 簡単よ。冒険者ギルドが絡んでるから、迂闊に入れ替えができないのよ。ウィードとも繋がり深く、冒険者ギルドのことを知っていて、仲介ができるっていう」

「ふむふむ。なら、ギルド長のロックはどうなんじゃ? あれならいいと思うがのう」

「あの人はあくまでもウィード冒険者ギルドの長であって、ウィードと繋ぎを全般に任せるって立場じゃないの。というか、私の立場が非常に便利みたいだから、動かしたくないみたい。私を入れ替えると、簡単にセラリアとかに繋ぎができないから」

「ああ、なるほどね。確かに、他の人を据えると、私に連絡がくるまで時間がかかるわねー。後任を育てようにも2,3年じゃ無理でしょう。しかも、ウィードはできたばかりだし」


もっともな話だ。

だが、ミリーにだけ負担を強いるのは俺としても申し訳ないから、ちゃんとGWは引っ張ってきた。


「ミリー、無理はするなよ。今回みたいに連休とってもいいんだから」


そう言いながら、お茶を出す。


「はい。流石に無理はしませんよ。ユキさんのことが第一ですから。ずず……、はぁ、緑茶は落ち着くー」


緑茶が染みるのは、なんというかよほど疲れている感じがするけどな。

あとでミリーはちゃんと労ってやろう。

そう言う意味でのGWでもあるから。

ま、今は家で待機しているのだが。


「でも、ユキさん。せっかくのGWなのに、私たちは家にいますけどいいんですか?」


おっと、さっそくミリーから返しが来たか。

とりあえず、皆にお茶を配ったので座布団に座ってから、話すことにするか。


「よっと。ミリーの言う通り、俺たちは家にいるけど。なぜかと言うと、まず1つ、皆が忙しかったので、何をするか話し合う時間がなかった」

「「「あー」」」


新大陸の件も忙しければ、後任たちと話し合って、ウィードのGW制定も結構大変だった。

そんな中で、じゃ、俺たちの休みはどうしようなんて時間はなかなか設けられなかった。

いま、ようやく落ち着いた感じだ。

いや、毎日朝夕は一緒にご飯食べて、夜は嫁さんたちといちゃいちゃはしてたけどな。

実際問題、連休って言うのに実感がなかったのが一番の問題なんだろう。

ま、これは理由の一つであれど、俺にとっては次が問題だ。


「二つ。これが俺にとっては一番の問題だ」

「え? ユキさんにとってですか?」

「……興味深い。ユキが問題とすることとはなにか」

「私も興味がありますわ。ユキ様がそこまで問題となさることなんてないですから」


ミリーが小首をかしげて、クリーナがこちらに乗り出し、サマンサも興味津々。

ほかの嫁さんたちもこちらを見て、緊張した面持ちだ。


「GWとか、大型連休は人がクソ多い。これが最大の問題だ」

「「「?」」」


皆、何を言っているのかわからねーと言う顔をしている。

だが、日本人である俺は分かる。

これに伴う、人の大移動と観光地での人の群れ群れ群れ……。

あの中に分け入るのは、よほどの根性がいる。

というか、何が悲しくて、平日なら簡単に食える店に並んでいったり、遊園地も30分待ちとか一時間待ちしないといけないかが分からん。

ま、嫁さんたちにはわからないだろうから、人が集まっているであろう場所のモニターを出す。

映し出されるのは、人の群れ、予想通りの大盛況。


「おお、賑わっていますね」

「そうね」

「で、旦那様。これが問題なのでしょうか?」


これを見ても、あまりピンと来ないみたいだな。


「そうだな。見ての通り、商店は大盛況だ。だか、ここに実際行くとなると、この人込みを抜けて、人が並んでいるレジに並ぶことになる。通常なら、ものの数分でおわるのが、倍以上はかかるだろうな」

「あ、そういうことですか。確かに、この中にわざわざ行く理由はないですねー。後日でもいいですし」

「普段だとこの場所、そんなに混まないよね、ジェシカ?」

「ええ。ユキの言う通り、並ぶことすらないぐらいです。これが連休効果というやつですか」


ラッツが俺の言葉にようやく理解をしめし、リーアとジェシカが人が凄い多いんだなーってのを語ってくれる。


「……私はパス。家で寝てる。特に大規模なイベントもないし、人混みに行く理由がない」

「僕もお買い物はいいかなー。なんか、あの人混み疲れそう」

「そうですね。DPで欲しい物は手に入りますし、子供たちをあの人混みに連れていくのは心配です」

「キルエ先輩の言う通り、防犯としてもあまり好ましくないですし、無理に並ばせるのもつらいと思います」


カヤやリエルの言うように、人混みにわざわざ行く理由がなく、キルエやサーサリの言う通り、子供がいる俺たちにとってはちょっと出にくいのだ。

GWで安売りとかはあるが、俺たちはそこまで安売りにがっつかなくても食っていけるし、花火大会のように魅せる大型イベントがあるわけでもない。


「ふーん。あなたの言いたいことは分かったけど、じゃあ、この連休どうするの?」


セラリアにそう聞かれて俺は脊髄反射で答える。


「積みゲーとか、積みプラモでも作るに限る。家でゆっくりなんて、あまりしていないからな。まあ皆とはゆっくりパーティーゲームでもしたら楽しいんじゃないか?」


そう、GW、連休というのは、オタク社会人にとって日々溜まったお宝を消化するための日でもある。

日本なら、即売会にでも行ったんだが、ここはウィードで漫画という概念さえないからな。

妙にこっちの中世ヨーロッパと似通っていて、デフォルメという画法はまだなく、写実主義が第一だ。

こっちの世界と同じように、写真が出回って、食えなくなる画家が出ないことを祈ろう。

ということで、即売会はおろか、漫画すらないので、そういうイベントが開催されるのはまだ先だろう。

日本の漫画の神様の歴史から見ると、切っ掛けさえあれば50年ほどで漫画ぐらいはできるだろうが、アニメとかはさらに先だ。

DPで日本の品を仕入れられなければ、きっと俺は発狂していたね。


「なるほど。確かに家でゆっくりっていうのはあまりしてなかったわね。私もそういえばゲームはほったらかしだし、サクラも一緒にする?」

「あい!!」


サクラにゲームはまだ無理だと思う。

まあ、触らせるだけみたいなものだからいいんだろうけど。


「私はヴィリアちゃんのところいってくるね」

「遊ぶ約束をしているのです」

「そうね。私たちは行ってくるわ」

「お土産買ってきますね」


ちびっこ4人は学校の友達と遊ぶ約束をしてるのか、外出するみたいだ。

子供は家でのんびりはまだ早いし、健全でいいと思う。

4人を見送ったあとは、各々、思いついたように家でのんびりする。

今まで、忙しかったし、こういう休みもありだよな。


さてと、俺も昼寝でもしたら、ゲームをするかねー。

ソファーに座って、ゲームをセッティングして準備万端。


「あー、なんかこの感触久々だ。さ、ゲームを満喫しますかねー」


こうやって連休の幕は開ける。

だが、家族がいる手前、ちゃんとご飯とか子供の世話とかをするあたり、そこら辺が一人暮らしとはちがうよな。

これはこれでいいのだが。


あ、五月病にならないといいけど。





はい、皆さまはGWをどのようにお過ごしでしょうか?

俺は、29日は即売会参加だけで、あとは自宅でのんびりしております。

のんびりしすぎて、執筆意欲も消えうせて、あわててこれを書いた次第です。


ああ、あとは艦これアーケードをプレイにゲーセンにいったかな。

艦これだけ長蛇の列。3時間並んで2回プレイして帰ったわ。

もっと増えるのを待つべきやね。


あとは、ネモのプラモ作った。

ネモわかる人いるかね?


じゃ、あと残り少ないGWを楽しんでな。



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