年末スペシャル その2 自由な3人
年末スペシャル その2 自由な3人
「で、お前等、どうやってここに来た」
「いや、見ただろ。ドアからだよ」
「だな。ドアだな」
「ドアだ」
「そんなの分かってるわ!! どこのドアからだよ!! 進の部屋のドアじゃなかったぞ!! そう言う話だっての!!」
「……鳥野。お前の中ではドアからどこでも出てくるこいつらはデフォルトなのか」
「ま、そう言う生物だ。この4人は。お前も巻き込まれたことあるだろう?」
「いや、あの時はさんざんかき回されたというか、俺の戦場がなくなったんだよな。それで、いい機会だから、日本にきたって、そう言う話じゃなくてだな……」
「えーと、どこだっけ?」
「確か、撫子の別荘の1つじゃなかったか?」
「そのはずだ」
「なんで、撫子の別荘のこと忘れてんだよ!! 進、お前の彼女だろうが!!」
「いや、撫子になんか変な事おこるから調べてほしいって言われてたから、特に気にしてなかった」
「その手合い多いもんな」
「だな」
「……そういやそうだったな。撫子のやつ、自分の大和グループで変な物件があると調査押し付けてきてたな。その割には進の事絶対守れとかうるさいでやんの」
「しゃーないだろ。撫子、進の事大好きだからな。あえて、遊び場提供して、進の位置を監視してるんだろ」
「だな。ま、こうやってドアで移動することも多いから無駄だけどな」
「で、その物件はどんな感じなんだ?」
「えーっとな、隠し部屋があって、そこには拷問器具が転がってたな」
「無論、血の跡もあったぞ!!」
「随分古いから、つい最近ではないな」
「驚愕の事実を普通に喋ってんじゃねー!! さっさと戻って、報告してこいよ!! というか、またその類の怪物か怪人がいるだろ、その屋敷!!」
「でも、こっちに来たしな。也の字もいるしのんびりしていいだろう」
「だな。特に屋敷に人がいるわけでもないしな」
「最悪、屋敷ごとふっ飛ばせばいいだけだ」
「お前らの、その考え方治せや!!」
「まあ、落ち着けや。也の字。ここに来たってことは、その3人は全部事情を把握しているんだぜ?」
「ちょっとまて……それって」
「「「よう。ロリコン変態野郎」」」
「ぎゃー!? それを言うんじゃねー!!」
「何恥ずかしがっているんだよ」
「だな、寧ろ誇れ変態」
「後ろめたいことはないんだろう」
「お前らが既に弄ってるから、いみねーよ!! 田中!!」
「いや、俺もこの意見に関しては3人と同じだ」
「もう、既に也の字は引き返せないんだ。親友としては嬉しい限りだ」
「ああ、立派な変態になったな」
「安心しろ。ご家族には言っておくから」
「真の字、やめろ!! 俺の家族は普通の一家なの知ってるだろう!! そんなこと喋ったら、勘当されるわ!!」
「落ち着け、オタクの延長線上だって認めてくれるさ」
「大丈夫、一度お縄につくぐらいだ。すぐに釈放してやるから」
「捕まること前提じゃねーか!!」
「まあまあ、よくあることじゃん」
「だな、異世界に行って牢屋行きとかままあったし」
「あったな」
「黙れや!! そんなの飽きた時点で脱出してただろうが!! 日本で捕まるのとはわけが違うわ!!」
「ま、そこら辺にしとけ。不毛だ。一応、必勝ダンジョンがメインの話だからな? 年末スペシャルだからな?」
「わかってるって。でさ、なんで俺たちがここに来たわけ?」
「だな。俺たちが来ればこうなるのは分かっているだろう?」
「理由を聞かせてくれ」
「……お前らは、散々俺を弄って無視かよ」
「鳥野、落ち着け。話を進める方がマシだから」
「簡単にいうと、来年はお前等4人の話はちゃんと書くつもりなんだよ。必勝ダンジョン本編にはかかわりないが、ユキという也の字が出来上がるまでの話を書こうと思う」
「ああ、なるほど。也の字がなんでこんなにひねくれたのかって話か」
「そういうことか。読者も也の字の捻り具合は不思議だっただろうからな」
「こんな也の字に育つとは思わなかった」
「お前らに育てられたことはねーよ!!」
「でも、別ストーリーだからな。主役はあくまでもお前等4人の珍道中だ」
「珍道中って言ってるじゃねーか!!」
「珍道中しか言いようがないだろう。喜劇にしかならんし。お前等」
「落ち着け、鳥野。で、ということは時間軸的には、必勝や俺の話よりは前ってことか」
「そういうこと。主に学生時代だから、その時、傭兵をやっていた田中はあんまり出番ないな」
「いや、いらん」
「で、書き方を変えようって思ってな」
「そう言えば、あの話は誰かしらない視点で物語が進んでいたな」
「おう。必勝ダンジョンは個人の視点からだが、今度は第3の視点。神の視点から行こうと思っている。まあ、毎回、お前等4人以外は登場人物が変わるからな。わけわからんくなりそうだし、俺が各キャラクターの表現するのがめんどい」
「ぶっちゃけたな」
「本来、趣味だしな。いや、今もスタンスは変わっていないし。その結果人気がでただけ。色々挑戦していいかなーと思っている。色々な人がこんなのでもいいのか。って書き始めるきっかけになればなーってのが本音だな」
「雪だるまの原稿は、誤字脱字オンパレードだからな」
「おう。それで書籍化したからな。ちゃんと物語を書いていれば、勝手に誤字脱字は補完してくれるし、読んでくれるってはなしやな。だから、後に多く人が続いてほしいわ。個人的には色々面白い作品がでないかなーって思っている」
「お前が読みたいからかよ」
「当たり前だろ。趣味だし、面白い話は多い方がいいだろう?」
「せやな」
「だな」
「それは当然だ」
「まあな」
「つまらないモノだされてもな」
「でも、書かないと始まらないわけだ。宝くじは買わないと絶対あたらないからな」
「そりゃな」
「前回も書いたけど、俺としては書籍化の話は寝耳に水だ。おおびっくりよ。何がきっかけになるかわからんし。趣味としてやればよくね? って話」
「趣味だし、下手でも文句を言われる筋合いはないか」
「そういうこと。たまに物語が気に入りませんって感想かくけど、それなら自分で面白いと思う物語があるわけだろ? 気に入らないって言ってるんだから、気に入る物語があるってことだ」
「そう言う解釈もできるな」
「だから、自分で書けって話になるよな。俺もその自分で好きな物語書こうってところが始まりだし」
「ま、話はわかったけど。なんか愚痴っぽくなってきたな」
「いや、年末の忘年会みたいなもんだから、正しんじゃね?」
「だな。こういうことを話して、今年の鬱憤を忘れるのさ」
「そして、年明けて、また働くってループだけどな」
「いやな話だ。って、そう言えば、鳥野の方はウィードで年末年始やっていたよな?」
「ん? ああ。今年はクリスマスもやったぞ?」
「なんだ、也の字。お前も結局そっちの世界好きなように荒らしてるじゃねーか」
「なんだ。巨大ロボットとか作ってるのか? 隕石押し返すか?」
「いや、ここは現実的に巨大レールガンとかじゃないか?」
「お前らと一緒にするんじゃねえ!! ただ、騒げる行事を提供してるだけや!! 石ころ1つを押し返す兵器や、迎撃する兵器系の、ミラクル武器はないからな!!」
「「「つまらんなー」」」
「ま、3人の意見は置いておいて、実際、まだ中世レベルの文明だからな。そう言う娯楽関係は少ない。だから、ウィードが羨ましいぞ」
「田中の方でもってわけにはいかんか」
「ああ。こっちはお前みたいに、国単位じゃないからな、傭兵という一戦力だ」
「? 田中、傭兵でも色々できるんだぞ?」
「白木。お前とほかの兵士を一緒にするな」
「真の字、そこら辺は駄目だな。色々したいなら俺みたいな科学者がいるわけよ」
「お前みたいなのが簡単にいてたまるか。気が付けばミラクル兵器ばかりつくりやがって」
「いや、さっきみたいに、爆発して効果を発揮する、錠剤もつくってるからな?」
「発想の方向が行方不明なんだよ、お前は!!」
「いいだろ。それが楽しいんだからさ」
「……進。お前も自重って言葉を覚えろよ」
「大丈夫、最近は転んでひざが血まみれになることはなくなった」
「そう言う意味じゃねーよ!! お前等が動いたら、大体大騒ぎになるだろうが!!」
「ははは、心配するな。俺たちが原因なんてわからないから」
「被害もないから、訴えようもない」
「そうですね!! 遺跡発見したり、鉱脈見つけたり、隠し財宝みつけたりな!! その管理全部俺に回してるだろうが!!」
「え、だって俺そういうのよくわかんねえし」
「俺は欲しい材料は自分でどうにかするからな」
「そう言うのは趣味にあわないからな。也の字はセバスさんから、その利権を管理するやり方教わっただろう?」
「お前らが覚えようとしないからな!!」
「……なあ、鳥野。その利権ってどれぐらいあるんだ?」
「……世界経済が傾くレベルだ」
「は?」
「だから、その発見を丸々、国が押収すればいいものの、立場の問題上、俺たちに利権が半分ぐらい回るんだよ」
「そういや、そんなこと言ってたな。もうこっちは、余計な利権はいらねーって」
「まあ、各国に異世界の穴つなげてるからな、そっちで忙しんじゃねーか?」
「ああ、そっちの調整が大変だよな」
「まて、凄く聞き捨てならんことがあったぞ? マジか鳥野?」
「マジも大マジ。有名大国の殆どは、異世界と繋がって、そのコネクション作りで忙しい。世界混乱が起こらないように調整しないといけないからな。おかげで、その後の変な利権を見つけてもほぼ俺たちに回ってくるんだよ」
「……そりゃ当然だろう。というか、お前等本当に非常識だな」
「こほん。盛り上がっている所わるいけど。ユキ、そろそろ私の紹介をしてくれないかしら?」
「あ、だれ? この片側ドリル?」
「……ユキと同じ反応ありがとう。新上進」
「ん? 也の字の知り合いか?」
「……えっと、その俺の嫁さん。セラリアだ」
「へー、美人さんだな。よろしく。名前はしってるみたいだけど、俺は新上進な。也の字の親友で幼馴染だ。進って呼んでくれ」
「俺は、飛翔鷹矢だ。俺も同じように也の字とは親友で幼馴染だ」
「同じく、白木和真だ。よろしく」
「俺は、この3人のように付き合いは長くないが、一応友人の田中だ」
「みなさんの話は夫から伺っています。これからも、どうか夫と仲良くしてください」
「おう」
「当然だって」
「友達だからな」
「まあ、俺は向こうで会うだろうけどな」
「それを言ったら、その3人もだろうけどな」
「正直……本当にドアから出てくるとは思わなかったわ。いつもこんな感じなの?」
「うーん。ドアからもそれなりの回数現れるが、これがメインってわけじゃないよな?」
「どうだろうな、夢で引きずり込まれるのもあれば、上空に吸い込まれたとかもあるしな」
「落とし穴かと思ったら、ワームホールみたいなのもあったな。まあ、移動はもっぱら車だからな」
「その車が、気が付けば樹海でしたとかよくあったよな」
「あったあった」
「ああ、もう慣れたよな」
「「「あはははは……」」」
「「……」」
「ほっとけ。常識でこの明後日方向の生物を測ろうとすると、理解が追い付かないから。こういう生物だと思え」
「おいおい、親友をそんな言い方しなくてもいいじゃんか。なあ?」
「ああ、俺たちは深く傷ついた。だから、これは仕方のないことだ。真の字あれを」
「これか?」
「カメラよね? それ」
「お、中世の文明でカメラ知ってるのか?」
「いいえ。夫が教えてくれたのよ」
「ああ、そう言うところは無茶苦茶してるじゃねーか。ま、いいや。で、このカメラにはある記録がある」
「それは、そうでしょうね。何かを見せるつもりなんでしょう?」
「その通り。俺たちは也の字の心無い言葉により深く、海よりも深く傷ついた。ということで、このカメラに記録されている、也の字の赤裸々な過去を公開しようと思う!!」
「てめー!? いつ録画してやがった!」
「人類の進歩のため、お前たち3人の様子は逐一監視している。安全だろ?」
「鷹矢、お前の顔には楽しいからやってましたしか書いてねえ!!」
「当然だ馬鹿野郎!! いじれるネタをいつでも持っているのが、人としての基本だろうが!!」
「そんな基本捨てて、そのカメラよこ……って、嫁さんや、なんで俺の手を止めるのかな?」
「それは、妻として、夫の若い頃の記録は見たいわよ。鷹矢さん、見せてもらえます?」
「いいね。流石だ。あとで、全17巻、そして隠し撮りの写真、アルバムを提供しよう」
「あなた。ご友人の心遣いを無駄にするようなことは人として駄目だと思うの」
「お前、絶対映像集が欲しいだけだろ!! って、ラッツ、エリス簀巻きにしないでくれる!? というか、ほかの嫁さんも全員集まってね!?」
「当然です旦那様。旦那様の素晴らしい過去を拝見できるなんて、私嬉しくてたまりません」
「ルルアの言う通りじゃな。セラリアが代表であいさつに言っておったが、こうなれば話は別じゃ。ユキとしては恥ずかしい過去なのかもしれんが、妾たちにとっては垂涎物の素敵なものじゃからな」
「お兄ちゃんの小さい頃楽しみだねー」
「兄様はきっと小さい頃から凄かったのです」
「どうかしら。ねぇ? クスクス……」
「じゃ、準備もできたし始めるか。ポチっとな」
「ぎゃーやめろ!! お前らには血も涙もないのか!?」
「……うん。最初の方だけ喋れて、後は全部持っていかれたな。まあ、こんな感じで、あの3人の縦横無尽な話は進むわけだ。必勝ダンジョンの方も、この3人と一緒に育ってきた也の字がユキとしているわけだから、そうそう遅れをとらない。実際、この5人が合流するのはもっと後だけどな。ここは一時的なお祭り空間だ。年末年始の幻ってことで。引き続き、必勝ダンジョンの物語をお楽しみください。1月2月ぐらいには、あの3人の別物語も出せると思います。ではでは、よい年越しを。ああ、運が良ければ1月1日。0時ぐらいに年明けスペシャルを投降すると思うよ。これはウィードでの年明けの話だから、落とし穴の部類だ。お楽しみに」
今年も一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない 作者:雪だるま 雪之杯
PS
年明けウィード話はすでにできましたので、0時10分に予約投稿しておきます。
暇な人は読んでみるといいよ。