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落とし穴43堀:海でやる遊び

人気が高かった、あと、水着の紹介だけで終わったので、海の遊びを。

さあ、みんなは海で遊ぶならなにをする?

海でやる遊び




Side:ユキ




さて、嫁さんたちと来た海。

いや、人工海。

しかし、波の出るプールなどとは全く違う。

この特別階層区だが、四方を3キロとほかのダンジョンに比べてはかなり小さい。

まあ、俺が実験と称して、マインク○フトのように、色々やっていた場所なのだ。

天空の城が作れるのか? 魔力の最大火力は? チョーでかい魔物の召喚等々……。

ま、本命はこの海と雪山を作ろうと思っていたんだがな。

この特別階層なのだが、広さはそこまでもないが、上下は普通の階層より大きい。

普通の階層は居住区や木の高さに合わせて、高くて上に20m、下に5mぐらいなのだ。

しかし、この特別区は上に50m、下に20mと最初に地下の弄りのために土地を購入した、深さ1kmの制限をこの特別階層だけでほぼ10%使用している。

あ因みに、ダンジョン自体は8階層。


地表:外街。

地下1階層:草原区。

地下2階層:軍部、軍事演習場区。

地下3階層:居住区、偽物の俺と嫁さんたちの家。

地下4階層:工業農業区。

地下5階層:娯楽区、冒険者区、ダンジョン区。(ダンジョンが7つ存在して階層もかなりあるがこれはカウントしない)

地下6階層:交易港区。

地下?階層:俺と嫁さんたちの家。

地下?階層:実験区。特別区。


とまあ、このように、上から敵軍が来ても、下の交易区から来ても対応できるようになっている。

上からは、狭い入口から草原区に必死に入り、1キロ行軍して、そのあと2階層の現代兵器群で防衛線を張った軍部を抜かないといけない。(ちなみに軍事演習場所は放出系のスキル、魔術は無効化してあるので、地球と同じような環境である。よほど身体を強化できる魔術を体内で使えなければ耐えられない)

下の交易区は広大な面積を有する。ここまで来てしまうと膨大な保有戦力を誇る冒険者とダンジョンの魔物を相手にすることになる。ま、交易区から侵攻したら、その交易区からウィードの友好国が駆けつけ、後ろから挟み撃ちなのだが。

このように、昔よりさらにえげつない鉄壁の守りである。この状態でウィードに真っ向から喧嘩を売る国は、もう救いようがない。というか、さっさと無くなった方が世のためである。

因みに?階層だが、これは実際下にあるというわけではなく。色々な事情で、隔離する必要があって別の位置にあるのだ。

ま、俺と嫁さんたちの家は当然、だってダンジョンコアがここにあるから。

いや、実際ダミーでもある。本当にこのダンジョンの機能停止に追い込みたいのなら、全部で35個置いてあるダンジョンコアすべてを回収しないといけない。

一応、俺の家のダンジョンコアがメインシステムを担うようにはしているが万が一、取られるか破壊された場合は防衛能力が高い順に、メインシステム管理の委譲が行われる。

一個壊されるだけで、機能停止とかハイリスクなことしねーよ。


で、残る最後は特別階層。実験区、特別区である。

ここで、色々身内以外は見せられないことをしていたのだが、リアルな海を再現しようとコツコツ頑張っていたのである。

まあ、作るのはモニターをいじるだけだしな。


さて、前置きがかなり長くなってしまったが、この人工海は何が波のプールと違うのか?

それは、この人工海で生態系ができているのである。

いや、ダンジョンスキルで個体数を制御しているだけなのだが。

……その個体数制御もかなり難しい。少しでもバランスが悪いと、瞬く間に生態系的に弱い魚や貝が、上の奴らに捕食されてしまう。

天然物を目指したい俺としては、スキルで個体数制御ができるとはいえ、あまり強制的にしたくはなかった。

だから、毎日、毎日、数の増減を見ては調整することを繰り返してきた。

いやー、自然って偉大だというのがよくわかる。

限定した環境では、特定の種以外は結局いなくなってしまうのだ。

なので、このダンジョンの海で適応できる種だけを残して、ほかはあきらめることになった。

まあ、欲しいメジャーな魚介類はなんとか残ったが。

この説明で分かると思うが、これはまさに人工の海なのである。

危ないサメとかは存在しない。アカエイとか、カツオノエボシもいない。

そんなのは排除して、海難救助隊の水棲魔物を多数配備している。

あ、ここで少し面白い話。

魔物にも淡水、海水と分ける奴がいた。

……海に放り込んだら、数分後浮かんできたから。

悪いことをしたと思う。


死因、塩分の過剰摂取。


いや、細かくは塩分の排出速度の関係なんだけどね。面倒だから割愛。

魔物も万能ではないとわかっていたが、魚系は大丈夫だろうと思った結果である。

慢心駄目、絶対。

で、生き残って、海難救助隊になった魔物たちだが……。



「きゃー、大きいタコさんなのです!!」

「ありゃ、これは食べ応えがありそうですね。なるほど、人工海とはよく言ったものです。お兄さんはこの場所もほかの使い道を考えていますね」

「ラッツ。感想はいいから、さっさと仕留めましょう。これだけ大きければ、たこ焼きが沢山作れるわ」

「……ミリーの意見に賛成。たこ焼きの材料にするべし」



そんな声が上がって嫁さんたちが遊んでいる入江を見ると、高さ3mはあろうオオダコが浅い入江に入っていた。

普通なら、そんなバカでかい水の魔物は、相応の準備があってようやく退治できる代物なのだが、嫁さんたちは実力が既に飛びぬけているので、ただのご飯にしか見えないようだ。

臨戦態勢のフィーリア、ラッツ、ミリー、カヤ。

それをのんびり見守るほかの嫁さんたち。

因みに、嫁さんたちは知らないとおもうが、大きい奴はアンモニアとかの量がおおいから、結構大味だったり、食えたもんじゃなかったりする。

……って違う、違う!? そいつは海難救助隊の魔物だ!!

食べないで!?

襲ってないじゃん!? 引いてるよ!!


「んにゅ? あ、みんなやめて!! そのタコさん、魔物だよ!!」

「「「え?」」」


俺が止める前に、アスリンが気が付いて、皆を止める。

うん、流石、家の魔物のお姫様や。

すぐにオオダコもアスリンの後ろに回る。

……もう、飼いならされている気がする。


「そうだ。アスリンの言う通り、この海の警備、海難救助隊の一員だ。というか、この海の魔物は全部そうだからな」


監視員も含めているけどな。

海の中の生物監視も、海で遊ぶ人を守るためでもある。

まさに、これぞ本当の海難救助隊である。


「……わかった。なら、食べるのはやめておく」

「ちょっとまって、タコって足生えてくるって言ってませんでしたっけ?」

「……なら、食べていい?」

「まてまて、お前はタコ取ってこい、食われたくなかったらな」


オオダコの魔物は直ぐに頷いて、海へと逃げ去る。


「「ちっ」」


お2人さん、お願いだから食べないであげて、大味だからきっと。

しかし、ある意味、自分の親族を生贄に捧げろって言ってるのと同じだよな……。

トラウマになってないか、あとでアスリンにカウンセリングさせるか。


「ねえ、あなた。あの大きいタコが魔物ってことは、イルカみたいなのもいるの?」

「ん? ああ、いるぞ」


俺がセラリアの質問にそう答えると、嫁さんたちが集まってきた。


「ほ、本当ですか兄様!! わ、私、イルカさんに乗ってみたいです!!」

「僕も乗ってみたい!! テレビで見たイルカと泳ぐのとかやってみたかったんだ!!」

「私もいいですか!! シャチとかいます!?」

「落ち着いてください、リーア。で、私もイルカに乗りたいのですが……」


と、こんな感じでイルカ大人気、シャチ残念。

まあ、ある種の夢だよな。イルカの背にのって海を往くとか。

ということで、とりあえず、食われないように、魔物たちの顔見せをすることにした。

そう、遊ぶためではなく、まず海難救助隊の命を守るための自己紹介だ。

……一般公開したときは、ちゃんと海難救助隊の顔?をさらしとかないとまずそうだな。


「きゃー、イルカ!! イルカですよ、キルエ!!」

「お、落ち着いてください。愛らしい瞳ですが、我を忘れないでください!!」


うん、シェーラと一緒にキルエも喜んでるわ。

因みに、一応イルカは需要があると予想していたので、複数いる。


「……食べていいのはどれ?」

「……あの魚おいしそう」

「落ち着け2人とも。これは顔見せ。食べちゃいけない魔物たち。いま食えるのをさっきのが取りに行ってるから」


カヤとミリーは食欲に支配されているらしい。

魔物たちも直感的にまずいと思っているのか2人に顔を合わせようとしない。


「旦那様、このプヨプヨした透明なのは……クラゲですか?」

「うむ。たぶんクラゲの魔物じゃろう」

「……クラゲってなに?」

「クリーナさんは見たことありませんわね。えーと、私も小さい頃にしか見たことがないのですが、海に住むスライム?みたいなものでしょうか?」


ルルア、デリーユ、クリーナ、サマンサは透明の球体生物に興味をひかれているみたいだ。


「ああ、それはクラゲの魔物だ。ちゃんと自意識もあるし、こっちの命令も聞く。でも、イルカみたいに一緒に泳ぐというより、上にのってのんびり移動する小島って感じだな。頼めば触手で魚も取ってくれるし、救助もしてくれる。結構便利だぞ。こいつらは」


そう、この魔物はクラゲの魔物で、かなり便利がいい生物である。

水上をふよふよ漂うのが趣味で、潜りもいけるし、柔らかいので上に乗ることもできる。

触手による、支援活動もできるので、ある意味イルカより便利がいい。


「ユキさん。海にもカエルっているんですね」

「カエルはエルフの里でもよく食べてたわ」

「あ、私の村でもカエルはよく食べてましたよ」

「私も、よくお世話になりましたね。行軍中に唯一の新鮮な肉ですし」


トーリの発言はいい。

しかし、エリス、リーア、ジェシカの発言でこのシーフロッグはビビっている。

……やっぱりカエルは食い物で見るよな。

日本でも戦時後にウシガエルを大量に入れて、食糧難を凌いでたぐらいだし。

わかるとおもうが、現在、田んぼなどにいるウシガエルは外来種である。

とても繁殖能力が高く、適応力が高いので、食糧難の時は活躍したが、現在の日本ではカエルを食べること自体を嫌悪してることが多い。

その食料用が逃げ出して、在来種を追い詰めるレベルで繁殖しているので、今では世界レベルで問題になっているウシガエルさんである。

まあ、食うと鳥のような味なので決して不味くはない。


「……とりあえず、食うなよ」

「わかっています」

「大丈夫ですよ」

「はい。食べ物に困ってもいませんし」


3人には一応釘を刺しておこう。

気がついたら一匹減ってたとか嫌すぎるしな。

因みに、トーリはリエルと一緒にカエルの背にのって、海へと飛び出していった。

気が付けば、殆どの嫁さんたちも、自分が気に入った水生魔物に乗って沖合に出ていた。


「きゃー!!」

「イルカさんはすごいのです!!」


沖で、アスリンとフィーリアがイルカの背に乗って海を飛んでいる。

俺も報告を受けたら、沖に行ってみるかな。

と、そんな風に考えていると、浜に残っているラビリスがこちらに来て、海パンを引っ張っていた。


「ねえ、ユキ。なにか緑色?青色?の人みたいなのが入江から歩いて来てるんだけど」

「あら、本当。何かしら?」

「……あれはサハギンですか?」

「……ミリーの言う通り、サハギンに見える。でも体が綺麗すぎる気がする」

「ああ。ミリーの言う通りサハギンだぞ。たぶん体が綺麗なのは、沼地とかに住んでないからだろう」


そう、海難救助隊の総括は海の人、マーメイドはいなかったので、サハギンさんを呼んでいる。

マーメイドはこの世界では人よりで、魔物ではないみたいだ。

マーメイドの国もウィードの大陸にあるらしい。いつか行ってみたいものだ。

で、そのサハギンの姿だが、リザードマンにエラを付けた感じでOK。

あと細かいところで、水かきがあったり、尻尾の尾びれがあったりする。

カヤが言う、綺麗と汚いの区別はつかないが、野生のゴブリンは半裸で、風呂に入らないから、スティーブと野生のゴブリンぐらいの違いだと思えばいいだろう。


「提督。海の方、問題はありません」


サハギンは俺の前に来て、綺麗な敬礼をし、報告をしてくれる。

あ、スティーブたちとは知り合いで、最近はスティーブたちの食卓に海鮮類が多いのはこのサハギンのおかげである。


「そうか。ご苦労。今、嫁さんたちも海にでてるから、そこらへんも頼む」

「はっ、お任せください!! それと、ミリー様、カヤ様、もうしばらく海鮮類はお待ちください。食べごろなのを集めさせていますので」

「わかったわ。……ん、ちょっとまって」

「……その言い方、食べれる物の判別がつく?」


2人は鋭い眼光をサハギンに向ける。


「そ、それは存じていますが……」

「なら、案内して」

「ここで待つのも退屈。食べられるものを自分で獲るのも楽しい」


恐るべし食い意地。

サハギンは俺に救いの視線を求める。

が、俺にはその期待に答えられない。


「頼む」

「は、はぁ、提督がそうおっしゃるなら……。と、すみません。ちょっと提督にお話が有るのでした」


サハギンは案内する脚をとめて、すぐにこちらに駆け寄ってくる。


「どうした?」

「いえ、個人的なことなのですが、ジョン将軍がなぜか野菜をくれる時にキュウリが多いのです。いえ、嫌だというわけではないのですが、ほかの野菜も食べてみたいと部下からの声もありますので、それとなく言ってもらえないでしょうか?」


そう言ってすぐに、ミリーとカヤの案内に戻るサハギン。

その話を聞いていたセラリアとラビリスはあきれて口を開く。


「……ジョンのキュウリ好きも困ったものね」

「そうね。もしかして、キュウリ食べてたら、サハギンが河童になるとか思ってたりするんじゃない?」

「……まさか?」


……否定できねー。

あいつ、ベジタリアンオークから更に、後にキングってついたからな。

文字通り野菜の王様や。あいつ将軍職なのに意味不明。

野菜への執念恐るべし。いや、キュウリか。


「で、そろそろ私たちをエスコートしてくれないかしら?」

「そうね。そろそろ干からびそう」


セラリアとラビリスはどうやら俺を待っていてくれたらしい。

既に、ラビリスは俺の上によじ登っているし、セラリアは手を取ってくれと言わんばかりに手をこちらに伸ばしている。

なら……。


「きゃっ!?」

「ふふ、素敵よ。ユキ」


セラリアを一気に引き寄せて、お姫様抱っこして、海へ走り出す。

クラゲが残っているし、それで沖にいる皆と合流しよう。



まだまだ、海の遊びは始まったばかりなのだから。





後日、ジョンにキュウリの件を問いただしたら、サハギンは河童でないと知って、泣いていた。

曰く、河童こそ、キュウリ職人の最高峰だと思ったから、自分が作ったキュウリの品評を楽しみにしていたんだとか。

……なんでやねん。




さて、8月も、もう終わりです。

よき思い出ができたでしょうか?


あと、前々からあったウィード紹介を別の主人公でいつかやれたらと思います。

まあ、ウィードに出稼ぎにきた青年みたいな、現地の人からみたウィードの話ですね。

むろん、ユキたちは出ますが、脇役で、その青年と周りが主人公のお話です。


……いつかだからな?

期待するなよ?

進たちのほうもあるし、田中もあるし、俺の執筆速度も限界があるんやで?

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