第247掘:人の恋路を邪魔する奴は……
……うん、この連続更新は普通じゃないので、続きません。
本当ですよ。
人の恋路を邪魔する奴は……
side:ポープリ・ランサー ランサー魔術学府学長
「ひぐっ、えぐっ……」
私は嗚咽を漏らしながら、今回の失態を拭うために、エリスさんに言われた条件を満たす書類を書いている。
ちくしょー、なんなんだよ、お説教に参加してた一人で、私を憐れみの目で見てたひとりじゃん。
なのに、今日話してみれば、中身は真っ黒だよ。
なんで、宿の時のマジ泣きを戦略に使ったのがばれたんだよ。
というか、同情しろよ。
そんな事を思っても、状況は変わらない。
どころか、最初で謝っていれば、ここまで酷い状況にならなかった気がする。
「学長、お気持ちは分かりますが、その謝罪とお詫びの援助関連の書類を汚しては、エリスさんにまた……」
「わかってるよ。あのおっぱい中途半端め、サマンサちゃんのが大きんだもんね!!」
「いえ、エリスさんも十分大きいですよ」
「うっさい、大きいのは全部敵でいいんだ。まったく、酷い条件を押し付けられたもんだね」
私はそう言って、ため息をつく。
「でも、殆ど自業自得ですけど。最初から素直に謝っておくべきでしたね」
「最初っから非を全面的に認める組織なんてないの。分かってて言ってるだろ、ララ?」
「はい、こういうのは内々で揉み消すのがお約束です。普通ならお互い探られたくない所を持っていますしね」
「そうなんだよなー、なくても失態をこっちで作り出して、なあなあにできればよかったんだけど……」
「その全てがあっさり躱されて、逆に手痛い仕返しを喰らいましたね。と言う事で、全体的に見れば、相手の力量を見誤ったって感じです」
「ちぇ」
泣いても始まらないし、終わらない。ついでに、書類に不備でもあればあのエリスさんに何を言われるかわからない。
とりあえず、しっかりと用意しろと言われた条約文は作って、ララに確認してもらう。
「……はい、これで問題ないかと思われます。あとは、どの程度ジルバ、エナーリアへお詫びの物品を渡すかですね」
「忌々しい事に、明日にはエリスさんが、向こうに喜ばれて、こっちもそこまで懐が痛まないものをピックアップしてくるってさ」
「本当に、今回のあの方たちは規格外ですね」
「ああ、交渉事については私が知る限りトップだ。まったく、魔術での実力行使ができればなー」
「絶対におやめください。確かに、武力での圧倒する事は簡単ですが、確実に学府が無くなります」
「どっちの意味でいってる? 私の魔術で吹き飛ぶのか、立場的に無くなるのか?」
「どっちもです」
ま、ララの言う通り、私が全力を出せばそうなるよねー。
ったく、でも一度あの連中に一泡吹かせたいんだよ。
「ん?」
その時、エリスさんと結んだ個人的希望が目に入る。
・私たち編入生への行動を妨害しない。
・希望に応じて、魔術研究内容を開示する。
・希望すれば基礎授業を免除する。
・半年の滞在期間中の必要費用は全額学長が負担する。
等々……
うんスゲー、理不尽だ。
あの時は完全に場の勢いに呑まれて、サインするしかなかったんだよ。
まあ、かなり酷い内容ではあるんだけど、これで各国に大失態を宣言しなくていいなら……。
安いか?
あの時を思い出しながら、その契約書をボーっと眺めていると不自然なことに気が付く。
「これは、どういう意味だ?」
「どうしましたか?」
「いや、エリスさんと結んだ個人的希望の契約書に変な所があって……」
「あの、エリスさんが間違いを?」
ララも話を聞いてすぐに、私が見ている契約書に視線を送る。
「この最初の奴だ。私たち編入生への行動を妨害しない。おかしくないか?」
「確かに、編入生の行動を妨害しないではなく、私たち編入生【へ】の行動を妨害しない、は変ですね」
2人で少し考え込む。
このミスを利用できないかと考えているのだ。
個人的な契約書ではあるが、ミスをしてしまっているのだから、これを指摘すれば書き直しで此方に手間をかけるのは間違いない。
多少、ほんの少しではあるが、この件を理由にエリスさんとの交渉で盛り返すことができるかもしれない。
と、私はこの文をミスとして見てたのだが……。
「まさか……」
ララは、目を見開いて驚いている。
いや、悪い想像が頭の中を巡っているような感じだ。
「ララ、どうした? この文にミス以外の意味があるのかい?」
私は軽く聞いた。
「いえ、この文はそのままの意味です」
「は? そのままの意味って、私たち編入生への行動を妨害しない、だと、あの連中はちょっかい出されてもいいって意味だよ? それって面倒じゃないか?」
「学長、この文の真意はそこです。誰でも邪魔ができる。つまり、彼らを知らない、馬鹿な学生がちょっかいをかけた場合、全部、私たちの責任問題になるわけです。ついでに、その馬鹿な行動をとった相手を止める権利も私たちには無いと、書かれているんですよ」
「は……?」
まさかぁ、そんな淡い希望を抱いて、私は口が動くままララに有りそうなことを口にする。
「ほ、他の学府とは関係ない他人がちょっかいかける可能性とかはあるんじゃない? ほ、ほら、私たちが彼等のトラブルに介入して、今までの私たちの不手際を帳消しにさせないためのとかさ?」
「それもありますね。でも、学府の学長相手の契約で、学府に関係の無いことをしますか? ほぼ意味ないですよ。これはあからさまに、学府の体制を調べるって言ってるんですよ。で、不備があればそこをつかれて……」
「更に酷いことになる?」
「恐らくは……」
手出しが全くできない、どっちも考慮済みってことか!?
ひぃぃぃぃ、なにあの人、怖いよ、本当に怖いよ!?
「ふぇ……」
「学長、落ち着いてください!! 泣いても意味がありません。今はなんとかして、この一文を改変させる方法を考えるんです。そうしないと、もう学府の立場が無くなります。まあ、既に立場はないも同然ですが、この事を知らない、実力主義の学生とかが手を出すのは、火を見るよりもあきらかでしょう」
「じ、実力主義がこんな所でじゃ、邪魔を……。ど、どうしよう!?」
「落ち着いてください。まずは、教員や学生全員に対して、編入生へ失礼の無いように釘を刺します。これである程度牽制できるはずです。流石に私たちに睨まれたくはないでしょうから」
「そ、そうだね。あ、明日は緊急に学生をホールに集めて、編入生の紹介をして絶対に手をだすなっていえばいいわけだ」
「ダメです。それは絶対言ってはいけません!!」
「え? でも、手を出すなっていわないと……」
「それを言えば、実力主義の生徒は確実に狙いをつけます。だって、実力主義を提唱している学長のお墨付きで手を出すなとか、まさに狙ってくれというようなものです」
「あ」
「だから、そう言う意味ではなく、編入生は学府のすばらしさを宣伝するために来たと言う事にすればいいかと。そうすれば、無暗にケンカを売る不作法はしない筈です」
「ふむふむ、でもさ、それってやっぱり絶対じゃないよね?」
「それはそうです。あくまでも、これ以上被害を広げないための方法ですから、契約書自体への変更を行う方法がないかぎり、受け身な対応しかできません」
うむむ、そこが問題か、ん?
実力主義、何か引っかかる。
そして私は名案を思いついた。
頭の中がさえ渡った。
あの連中に一泡吹かせるいいチャンスでもある。
「ララ、私が決闘を彼等の誰かに挑むのはどうかな? 契約書の変更をかけて、負ければ何か条件をつければ食いついてくると思うんだけど。建前は決闘を教えるってことにして、そうだな、全生徒の前でやるんだ」
私がそう言うと、ララは目を見開いて、考え込む。
「……いい案かもしれません。その決闘で学生たちへの牽制にもなりますし、学長が勝てば契約書の変更も可能になります。さらに、あの人たちに学長の強さを体感してもらえば、無茶は言えなくなるでしょう。確かに口は上手いですが、力は圧倒的なのですから、自重するはずです」
「でしょ!!」
「学長が負けた場合は最悪ですけどね」
「まあ、そうだけど、これ以上最悪もないでしょ? と言うより、私が負けると思ってる?」
「いえ、学長が負けるとすれば、伝説の勇者様、聖剣使いたちだけでしょう」
「あ、うん。そうだね。と、準備をお願いできる?」
「はい。決闘場の使用許可と学生を集める準備をしてきます」
ララがでて行くのを見送って、私は少しボーっとする。
……いけない。決闘に負けるはずないし、書類をやってしまおう。
明日は楽しみだなー。
side:エリス
「ふふふ……」
「いや、エリス怖いから」
私はそう言われて、自分が笑ってることに気が付きました。
いけないですね。
感情制御ができないと交渉で思わぬ失敗をしてしまう。
「しっかし、あの一文に気が付いたな」
「はい、多少は頭が回るようです」
「エリスお姉ちゃんふかふかー」
「ふかふかなのです」
私は今、ユキさんの膝の上に座って、更に私の上にアスリンとフィーリアが座っています。
昨日の埋め合わせですから当然の権利です。
「……シェーラ、私に抱っこされなさい」
「え、ラビリスの方が身長が……」
「2人を取られて不満なの」
「もう、仕方ないですね」
2人ともごめんね。
ユキさんだけじゃ癒し切れないの。
娘をこっちに連れてくるわけにはいかないし、アスリンとフィーリアを抱っこして癒されるしかないの。
「で、どうするんだ? 予定通りにいくのか?」
「はい、私の気は次の決闘ですっきりしますし、これで予定通りに教員や学生たちが私たちの厚遇に対して何も文句を言わなくなります」
「だな。学長を完膚なきまで叩き潰すんだからな。それで、俺たちにちょっかいを出すのは、余程の馬鹿だろ。その前に負けた学長に対して何かをして叩き潰されると思うけどな」
「ですね」
「まあ、やりすぎたって感じはあるから、ちゃんと仲直りしておけよ。友達だろ?」
「はい、そうですね。恐らく決闘の相手は私でしょうし、ちゃんとぶつかり合って、友情を深めてきます」
「ぶつかり合いじゃなくて、押しつぶすになりそうだけどな」
「いえいえ、そんな周りの人が理解できない圧倒的な力でやってしまってはだめですから、ちゃんと学長に合わせますよ? それで、全部上回ってみせますから」
「……それは押しつぶすどころじゃないからな?」
「でも、未だに監視を続けている聖剣使いたちにはいい情報でしょう?」
そう、私たちは学府へ調べものに来ているが、それだけではなく、エナーリアを襲った聖剣使いの一味の1人、ニーナさんが私たちの情報収集へついて来ているのだ。
残りサポートの1人は、エナーリアに残っているルルア、ミリー、ラッツの情報収集したあと、ベータンの方に向かってこそこそやっているようだ。
「だな、エリスの戦力を見れるから、これで本格的に動くかもしれないな。はぁ、色々一本に絞ってできないな」
「準備は万端ですし、問題ありませんよ。ねぇ、トーリ、リエル、カヤ?」
そうやって、こちらをうらやましそうに指をくわえて見ている3人に聞く。
「あ、はい。砦の方はいつあの規模の魔物がきても対応できます」
「うん、ベータンの方の守りは完璧だよ。僕だけじゃなくてアスリン達もいるしね」
「まかせてー!!」
「なのです!!」
「私の街の方は大丈夫。ミストの部下は優秀だし、ブリットたちもいる」
あの聖剣使いたちも何か事情はあるようですが、私たちがいる街で目標を達成できるとは思わないでください。
ま、そんな事より……。
「ユキさんの予定通り、向こうの防衛準備は出来てますし、大事なのは明日の学長との決闘ですね。どうやって泣かせるかです」
「いや、もう許してやれよ」
だめです。
あの人はまだ大事なことを忘れています。
明日の決闘で最後にはしますが、その忘れたことをちゃんと思い出させてあげます。
そして、次の日、学長たちと私たちの予定通りに学生全体に紹介してもらって、その後、デモンストレーションの決闘をすることになりました。
無論、向こうは賭けを持ちかけてきましたから喜んで受け入れましたよ。
「さあ、エリスさん準備はいいかい?」
「ええ、大丈夫ですよ」
そして私と学長は決闘場の真ん中へ歩いて行きます。
「エリスさんは決闘は初めてだと思いますので、しつこいかもしれませんが、また説明をいたします」
「いえ、そう言うことで、事故を無くそうという心構えは素晴らしいと思いますよ」
「お褒めに預かり光栄です。では……」
ララ副学長は、この場で集まっている学生たちに言い聞かせるように、決闘の説明をはじめます。
1つ、決闘は魔術を使って行う事。武器の使用は認めず、素手での魔術格闘のみ認める。
1つ、急所への攻撃を禁ずる。
1つ、試合の時間は基本20分とする。
1つ、観客へ被害が及ぶような魔術は禁止する。
1つ、決闘場からの滑落は即時敗北とする。
1つ、勝敗の有無は、降参の宣言、審判の戦闘継続不能判断、一定時間の経過の試合終了後判定、違反行為の発覚で決めるものとする。
1つ、決闘で諸問題の解決を図る場合、決して約束を違えてはならない。しかし、約束の内容は審判に申告の上、問題がないか確認し許可が下りなければ成立しない。
1つ、最後まで全力を尽くし、魔術を使え、それが最強に至る道である。
まあ、そんな所でしょうね。
ララさんはそう言い終わると、私たち2人の顔を順に見て、口を開きます。
「では、両者共に決闘のルールを順守することを誓いますか?」
「「誓います」」
その言葉を聞いたララさんは私たちから離れて、巻きこまれないように舞台ギリギリまで下がってから、片手を振り上げ……。
「これより、ポープリ・ランサー学長対ジルバ編入生エリスの決闘を開始します。……始め!!」
振り下ろしました。
わぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ……!!
観客の歓声が響きます。
よく耳を澄ませば、殆どが、学長の勝利を疑っておらず、私のことを可哀想と思っているみたいですね。
まあ、当然だと思います。
でも、ご期待に添えないと思いますが。
「さて、エリスさん決闘が始まったからには、私もそれなりにやらせてもらうよ。君達がいくら編入生で、迷惑をかけたからと言って手加減はしない」
「ええ、それこそ望むところです」
「うん、いい返事だ。でも、流石に一瞬で終わったら意味がないから、君の実力を測りながらやらせてもうらう」
学長はそう言うと、即座に無詠唱でファイアーボールを飛ばします。
「さあ、この程度はどうにかしてくれ」
自信たっぷりに、余裕をもってこちらの実力を測るつもりですか。
なら、私もそうさせてもらいましょう。
パンッ。
そんな音がして、ファイアーボールは消えました。
「へぇ、無詠唱をこなせるんだ。私と同じファイアーボールを当てて相殺したのか。なら……」
そうして、学長は絶対の自信と好奇心を満たす為、徐々に強力で多彩な魔術を見せてきました。
まあ、全部相殺しましたが。
「う、そ。なんなんだよ、君は……」
「そんなことはいいです。そろそろ、時間になりますけど。どうしますか?」
私は決闘場にある時計を見つめていいます。
もう既に試合を始めてから16分。
あと4分です。
いい加減、相殺ばかりは飽きてきたのですが。
「はぁっ、はぁっ、ぐううっ、ファイアーストーム!!」
学長は限界なのか、息を切らして、軽い詠唱をするようになっていました。
もう少し出来ると思ったんですが……。
私は同じように、彼女と同じ物をぶつけて相殺します。
はぁ、もう終わりにしますか。そう思って視界が晴れた先には学長はいませんでした。
「ふっ!!」
そして、私の横でそんな息遣いが聞こえます。
ゴウッ!!
「きゃん!?」
そんな可愛い声が響いて、ドサッ、何かが地面に落ちる音がします。
私は、その音の元に目を向けることなく、ララさんに視線を向け、声をかけます。
「ララさん、時間すぎてますが」
「……が、くちょう?」
「ララさん、正常に戻ってください。まだ戦闘終了と認めないのであれば、転がってるのに追撃しないといけないのですが」
「はっ、はい!! ポープリ・ランサー学長を戦闘不能とみなし、勝者、ジルバ編入生エリス!!」
……わぁぁぁぁっぁああぁぁぁあ!!
しばしの沈黙のあと、会場は歓声に包まれます。
まあ、学長に合わせて魔術戦をしたことが功を奏しましたね。
一瞬で終わらせていたら、八百長を疑われていたでしょう。
「ふぇぇぇーーーん。ず、ずるいよ!! なんで、そんなに無茶苦茶なんだよー!!」
おお、伊達に学長を務めているわけではありませんね。
それなりの炎の防壁を張り巡らせていたんですが、少しの気絶ですみましたか。
さて、私は学長に対して手の平を向けます。
「ひっ!? や、やめてよ!?」
「エリスさん、もう決闘は終わっています!! やめてください!!」
ですが、やめるつもりはありません。
だって、火傷はこの大陸の治療レベルだとあとが残ってしまいますからね。
「え、これって回復魔術」
「うそ、ぜ、全属性を使えるんですか?」
何言っちゃてるんですかって、この大陸は火、水、土、風、雷、癒し、とまあとても魔術の認識が少ないのです。
だから、私如きでもこの大陸では全属性持ちと言う事になる。
「そんな事はどうでもいいです。私が勝ったのですから、ちゃんと約束を守ってください」
そう、そこが一番重要。
「え、あの、ごめんなさい」
「ダメですね。心がこもってません」
「ご、ごめんなさい」
ただ頭を下げて、言葉を紡ぐだけの学長に誠意は見えません。
あるのはただ困惑のみ。
「……学長はなぜ謝らなければいけないかわかっていませんね?」
「え、君達に色々不手際をして迷惑をかけたからじゃ?」
「それは既に謝罪の言葉をもらっています」
そう、私が欲しい約束の謝罪は、私個人への謝罪である。
「……?」
可愛く小首を傾げる学長だが、私はそのしぐさに、流石にキレた。
「あなたのせいで、夫といちゃいちゃする時間が減ったの!! 私に全力全開で謝るのが筋でしょう!! それくらい分かりなさい!! ううっ!!」
泣きたいのはこっちなんです!!
で、その答えを聞いてようやく学長は真剣な顔つきで、綺麗な土下座をして……。
「申し訳ございませんでした!!」
漸く私の満足のいく謝罪をしてくれたのでした。
あのあと、なぜか、負けた学長より、勝った私が学府の全員にいたわられる不思議な事態が起こりました。
でも、そんな事は些細なことです。
ユキさんがその日はとても優しくしてくれたので、とても嬉しかったです。
で、今回で学長が完全に落ちて、学府編でのトップを抑えた形となりました。
まあ、エリスを泣かせた学長が悪い。
人の恋路を邪魔する奴は……の典型的な例です。
しかし、まだまだ、これからだ本番。
いいか、この学府には主人公がいる。
さあ、頑張るのだ、ユキ、タイキよ!!