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第112掘:諸国会議

第108掘:事情説明と夫の故郷 の感想は多数に及びました。

多くの感想ありがとうございます。

有罪判決が多かったですがw

ここで、まとめて返答とさせていただきます。

ありがとうございました。

諸国会議




side:エリス



さて、お祭りは大きな問題もなく終わり。

表向きにはお祭りは終了。


私達もユキさんにウェディングドレスを着せてもらい、結婚式を大々的にやり、街の皆に私達の存在を再度知らしめると共に、お祭りの熱気を高めることにも成功しました。

夜はしっかりユキさんをいただきましたが、それはおまけのお話。


ウィードは日常に戻りつつあります。


が、諸国は違います。

諸国はこれからが本番なのです。


お祭りの期間に見せた、この街の経済力、技術力、ゲートという交易の簡略。

ロシュール、ガルツ、リテアの3国を通じて、何としても繋がりを持とうと必死です。


あ、結婚式のさい、私達がウィードの重鎮と知って顔を青ざめた貴族も数人いました。

いい加減しつこい人がいましたからね。



「では、こちらの場所をお使いください」


現在私は、建国祭のあと交渉の為に残った貴族の方々に、会議場所を提供している。

ここの繋がりを持ちたい貴族達は部下や一部を祖国に伝令として戻し、残りはウィードにとどまりお互いを牽制し、少しでも他国よりいい条件を得ようとこちらの顔色を窺っています。


「ほお、ちゃんとした場所ではないですか」


一人の貴族が褒めるように会議室を覗いている。

当然です。

この様な事態を予測して貴賓が使える会議室を10も用意してあるのです。

一室当たり20人がゆったり座って話ができるように、広さも取っており、防音対策もしてあります。

まあ、全部私達には筒抜けですが。


「皆さまに不便なく利用していただくためにご用意しております。こちらの方に……」


そう言って、コピー用紙や、筆記用具、その他の飲料や菓子などの置き場所を説明していく。

メイドや従者はそれを良く聞き、主に不便をさせまいとしている。


「そして、其方の個室がトイレになります」

「会議室にトイレを付けてあるのか!?」

「なんと贅沢な!?」


驚きの声が上がります。

このトイレですが、ウィードの技術で一番驚かれたと言っていいでしょう。

最初に何としても路上で用を足すのは防ごうと私達が四苦八苦したのを覚えています。

他の村や街では至る所で、キツイ匂いがありましたが、ウィードは違うのです。

絶対にトイレで用を足していただくために罰則金制度を設けたくらいです。

街の住人にも協力していただき、知らない人をトイレへ誘導し、説明を徹底的にしました。


一番罰金が多かったのは冒険者区です。

ミリーは自分の管理区が汚物にまみれ大層怒ったそうで、冒険者にトイレ取締警備をクエストとして出したぐらいです。


「はい、ここは会議の為に用意いたしましたので、長時間ここで会議ができるように作ってあります。トイレの為に、他の会議室の前を通り、密偵の扱いを受けさせないためでもあります」

「なるほどな。他の国々もいるのだ、要らぬ争いが起こらない為の配慮ですか」

「その通りです。ですが、念のため外に自国の従者達を警備に回すこともおすすめします。一応色々考慮しておりますが、一番は信頼できる人の警備になりますので」

「確かに、こちらから表の警備を任せる者を選出しよう」


そうやって、会議室を使っている貴族達が準備を始める。


「では、私はこれで」

「ああ、エリス代表案内感謝します」


私はそう言って、会議室を出る。

そうやっていると、ミリーやラッツ、トーリなど他の皆と合流する。


「どうでしたか?」

「特に問題もなく」

「こっちも特に問題はありませんね」


話をしながら会議室の上、庁舎の会議室に戻る。

この会議室は私達ウィード専用の会議室。

無論、ここにも人が集まっている。


「お帰りなさい。エリス、皆、どうだったかしら?」


そうやって会議室でのんびり書類を片手にお茶を飲みながらセラリアが声をかけてくる。

先ほどと同じように問題なしと全員が言って席に着く。


「あら、気が逸った馬鹿が我先にとラッツとかミリーに声をかけてくると思ったのに」

「それよりもお互いの牽制で忙しいみたいですよ。まあ、私達に皆の前で声をかければ、会議で肩身が狭い事になりかねませんから」

「まあ、それもそうか」


ラッツの言う通り、今回の会議は一国のみではなく、周辺諸国の合わせなのだ。

一国なら割り当てられた旅館の個室でやればいいですし、会議室を貸し出す理由もない。


「で、どんな感じで諸国は集まっているのかしら?」

「概ねセラリアとユキさんの予想通りですね。ロシュール、ガルツ、リテアと3国の庇護下同士で固まって会議室を借りています」


私は持った資料を見ながら答えます。

今回の諸国会議ですが、言っての通り近場の国同士で集まって話をしているようです。


「ふむ、やっぱりそうなったか。貴方はどう思うかしら?」


セラリアはそう言ってユキさんに声をかけています。


「ん、そりゃそうだろう? お互いに国を豊かにしたいんだ、抜け駆けをさせないため、動きをけん制したいため、他の国よりも周りの国を先に話を付けて、足を引っ張られたくはないだろうよ。と、それより飲み物何がいい?」


ユキさんはのんびり冷蔵庫を開けながらこちらにそう聞いてきます。


「私はコーヒーを」

「お兄さん、紅茶で。冷たくていいですよ」

「……お茶」


皆遠慮がありませんね。

ユキさんも特に問題なさげに、ほとんど全員違う注文をパパッとこなしていきます。


「エリスはミルクティーだったよな」

「ありがとうございます。ごめんなさい、妻の私達がユキさんのお世話をしないといけないのに」

「気にするな。面倒事任せてるんだから、これぐらいはな、キルエも手伝ってくれるし何も問題はないよ」

「はい、エリス様どうかお気になさらず。旦那様は私が支えます。奥様方はどうかウィードの為に力を振るってください」


シェーラのメイドでしたが、今ではキルエは私達全員を世話をしてくれます。

本当に優秀な人です。


「しかし、旦那様。諸国の会議はまとまると思いますか?」


ルルア様は担当の会議室のモニターを見て呆れている。

その言葉で全員が担当会議室を確認してみる。


『馬鹿か!! ウィードと先にゲートを開くのは我が国だ!!』

『ありえん!! ゲートはこちらが先だ!!』


『いいか、我らはこちらの物資を優先的に回してもらう』

『はっ、冗談は他所でやれ。其方の物資はこちらが優先よ』


『これで、其方からバカ高い値段で取り寄せることも無くなったな』

『何を、其方だって此方に吹っかけているのはしってるんだぞ!!』


と、こんな感じで会議というか、ケンカですね。


「いや、まとまるだろう。今はそうやって互いの主張をしているが、早く設置順番を決めたほうが他よりも早く設置に移れるんだ。頭の回る奴はそれに気が付いて、さっさと会議が終わるだろうよ」

「なるほど、一組でも会議が終われば他は焦る。とりあえずでも、一旦会議を終えて設置に移ると言う事ですね」

「そういう事。値段関連は、ゲートがあるんだし、これからの交渉次第。そこそこの値段で落ち着くはずだ。そこら辺はまあいいとして、これから無理に優先してくれと袖の下、賄賂、お金を渡してくるだろうがそこら辺はどうする?」


セラリアにユキさんは視線を映します。

そうですね。

賄賂は嫌いですが、国としては必要な事もあります。

判断は一応領主であるセラリアの意見が大事です。


「はっ、却下よ。そんな事した馬鹿共はお引き取り願いなさい。ここのあり方を汚しているとしっかり伝えなさい。しつこいなら、各国に伝えて晒し者にするわ」

「過激ですねーセラリア」

「当然よ。何のためのウィードかわからないわ。ここは民の為の国なのだから」


セラリアの発言に皆頷きます。


「これからさらに忙しくなるわよ。勇者様との戦争に、諸国へのゲート開通、魔王軍の動向、ルーメルの状況が分からないなど、やることは一杯あるわ。皆、国の為、民の為、そして夫の為に力を貸して頂戴」

「「「はい」」」


そう、建国しましたがまだまだ始まり。

ユキさんが大陸を救う為の一歩でしかない。

そんな風に皆気持ちを引き締めて、今後の話を進めていく。


そのうちにある一つの書類がユキさんの目に留まる。



「今回の不参加国一覧ね。……国の位置を確認しとかないとな」


そう言って、ユキさんはその国々の名を睨み付けていた。

報告です。

確定は分かりませんが、書籍化申し出がありました。

出版社は伏せさせていただきます。

まだ話もしてないので、流れる可能性もありますが、読んでくれている皆さんにはご報告をと思いました。

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