幻影 - Black Star(1/3)PDFで表示縦書き表示RDF


「漆黒の星≪ブラック・スター≫」のお話です。主にキッド視点で書いていきます。

新一×蘭×快斗 もしくは 新一×蘭←快斗のようになりますので、快斗×青子しか受け付けないという方はご注意ください。
幻影 - Black Star
作:Sui



■chapter 0 愚者


 ―― 工藤新一に関する調書 ――

 工藤新一。
 帝丹高校2年B組。
 身長174cm、体重58kg。
 父親は世界的に有名な推理小説家、工藤優作。
 母親は元女優、藤峰有希子。
 現在は米花市米花町の豪邸で一人暮らし。
 幼なじみで恋人と噂される、毛利蘭が家事の面倒をみている模様。
 推理オタクであり、中でもシャーロック・ホームズの大ファン。
 通称、「東の名探偵」「平成のシャーロックホームズ」



 ――白馬とは違うタイプの探偵……そして、初めて怪盗キッドを追い詰めた男。



「げっ。すっげーおぼっちゃんじゃねーか。白馬といい、工藤といい、探偵は金持ってねーと出来ねぇのか?」
 黒羽快斗はひとりぐちると、受け取った資料に目を通しながら、ロッキングチェアから両脚を放り出した。
 亡き父の付き人であり、怪盗キッドの良き協力者である寺井黄之助から、工藤新一に関する調書が揃ったと連絡を受けたのが今朝のこと。快斗は授業が終わると早々に寺井の家に足を運んでいた。


 それにしても。と、寺井はすっかり寂しくなった頭をかいてつぶやいた。
「快斗ぼっちゃまにそっくりですな。顔かたちだけでなく、背格好や声まで」
 メガネの奥の、目尻にシワを刻んだ優しげな瞳は、ディスプレイに映し出された高校生探偵のインタビュー動画を追っている。
「いやぁ、ラッキーだったぜ」
 快斗はイタズラを思いついた子供のようにニヤリと笑った。
「鈴木財閥関係者を洗っていたら、工藤新一が出てきたんだからな」

 快斗がパチンと指を鳴らすと、三枚の写真が指の間から現れた。

「ブラック・スターに近づくには……三女の鈴木園子か、彼女の親友でもある毛利蘭か、工藤新一か……だな」

 寺井は、机の上に置かれた毛利蘭の写真を手に取ると、感慨深げに口を開いた。
「"工藤新一"が"黒羽快斗"にそっくりなだけでなく、幼なじみである"毛利蘭"と"中森青子"もそっくりだとは……なにやら、因縁めいたものを感じますな」
「そっかぁ?」
 快斗は資料から別の写真を取り出し、ニヤリとすると、だらしなく顔を崩して眺めはじめた。
「青子よりずっとスタイルいいぜ」
 その台詞で寺井は、快斗の手にある写真がどのようなものか、想像がついた。手に入れるのにとても苦労した……毛利蘭の水着姿の写真であろうことが。



「工藤新一は、最近は事件にかかりきりで学校に来ていないようですな」
「そうみたいだな。一度間近で拝んでみたかったけど……まぁ、とりあえず今回は工藤に変装して敵状視察といきますか」
 快斗は蘭の写真を胸ポケットにしまいこむと、ゆるんでいた顔を引き締める。そして、工藤新一のデータを頭に叩き込むべく、口調・癖・嗜好・思考手順などをトレースし始めた。


「声は……ほぼ同じだから問題ないな」
 目を閉じて工藤新一の声を何度も聞きなおすが、自分が話しているのかと勘違いしそうになるほど、快斗の声と似ている。


「資料から察するに、目立ちたがり屋で自信家。それに……キザだな。……って、人のこと言えねー……」
 快斗は半笑いになって、目を通していた工藤新一の言語録から顔を上げる。


「高校生探偵なんて言われてるし、かなり切れるヤツだな。白馬と同等か……それ以上か……」
 初めて工藤新一と対峙したあの時計台事件の夜。町のシンボルであり、思い出の場所を守ろうとした怪盗キッドを、かつてない窮地に追い込んだ高校生探偵。
 あのスリルに満ちた夜を思い出すと、快斗はゾクゾクするような感覚に知らず口端を持ち上げていた。


「さぁて……鈴木家の面々は調査済み。鍵になる鈴木園子と毛利蘭を観察させて頂きますか。それに、毛利蘭から工藤の情報を仕入れられるかもしれねーしな」
 これからも怪盗キッドの前に立ちはだかるであろう、工藤新一の弱みを握れたら面白いと、ほくそ笑む快斗であった。



様々なところでニアミスするキッドと蘭。
特に劇場版の作品で「もしかしてキッドって!?」みたいな場面が多々あります。
そこで、キッド視点で「名探偵コナン」を書いてみたいなぁと思うようになりました。
書ける時間が少ないので、更新のペースは遅くなりますが、楽しんで頂けると嬉しいです。

誤字脱字等おかしい部分がありましたらご指摘ください。
また、感想など頂けると励みになります。











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