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「‥ここ‥‥何処‥?」
気付くと見知らぬ場所に佇んでいた。
周りは見渡す限り目に鮮やかな緑の草原。
「………。
確か自分の部屋でゲームしてたと思うんだけど‥」
自分の記憶を辿ってみたけれど、思い出せるのは
今 話題騒然、人気爆発中のゲームを遊んでいたところまでだ。
「う〜〜ん‥
とりあえず誰かいないか探してみよう‥」
不可思議な状況に置かれている割には冷静に考えている。
それはこの場所の陽射しや爽やかな風が気持ちよいからか、この一面の草原に現実味がないからか‥。
心のどこかで きっと夢だろう…と思っているからかもしれない。
「……
何にもないなぁ……」
しばらく歩いてみたけれど生い茂る草以外には何も見つからない。
「あ゛〜〜
ほんと、何なんだよ‥」
あまりの訳の分からない状態に若干苛立ってくる。
……と、視界の片隅に何か光るものを見つけた。
「……何か…ある?」
気持ち速足になりながらそこに向かう。そこには…。
「…………宝箱??」
そう、RPGでよく見かける赤地に金色の縁取りの箱が鎮座していた。
……ふと その箱に見覚えがある気がした。
じっ‥と、観察してみる。
「‥え!?
あ、これって……!!」
その宝箱に見慣れた紋章を見つけた僕は、つい声をあげていた。
それはさっきまで遊んでいたゲームに出てきた物とそっくりだったのだ。
というか、まさしく同じだと言っていい。
「………??」
やっぱりゲームの途中で寝てしまって夢でも見ているのだろうか。
……でもこの風の感触や草の青々しい匂いは本当に夢なのか?
恐る恐る、頬を抓ってみる。
「……痛ッ!!」
ちゃんと痛みが感じられた。
と、いうことはこれは夢ではない…のかもしれない。
「い‥いや、でも
夢だからって、痛みを感じないって決まってるわけじゃないし‥」
希望的観測を述べてみたが、頭ではコレはやっばり現実なんだ‥と何故か納得していた。
誰がこんな場所を用意し僕を連れてきたのか……色々な疑問が頭を過ぎるが、頭は依然 冷静で恐怖もない。
「……ま、いっか」
別に危険そうな事もないし‥。
気楽に考え視線を宝箱に戻す。
好奇心の赴くまま開けてみようか…。でもこれが本当にゲームに倣っているのなら、罠があるかもしれない。
「う゛〜〜〜…」
しばらく悩んだものの、僕は好奇心に負け宝箱に手を延ばした。
──すると。
ぴろりろりん♪
軽快な音と共に、急に宝箱が開いた。
「うおッ!!?」
思わずのけ反り、尻餅をついてしまう。
「な、ななな何だよ‥ッ!!」
ビクビクしながら勝手に開いた宝箱を見ると、そこには“剣”があった。
……空中に浮かんで。
「‥え?マジ!??
…………あ、そっか〜」
一瞬 本当にファンタジーの世界に来てしまったのかと思ったが、今の時代 空中に浮かべる事なんて造作もないだろう。
「あ〜〜
マジでびびった‥」
とりあえず罠ではなかったことに安堵し、今度は浮いている“剣”をマジマジと見てみる。
こちらも柄の部分には紋章が刻まれていた。
刃は子供のオモチャとして売っているようなプラスチックではなく、本物の金属のようだ。
陽の光りを受け鈍く光りを放っている。
その光りに誘われるように、僕はその柄をいつのまにか握っていた。
かなり重いのだろう…との予想に反し、その剣は驚くほど軽かった。
試しに軽く振ってみたが、重さを感じない位 素早く振り切ることができた。
剣の先に軽く触れた草がパラパラと落ちていたので、作り物ではなく本物の刃なのだろう。
切れ味もとてもいいみたいだ。 |