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第十九章
「あれってね」
「じゃああれか」
「もう時間がないんだ」
 彼等もすぐにそのことがわかった。
「天使達にとっても」
「じゃあここはやっぱり」
「だろうね」
 小田切君はここでようやく確証を持てるようになった。
「仕掛けて来るよ」
「そうか。それじゃあ」
「見せてもらおうか」 
 殆ど天使達を応援しているような感じだった。天使達はその中で一旦間合いを開けた。そうしてそのうえでそれぞれの両腕を手刀の形でバツの形にクロスさせた。
 それから。こう叫んだのだった。
「ゆっくり!」
「スペシウム!」
「まんまだよな」
「うん、そのまま」
 今の技にすぐに突っ込みを入れるライゾウとタロだった。
「あの光の国の戦士のな」
「そのままだよね」
「まあいいんじゃないの?」
 しかし小田切君はそれをよしとするのだった。
「だってさ。相手も相手だし」
「それもそうか。殆ど怪獣ものだったしな」
「それもありだね」 
「そう考えるといいよ」
 半ば強引にそういうことにしてしまう小田切君だった。
「そういうふうにね」
「わかったよ。それじゃあな」
「そう考えるよ」
 ライゾウもタロもそれで納得した。その間に天使達の両腕から放たれた光の帯がマスコットを直撃する。
 それで終わりだった。マスコットは動きを止め次には派手に爆発して消えてしまった。その後に残ってたものは何一つとしてなかった。
「終わったわね」
「ええ」
 先生達はそれまでマスコットがいた場所を見て微笑み合うのだった。
「これで地球は守られたわね」
「人類の平和は」
「それじゃあ天使さん達」
 言い合ったうえで二人で天使達に声をかけるのだった。
「今回は有り難う」
「これは御礼よ」
 こう言って彼女達に差し出してきたもの。それは。
 チョコレートであった。白い何メートル四方もあるチョコレート。それを出してきたのである。
「巨大チョコレートですね」
「それもホワイトじゃな」
 そのチョコレートを見て言う小田切君と博士であった。
「あれは」
「あれをあの天使達にやるのじゃな」
 その通りだった。先生達は魔法でその巨大ホワイトチョコを上に浮かべさせそのうえで。天使達に渡したのであった。
 天使達はそのチョコレートを受け取った。二枚あった。それで一人あたり一枚ずつ貰ったのだった。
「今回の御礼よ」
「よかったら食べて」
「ゆっくり!」
 ここでもこう答える天使達だった。
 そのチョコレートを受け取ってから天使達は去るのだった。額の赤と青に点滅するタイマーを輝かせながら。
 六枚の翼を羽ばたかせそのうえで。彼女達は天に戻った。
「ゆっくり!」
 最後の言葉もこれだった。これで一連の激しい戦いは終わったのだった。
「じゃあ今日子ちゃん」
「ええ、香織ちゃん」
 二人の先生達はまた顔を見合わせて言い合う。
「晩御飯は何がいいかしら」
「懐石料理はどうかしら」
 今日子先生はにこりと笑って今田先生に提案してきた。
「それはどうかしら」
「懐石料理ね」
「いいお店知ってるの」
 そのにこりとした笑みでまた言う今日子先生だった。
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