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3話「マユ」
「え・・・・・・サク・・・ライン?」

真司は思わずその言葉の意味を尋ねていた。


「キミが来たせいで融合値が『88:78』になったわ。 どう責任取るつもり?」

黒いローブを纏った少女は右手に持ったスライド式携帯の画面を見ながら
不機嫌そうな表情でそう言った。

「ん?・・・・・・あれ、さっきまで『88:88』だったのに減った? ってか、ここはドコ?」
「・・・・・・まさか偶然、こっち側いきたというの?」
「えぇ〜と・・・・・・、よく分からないんだけど、気がついたらこの砂漠いたんだけど・・・・・・」

少女はため息をついて、眉間にシワを寄せている。
う〜ん・・・・・・と唸った少女はふと顔を上げて、真司の方を見た。



「仕方ないわね・・・・・・。ここにいると危ないし、移動するよ」
「危ないって・・・、何で?」

真司の質問をスルーし、少女は携帯電話の『MAGIC』と書かれたボタンを押した。
すると画面は真っ白に変わり、『Magic Mode』という黒色の言葉と、
その下に点滅する括弧が映し出された。

素早くボタンを押し、何かを打ち込んだ少女。
画面に映った括弧の中には『E@A E@G』という意味不明な文字列と『召喚 絨毯』という言葉が表示されている。

「よし!」

少女はそう言うと携帯電話の決定ボタンを押す。
次の瞬間、雲の割れ目から一筋の光が射し込み、少女の真横に全体が真っ赤な糸で編まれ、淵が金色の糸で編みこまれた小さめの絨毯(じゅうたん)が突然現れた。


「ぬおっ?!」

あまりに突然の出来事におかしな声を上げた真司。

「さ、早く乗ってよ」

少女は、地面の上に敷かれた絨毯(じゅうたん)の上に座り込んだ。

「え、乗ればいいの・・・・・・?」
「うん」

真司は恐る恐る少女の後ろに座った。
すると、突然の浮遊感が全身を襲う。
辺りを見渡すと真司と少女を乗せた絨毯(じゅうたん)は地面から1mほど離れて浮かんでいた。

「な、なんだコレ・・・・・・?!」
「そういえば、まだ名前を聞いていなかったね。 アタシは有鞘マユ(ありさやマユ)
「あ、俺は佐倉真司・・・・・・って、うおわぁぁぁぁぁ」

マユと真司を乗せた絨毯(じゅうたん)は、ジェットコースター並みのスピードで砂漠地帯を進み始めた。
真司の絶叫が響き渡る・・・・・・。







しばらく飛び続けるた2人だが未だに周辺は砂漠のまま。

「・・・・・・し、死ぬかと思った」

真司は青白い顔をして地面に座り込んでいる。
少女・マユは携帯電話をローブのポケットから取り出し、また文字を打ち込んでいる。
画面に表示されている文字は『.JNM 穴』。
すると、地響きと共にマユの横に深く大きな穴が開いた。

「ほら、座ってないで行くわよ」

マユは躊躇(ちゅうちょ)せず穴に飛び込んだ。

「え、おいおい・・・・・・さっきからマジで心臓に悪いことばかりだな・・・」

嘆く真司を余所(よそ)に予想外な出来事が起こった。
真司の座り込んでいた地面に、マユが飛び込んだモノと同じ暗くて深い穴が出現した。
もちろん、瞬時に避けることができず落下する真司。

 「うおわぁぁぁぁぁぁ!!」

風を切って、落下を続け・・・・・・





ドッボォォン!!
体が急に冷たくなり、真司は水の中に落ちたのだと知った。
足がつかない深さだったが、自然と体が浮かぶ。
水面上に顔を出すとそこは広い空洞で、近くには陸地もある。

「・・・・・・水か、冷たいな」

真司は上を見ると遥か上には小さな穴が空いており、小さな光が差し込んでいる。

「結構落下したんだな・・・・・・」

そう呟いた瞬間、真司の顔は突然険しくなった。


「み、水ってことは・・・・・・」
「ねぇ、早く上がらないと風邪ひくよ〜!」

一足早く陸地に上がっていたマユが大声でそう言った。

「うおぉ、携帯がヤバイぃぃぃ!!  っていうか、強制的に落とすことないだろ!」

慌てて陸地へ駆け上がった真司は、ポケットから携帯電話を出して必死に水気を取ろうとしている。

「とりあえず、火を焚いておくわ」

またボタンを押して何かを入力、『薪 PB』と表示される。
大量の薪が現れ、さらに入力を続ける。
画面には『火 N』と表示され、マユの持つ携帯電話が赤く光ったかと思うと、薪に向かって燃え盛る火の球が飛んで行った。


「さ、さっきから何なんだ、その携帯は・・・・・・?」

何度も目の前で少女が起こした謎の現象にもう真司は驚くことはなく、興味を持ち始めていた。

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