ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
27話「魔法協会 対 魔桜団」
怒り狂うボルトローと戦っているのは、アンナ率いるニホン部隊B班。

「タァッ!!」

アンナは黒い薙刀で斬り裂こうとする。
だが、岩の盾で防御するボルトロー。
魔力を失った岩の盾は、ばらばらになって地面に散らばった。

「後ろにもいるわ、よぉん!」

岩のハンマーを振り下ろしたカブちゃん。
ボルトローは『高速移動』のコードで回避。
アンナたちと距離を取り、離れた場所まで移動したボルトロー。
突如、大きく咆哮したかと思うと次の瞬間、全身を岩の鎧が覆った。

「まさか、ヤツも『憑依』が使えるのか!?」

アンナは黒い薙刀を構えた。

「グゥゥゥゥゥ・・・アキラの仇・・・・・・!!」

岩の鎧を纏い、頭部には1本の鋭い角、背中には無数の棘が生えている。
ボルトローは地面を踏み鳴らしながら、アンナたちにゆっくり近づいていく。

「ヤツはスピードが遅いようだな。 総員、高威力の魔法で攻めよ!!」
「なら、私もやらせてもらうわよ!」

先陣を切ったのはミドリだった。


 『台風暴風大旋風たいふうぼうふうだいせんぷう G−O@@O@G−O@』


巨大な竜巻が出現し、ボルトローを飲み込んだ。

「岩が風などに負けるものかッ!!」

虫を掃うようにして手を動かすと、巨大竜巻が消滅した。

「まだ終わってないわよぉん!」


 『変化(へんげ) 岩石大明神がんせきだいみょうじん  A ABG−Q@E』


ボルトローの前に巨大な岩の巨人が姿を現し、巨大な斧を振り下ろす。
だが、その攻撃をいとも簡単に両手で受け止めたボルトロー。

「こんな攻撃、効かぬッ!! グオォォォォォ!!」

ボルトローはその巨大な斧を奪うと、それを片手で振るって岩石大明神を真っ二つにした。

「これが魔桜団か。 強すぎる・・・・・・だが、負けはしない!」


 『漆黒薙刀(しっこくなぎなた) ECJBJG』


アンナは携帯を、先ほど出現させていた黒い薙刀よりもさらに黒く、闇の力が濃い薙刀へ変化させた。
地を蹴り、宙を舞ってボルトローの頭上から斬りかかったアンナ。
だが、ボルトローは避けることはせずにその斬撃を右腕で受けた。
薙刀の刃はボルトローの右腕の分厚い岩の篭手に突き刺さっている。

「この姿は動きが遅いのが弱点だ・・・・・・しかし、これでようやく1人殺せる!」

ボルトローの左腕がアンナに迫る。

「殺されてたまるかッ!」

薙刀を元の携帯に戻したアンナは、ボルトローの左腕を素早く避けて距離をとった。

「・・・・・・いい判断だ」
「お前、今の攻撃は闇だぞ?」
「俺が纏っているこの鎧は魔力を持っていない。 俺の身体と接している面にのみ魔力がある」

そう言うと、アンナたちに棘の生えた背中を向けた。
ハッ!とアンナはボルトローの次の行動を読み、すぐに大声を上げた。

「総員、防御壁の魔法を展開せよ!」

次の瞬間、無数の棘がニホン部隊B班を襲った。
ザシュ、ザシュ、ザシュ・・・・・・、という地面や体に突き刺さる音。
戦闘員たちの悲鳴やうめき声。
土埃が舞い、辺りが見えなくなった時点でボルトローは攻撃を中止した。

少しずつ視界が晴れていく。
最初に現れたのは、無残にも岩の棘に全身を貫かれた戦闘員。
次に現れたのは黒い壁。
その裏側にはアンナが隠れていた。

「くっ・・・・・・我ながら反応が少々鈍かったな・・・・・・」

そう言いながら左肩に刺さった1本の棘を抜き、『治癒』で治療を始めた。

最後に現れたのは巨大な岩の壁。
カブちゃんが発動したものだ。

「みんな、大丈夫ぅ?」

後方にいたミドリや他の戦闘員たちは、カブちゃんの防御壁のおかげで傷ついたものはいなかった。

「全員倒せなかったか・・・・・・」

ボルトローは再びアンナたちの方を向いて、そう呟いた。







同じ頃、未だダーイスの魔法壁を突破できないリキたちは さらに苦戦を強いられていた。

「そいつの周りに浮かんだタロットカードには気をつけろ。 何が起こるか分からないからな・・・・・・」
「さて、どうします? 未知の魔法を持った相手に、どう戦うのか見物です」
「・・・・・・フンッ、ならこれでどうだ?」


 『究極炎上障壁きゅうきょくえんじょうしょうへき B@BC_E@E@B』


リキが携帯を振ると、ダーイスの周りに天まで伸び、常に燃え盛る巨大な炎の壁が出現した。

「こんなことをしても、暑さなど感じません」
「あぁ、それでいいんだ。 その魔法は並大抵の攻撃じゃ消し飛ばない」
「・・・・・・まさか!」

ダーイスの顔が見る見るうちに青ざめていく。

「魔力ってのは、空気の中の酸素に含まれている。 つまり、魔力壁に遮断されるわけだ」
「呼吸とともに私のいるこの魔法壁内の酸素を減らし、私を殺すという算段ですね・・・・・・」
「その通り。 だが、呼吸するために魔法壁から出ようとすればその炎がお前を焼き払う」
「くっ・・・・・・」

ダーイスはサイコロを魔法壁外にばら撒くが、炎の障壁によって一瞬で焼失した。

「・・・・・・とりあえず、こいつは放っておくか」

そう呟き、リキは辺りを見渡す。
すると、赤ローブを纏った黒髪の少女が都市の方へ飛んでいく様子が視界に入った。

「あの小娘、街まで破壊する気か! 街にはマユが真司のサポートを行うために隠れている・・・・・・お前たちは、B班の援護に回れ!」


 『超高速移動(ちょうこうそくいどう) H@@C−@』


リキは目にも止まらぬ速さで都市へ攻めるクロナを追うのだった。








その頃、チュウゴク部隊はンフィスと戦っていた。

「動物たちを凶暴化させるなんて許せまセン」

タウは白く光る刀を逆手に持って構えていた。

「その光の封印効果、ホントにウザったいネェ〜。
 せっかく、凶暴化の魔法を使ったのに、全部元に戻っちゃったヨォ〜」

黒い体の1つ目巨人『サイクロプス』の肩に乗っているンフィス。
サイクロプスの周りには大量の凶暴化した動物たちがいた。
上半身が人、下半身が馬のケンタウロス。
大きな翼が生えた馬のペガサス。
黒きマントを纏い、血の気のない顔、鋭い歯を持つヴァンパイア。
顔が赤く鼻は高く、山伏の服装をし、翼を持つ人間似の天狗。

だが、タウの持つ魔法を封印する属性『光』の力により
その大軍の半数以上はすでに正気に戻っていた。
それどころか、タウ側の味方となってンフィスを威嚇している。

「・・・・・・ホントにウザったいから、死んでヨォ!!」


 『死滅波動(しめつはどう) ESIM@』


ンフィスの左手から放たれた見えない何かは、次々と動物たちの命を奪っていく。
危険を感じたタウは、すぐに光の防御壁魔法を発動。
死滅波動はンフィスの周囲にいた全ての動物や人が一瞬にして殺した。
もちろん、ンフィスの乗っているサイクロプスや味方の動物まで・・・・・・。

「・・・・・・ひどイヨ」

タウは、ヒヒヒィ、と笑っているンフィスを睨みつけている。

「それじゃ、とっておきの魔法を使ってあげるヨォ」


 『変化(へんげ) 屍王(しかばねおう)  A EAM/@』


辺りに散らばっていた動物たちの死骸全てが一斉に宙に浮いた。
地面に倒れていたサイクロプスは操り人形のように起き上がり、中に浮かんていた死骸がくっついた。
そして、人型かすらも分からないゾンビのようなものが誕生。
何の声か判別不能なうめき声が様々な身体の部位から発せられている。

「・・・・・・その魔法も、さっきの魔法も禁止されてイル!」
「禁止魔法なんて、関係ないサァ。 命の尊厳や大切さなんて、気にしないヨォ」

ンフィスのその言葉で、タウの怒りのボルテージはMAXを超えた。

「許さナイ・・・・・・命を弄んだあなたは絶対に許さナイ!」

タウの三つ編みが解け、黒い髪が逆立ち始めた。

「屍王、この女を殺すんダァ!」
「許さナイ!!」


 『魂魄浄化(こんぱくじょうか) MCE@A』


屍王に向けて、タウは携帯を振るった。
すると、雲の合間から光が差し込んで屍王の身体を照らした。
キャァァァァァァァ!!と聞いてはいられないほど禍々しい叫び声が辺りに響いた。
ンフィスは耳を塞いでいる。
光の中で屍王はのた打ち回り、しばらくすると暴れるのをやめて静かに光の粒子へと変わっていった。

「よくも俺の作品を台無しにしてくれたナァ!!」
「攻撃はまだ終わっていナイ・・・・・・!」


 『光拘束(ひかりこうそく) NAX@C』


「うぐぁッ! み、身動きガァ・・・・・・」

手足に光の輪が拘束具として取り付き、ンフィスはバランスを崩して地面に倒れた。

「これで抵抗はできまセン・・・・・・その人ならざる身体を浄化しマス・・・・・・!」
「や、やめロォ!!」


 『聖なる光 −JYNAX』


タウの持つ携帯の画面から放たれた光は、ンフィスの全身を照らした。

「ウア゛ァァァァァ!! か、身体が溶けえぇェェゥァァァ!!」

体中から黒い煙を上げるンフィス。
手足が少しずつ消え始めている。

「あなたからは生命の伊吹が感じられまセン・・・・・・無に戻りなサイ・・・・・・」
「ガァァァ・・・・・・ァァ・・・・・・ァ・・・・・・」

ついに、ンフィスは塵1つ残さず完全に消滅した。

「・・・・・・これから救援に向かいマス!」

タウはそう呟くと、戦場を移動し始めた。









その頃、マユは1人で市街地に隠れ、真司のサポートを続けていた。
マユの持つ携帯の画面は光を放っており、そこには華盛頓(ワシントン)支部の建物の構造が立体的に浮かび上がっている。

「100も地下階層があるのね・・・・・・さすがは亜米利加(アメリカ)・・・・・・」

『感心してる場合かよ。くっ、まだ地下30階か・・・・・・』

マユの脳内に、オメガの後を追跡する真司の声が響いた。

「真司、止まってないで早く!」

『あ、あぁ! 分かってるって!』

さらに移動スピードを加速する真司。

「あ、気をつけて! 前!」

『前がどうし・・・・・・、痛ッ!!』

真司の苦しむ声が聞こえてくる。

「魔法壁ね・・・・・・闇の魔法で吸収できる?」

『イテテテ・・・・・・こういうのがあるなら早く行ってくれ・・・・・・・・・あぁ、吸収できた』

「よし、こっちの反応も消えたわ!」

『今の1つだけ、って感じはしなさそうだな・・・・・・』

「でも、慎重に進んでいたら時間がないわよ」

『チッ、こうなりゃ 全速力で行ってや゛───』

また壁にぶつかった真司。
オメガの元に辿り着くまでの道のりは、近いようで遠いのであった。








印度(インド)支部の隊長、シグマ・ユプシロンは1人で茶髪にウェーブのかかった女・ラムダと戦っていた。

「まさか、私以外が全滅させられるとは・・・・・・」
「弱いわけではないけど、まだまだね」
「では、力を解放するとしよう」


 『憑依(ひょうい) 雷神(らいじん)  N@− W−E』


全身に迸る雷を纏ったシグマは、攻撃態勢をとる。

「じゃあ、私は禁止コードを使うわ」


 『猛毒沼地(もうどくぬまち) @CLPH』



 『闇の翼 TQIMD』


漆黒の翼が生えたラムダは宙に飛び上がると、地面に向かって携帯を振るった。
すると、携帯から放たれた紫色の滴が地面に落ち、その数瞬後、巨大な毒の沼地へと変化した。


 『猛毒障壁(もうどくしょうへき) @CE@B』


沼地と荒地との境界線から毒が噴き上がった。
その毒は隙間なく噴き上げ、天まで届きそうなほど高い障壁となった。

「デスマッチの始まりよ」
「落ちれば毒、逃げても毒、か・・・・・・フンッ、面白いな」
「この沼地と障壁は私が最初使った黒い波の魔法、あれくらいの毒性を持っているわ」


 『毒ノ太刀(どくのたち) CGH』


ラムダは携帯を毒の塗られた紫色の刀身を持つ太刀に変化させた。

「触れれば終わりということか」


 『双雷刀(そうらいとう) @W−@』


黄金に輝く雷を纏った2本の刀を構えるシグマ。

どちらかが毒に触れれば即死のデスマッチ。
安易に攻めることは命取りとなる。
2人はしばらくの間、空中で睨み続けるのであった。



なんとか、順調に毎日更新が進んでますね。
とりあえずは夏休みが終わるまで続けようかと思います、それなりにストックはあるので(笑)

では、次回もお楽しみに〜。
ランキングに参加しています。 もしよろしければクリックしてください→ オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなび


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。