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蛍籠
作:楓



第29話:神隠しの鍵


 功はあいかわらず膨大な資料の山と格闘していた。
 絶対、村には何かある。何故だか分らないけど確信がある。
 「これ以上は、出てこないか。あとはそれぞれのピースをあてはめるしかないか」
 功は、いくつかの資料を見比べながら考えていた。
 「多分、これしかないか…………」
 手元の資料に書かれているのは、ここら辺一体で起きた事件や昔の新聞記事。
 そこに書かれていたのは、村で起こった数件の神隠し。
 そう、灯の一件だけではない、調べてみると同じような事件が何件も起きているのだ。
 共通しているのは、同じように十代の少女であること。それと姿を消したのは、深見の家に関わる家柄の娘であること。
 「これだけよく隠せてるよな」
 この村一番の名家が関わる事件。
 (そりゃあ、隠すよな)
 功は、一番最近の事件の起きた年月を見てみる。
 (60年くらい前か? その前がそれより50年前…………!!)
 ある事に気がついた功は、資料のページをめくり事件の月日を確認していく。
 「大体50年周期で神隠しが起きてる。被害者のくわしい情報があればな」
 (そういや、美智の上司って元新聞記者だよな。お願いしてみるか)
 功は、そう思い立ち近くにあった上着や携帯を取り、倉の外へと出る。
 鍵をかけていると母屋から、母親の声がする。
 「何だ?」
 そのひどくせっぱつまった声に功は、母屋へと向かった。
 「母さん? どうかしかたか?」
 「功!! 大変よ! なっちゃんが…………」
 「夏美が?どうかしたのか?」
 「なっちゃんが倉で頭から血を流して倒れてたって!!」
 「!!」
 功は、母親の言葉を聞くなり、診療所へと急いだ。












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