激しく胸が鼓動するのが感覚でわかる。
(え……? それって……)
陽菜は陸の顔を直視できず、目を背ける。
(駄目、期待しちゃ、駄目)
傷つきたくない一心で自己暗示をするが体はそれを裏切る。
陸の手が背中の少し下……臀部に到達してしまったからだ。
「ひゃ……っ」
このくらいのことでビクビクしてしまう体をひたすら憎む陽菜。
(言わなきゃ……このままなんて、嫌だよ……)
「や、やめてよ」
(やめて、私で遊ばないで)
陸が手を離す。
いつもとちがう反応をしているので驚いているようだった。
「嫌だよ……こんな……」
「ご、ごめん。もうしないから」
謝る物の陽菜の言いたい事がいまいち伝わっていない。
(そうじゃなくて……)
「中途半端に私に期待させないで」
震える声で言い切ると逃げる様にリビングに去った。
残された陸はひたすら頭の中で考える。
(中途、半端? 期待?)
その時、
ガチャ、ドタドタ
荒々しい足音とともにつかさが帰って来た。
「ひーちゃん、持って来たよ、さ、着てみて」
つかさは素早く陽菜と持って来た制服を部屋に入れて陸の方に向かう。
そしておもしろそうなものをつついているような笑みを浮かべて聞く。
「ね、私が居ない間何かあった? っていうか何かしてあげた? っていうかなんで凹んでるの?」
「何かって……ちょっと触ったら『やめて』って言われて……」
「ありゃ、それはどんまいだよ、で?」
なんでそんなこと言われたの?と聞くつかさに陸は言われた事を正直に話す。
そういう感情が理解不能な彼には相談するしか手がなかった。
つかさはうーんと唸ると話しはじめる。
「それってさ、陸さんがひーちゃんに付き合っても無いのにいろんなことするから戸惑っちゃってるんだと思う」
「戸惑ってる?」
本当に自覚のない陸につかさは説明する。
「だから、『もしかしたら遊ばれてるかも』とか『他の子にも同じ事してるんじゃないか』とか心配してるんだよ」
「ほ、他の奴にキスしたりとかする訳ないだろ!?」
言った瞬間つかさは目を見開く。
(あ、やば……)
思ったときには遅かった。
「ちょ、何したのよ!? そんなことしたら怒るに決まってるじゃんっ」
「だって和佐が……」
「相手はあたしとそう変わらない年の女の子なんだよ? ちゃんと相手、考えてよね」
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