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第八十五話
二人の関係は昔から変わっていない。
たぶんこれからも変わらないだろう。
戦闘技術や料理、学力等は断然陸の方が優れているのだが今まで告白された回数と言い合いだけはかなうことはなかった。

「俺は……弱いのかもしれない……今のままでいたいとか、今の生活を守りたいとか、いつもそういうことしか考えられない。だから、前に進む事がなかなかできないのだと思う」

陸は自分の性格をよく理解していた。
これは自分を客観的に見てくれる戦闘兵器がいるからかもしれない。
和佐はそんな彼に笑って返す。

「それでいいんじゃないですか?」

「え?」

陸は怪訝な顔をする。

「僕はそれが陸のいい所だと思います。僕が言うとすれば……もう少し自信を持って一歩ずつでもがんばって進んで、手を伸ばしたら届くんではないでしょうか?」

進むことはそれなりのリスクを背負う事になる。
しかし、それを怖がって前に進まなかったら一生このままだ。

「うん……ありがと」

それは昼間の帰り道。
親友がこれからの鍵となる助言をしてくれた。



それから家に帰った男二人はベットのそばで寄り添って寝ていた女の子二人を発見した。
陽菜はベットに寝ていて姫はそこに倒れ込む様座って寝ていた。
おまけにトイレのドアと窓が開けっ放しになっている状況である。
あのあと姫が嘔吐物の臭いを消す為に開けたのだが陸たちが知る訳が無い。

「ったくアイスほしいっていった張本人が寝ちゃってどうすんだよ」

陸は文句を言う。
和佐は寝ている二人を見て微笑む。

「二人ともぐっすり寝ちゃってますね。僕が姫を連れて帰ります」

そっと抱きかかえると和佐は陸に言う。

「姫と僕の分のアイス貰っときますね、それから……」

嫌らしい視線を笑顔で向けてくる和佐に陸は問いかける。

「なんだよ」

「いくら二人っきりだからって陽菜さん襲っちゃ駄目ですよ? そういうお楽しみは付き合ってから……」

「しねぇし!! とっとと帰れ!!」

「それではまた……」

言い残すと姫を抱いた和佐は一瞬で霧となって消えた。
簡単な空間移動である。

「ったくあいつは……」

愚痴を零しながら陸はネクタイを緩め、シャツを脱ぐ。
シャワーを浴びるためだ。
今日はそれなりに運動したつもりである。
汗で体が気持ち悪い状況はなかなか気分が悪い。
入る前に陽菜の方に目を配らせる。
和佐が言ってた通り気持ち良さそうに眠っていた。
(陽菜……元気になってくれよ……?)
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