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第七十九話
「で、どうしたらこうなるんだよ。三十秒以内で説明しやがれ」

先ほど顔面に蹴りをいれられた陸はキレ気味に二人に言う。

「ご……ごめんなさい……」

謝ったのは和佐だけで姫は悪気は無かった的な様子である。

「だってだって姫もこの子も血まみれになっちゃったんだもん、早くシャワー浴びたかったんだもん」

口調はいつものわがまま少女だったので少し陸は安心する。
が、それもつかの間、

「血まみれ!? お前だけじゃなくて陽菜も!?」

陸は状況の深刻さに気づき声を上げる。
そんな彼に姫は落ち着くよう促す。

「大丈夫だよ、催眠かけといたから。でもかなり体力消耗してるね、休ませた方がいいかも」

姫に抱かれぐったりしている陽菜を見ると陸はやはり心が痛む。
そして普段には無い、弱々しい声で言う。

「陽菜は……大丈夫……なんだよな?」

「あたりまえでしょ。姫がいくらかわいい女の子好きだっていっても死体は持ってこないよ」

元気づけるために言ったのだろう言葉だが和佐はつい爆笑してしまう。

「ちょ、別に姫間違った事言ってないよ!?」

「間違ってるって言ってないです……ぷくく……でも死体って……っ」

必死に堪えてるつもりだが口の端から笑いが溢れている和佐に姫は怒って睨みつける。
そんな二人を見て陸もつられて笑う。
(本当……こいつらにはいつも感謝させられるよ……)
姫は思い出した様に言う。

「一旦家に帰ってこの子の服とタオルもってくるね。あ、二人でこの子の体弄くってたら二人とも眼球抉って殺すからね」

姫が言うと冗談に聞こえない。
ぱたぱたと姫が出て行った後、陸は陽菜のもとに座り込む。
無惨な姿だった。
顔、足等の体にたくさん傷や痣が出来ていて見ているだけでも痛々しい姿だった。
(ごめん……)
陸は心の中で謝る。
今にも泣きそうな陸に和佐は言う。

「姫に見つけてもらってよかったですね。もし姫が探してくれなかったら陽菜さんもう死んじゃってたかもしれません」

「死んじゃう? あのヤクザっぽいやつらに殺されかけてたのか?」

和佐は悲しそうに哀れな少女を見て言う。

「その可能性もありますがもし生き残ったとしても精神的にぺしゃんこにされて自害してたかもしれません」

「自害!? 陽菜が? なんで!?」

驚いて陸は耳を疑う。
和佐は淡々と言う。

「姫に聞いたんですけど陽菜さんを襲った男は三人居たそうです。ですが姫が殺したのは二人。その時陽菜さんはすでに血まみれだったそうです。この意味、貴方ならわかりますよね?」

陸は頭の中が真っ白になる。
(まて、そんなはずはない、あの陽菜が……)
陸は震える声で間違っている事を信じて言う。

「まさか……陽菜が殺したっていうのか……?」
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