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陽菜の最大の秘密とは……!?
第六十六話
微笑し首を振る陽菜。

「陸くんは悪くないよ……」

疲れきった陽菜の返事は更に陸の心を痛めた。
陸は陽菜の頬を軽く撫でて言う。

「今……直してやるから……」

陸は修復の式を編む。
悪魔の修復術は物・時空だけではなく肉体回復にも使うのだ。
陸は少し躊躇して、陽菜の服を捲る。
これには疲れきって反応の薄い陽菜もギョッとして言う。

「り、陸くん!?」

頬を赤らめるあたりちゃんと自分を異性として意識してくれているんだろう、と陸は内心喜ぶ。
腹には痛がってるだけあって痣ができていた。
陸は左手でそっと痣のある部分を撫でる。

「大丈夫。傷、直すだけだから」

「ん……っ……ぁ」

陽菜は目をぎゅっと瞑りこの感覚に堪える。
くすぐったいような、でも少し気持ちのいい感触だった。
(だ、駄目だよ私!! これは……ただ傷を治してもらうだけで……その……特別な理由なんて、ないんだから……)
この感触を快感と認識してしまう自分への羞恥と無意識に期待している心を落ち着かせるため言い聞かせる。
でも、本当にこんなこと他の人……女の子にもやってるんだろうか。
そんなの、嫌だ。
そんな、自分勝手さに陽菜は自己嫌悪を覚える。
陽菜が深く考えているうちに陸の"治療"は終わった。
陽菜は、手を離された時、『もう少し……』なんて思ってしまったのは死んでも陸には言えない。

「後は……背中だっけ?」

背中の存在を全くもって忘れていた陽菜はそうだった、と呟く。
陸が陽菜の服を背中までまくり上げたとき。
(ぁ……っ、ヤ、ヤバいかも……)
陽菜はビクッとする。
陸は最初気づいていなかった。
が、陸の方もどうやら気づいたらしい。

本来女性の服を捲りあげたらある物が無かった。

陽菜は半泣き状態で陸の方を見る。
完璧に目で『えっち……』と訴えていた。
一方陸の方はといえば……
さっきまでがんばって平然(顔だけ)を保っていたものの耳まで真っ赤になって目が泳いでいる。

「ひ……陽菜……お前……っ」

今まで誰にも話したことが無かった秘密がバレてしまった。

「あんまり……見ないで……」

必死に服を引っ張って前を隠す陽菜。
恥ずかしくて死んでしまいそうだった。

そう、陽菜の最大の秘密は……自分が未だにノーブラだと言うことだった。

陸の方は今までの陽菜のパニックの五倍くらい混乱していた。
というか……男の本能が刺激されすぎて大変なことになっていた。
最初の痣を直す時陽菜の腹に触れただけでもかなりドキドキしたのに(顔には出ない様にがんばった)それ以上の事態が起きてしまった。
(お、落ち着くんだ……駄目だ……手が……っ)
触りたい、と叫んでいる手が自分の手だということを死んでも認めたくない陸。
背中には……擦りむいたような傷が出来ていて、血が出ていた。

「まって、まって!! ……とりあえず、治療してから殴って下さい!!」

混乱しているせいで敬語になる陸。
(陸くん……やっぱり男の子なんだ……やっぱり、触りたいとか、思ってるのかな……)
陽菜は自分の体を軽く抱きしめる様にして思う。
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